突然ですが、小さい頃みていたマンガやアニメって大人になった今でも痛烈に記憶に残っているものですよね。
年代によって「わ~~~!!!」って懐かしくなる作品は違うと思うのですが、年齢性別を問わず皆に認知されている作品それがいわゆる名作と言われるものなんじゃないかと思ってます。
この数ある名作の中で、今回…
玉東町出身で「あさりちゃん」の作者、室山まゆみ先生が
吹奏楽の強豪として全国に名を轟かせている
玉名女子高等学校ビジネス科アニメデザインコースで、特別講師として授業をされるとの情報を入手!!
保育園時代のころ、あさりちゃんのお弁当箱を持っていたファンとしては、こりゃ見逃せねえ!!ってことで行ってきました!!
うわあああ…本物ばい!!
「あさりちゃん」の作者、室山まゆみ先生。実は姉妹で描いておられ、左が姉の室山 眞弓先生、右が妹の室山 眞里子先生です。
昭和51年デビュー、昭和53年にあさりちゃんの連載が開始、現在100巻まで発売されており、平成26年には「二人組による1コミックシリーズ最多発行巻数(女性作家)」としてギネス世界記録に認定されたすごい先生なのです。
2人で描く場合にはどちらかが原作担当、作画担当と分かれていることが多いのですが、お二人は原作も作画も共同でされています。
ただ完全に一緒という訳ではなく、妹の眞里子先生が下書き、姉の眞弓先生がペン入れをするなど作業面での分担はあるそうです。
そんな巨匠ですからね、背中で学べ!!的な話になるのかなと思いきや
「SNSはすごいわよ!我々のころなんかプロになるには上京するしかなかったんだから。今はわざわざ出なくたってデビューできちゃうんだから、どんどんあげたほうがいいわよ」
「そうそう。使い方によっちゃさ、この中から来年デビューする子が出てきてもおかしくないんだもん」
「今はオリジナルゆるキャラとかからバズることもあるんだから。そうそうゆるキャラと言えばね」
「昔はね、こんな感じでキレイに描かなきゃダメなのよ。怒られてたの。でも表情出すならこんな感じでデフォルメするじゃない?」
「そう、当時はこんなに崩す人いなかったから」
「それが今やこっちの方がスタンダードになっちゃって。よく分からないわね」
まるで立て板に水のような勢いで続くボヤキ漫談。
生徒も釘付けです。
そんな中、これぞまさに聞きたい人多いんじゃないのかな?という授業の本題「どうやってマンガ描いたらいいの?」に踏み込んでいきます。
マンガは記憶
聞くよりまずは実践!ということで挑戦してもらうことに。
テーマは「入学式のときに着ていた制服」。
先生いわく「記憶で描くのがマンガ」ということで、とにかく普段からの観察力が大事になるんですって。
生徒、大混乱。
でも
どうにか記憶を頼りに
ペンを進めます。
皆があーでもない、こーでもないと頭を抱えている間に先生は初見の制服をサクッと描きあげるこの力量。
ジャケットの襟部分やボタンの位置、ネクタイの場合どのようなしわが入るのか、リボンの場合にはどうなのか?も詳しく解説していきます。
これは目からウロコなことばかり。記憶って本当に曖昧なもんですね。
「だからまず他人の表情をよく見る癖をつけて欲しいかな…絵がうまい子でも表情が描きわけられないって子多いのよ。表情を見てないから」
あとはコマでよく見る感情を表すこの文字。これもレパートリーを増やしていったほうが便利なんですって。
てか、あまりにもサクサク描かれるのでうっかりと忘れてましたが、これ黒板なんですよね。それでこのクオリティはさすがの一言。
あっという間に2時間が経過し、「みんな!熊本県はマンガ県なんだから頑張ってね!」って生徒に声をかけながら、終了!
授業が終わったら先生は即、黒板を消そうとしていたのですが生徒が必死に「消さないでええ!!!」って止めてました。そりゃそうですよね。小さいころから見てたマンガの作者さんの直筆ですもん。消せません。
そう。熊本県はマンガ県(を目指している)。
室山まゆみ先生がおっしゃったように、実は熊本県はマンガ県…
いや正しくは
2021年10月にマンガ県くまもとを目指すべく、県内各地のマンガやアニメを生かした地域活性化と、熊本の魅力を国内外に発信することを目指す「くまもとマンガ協議会」が発足され
定期的な勉強会や
熊本に在住するイラストクリエイターの方を知ってもらうべく、見本市を開催したりして動いているんですよ。
また熊本県にゆかりがあるマンガやアニメも毎日SNSで発信しています。
熊本は、今回授業を見学させていただいた室山まゆみ先生はじめ、たくさんマンガ、アニメゆかりがある県です。
漫画家やアニメーターなどクリエイターがより働きやすい環境、そして適正な金額で仕事を受注できるような体制を整え、漫画家が住みやすい県となるよう目指しています。
今やマンガやアニメは一大産業になる、なんて言われて久しいものですが、そんな商業的な話ではなく自分の人生観すら変わってしまうほどの作品が、ここ熊本から生まれるかもしれない!という可能性があるってだけでワクワクしてきますね。
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