熊本県宇土市にある「轟水源(とどろきすいげん)」。
木々に囲まれた水源には、澄んだ水が絶え間なく流れています。
水面には周囲の緑が映り、石造りの水路からは水が幾筋にも分かれて流れ落ちます。
秋なのにじりじりと暑い10月の初めに行ってまいりました。
駐車場は水源前広場が便利

ちょっとした公園にもなっているこちら。

広い駐車場があり、

お手洗いもあります。
山に降った雨が、清らかな水となって湧き出す

轟水源の水は、南西に位置する大岳山地に降った雨が地下にしみ込み、
火山岩の割れ目などを通って湧き出したものと考えられています。

山に降った雨が地下を巡り、ここで清らかな水となって姿を現すのです。

水源のそばには、しめ縄が張られた石造りの祠もありました。

地震ででしょうか。
頭の取れてしまったお地蔵さんの姿もあり、
静かな水辺にたたずむその姿も印象的です。
江戸時代から続く、暮らしを支える水

轟水源の歴史は、江戸時代にさかのぼります。

当時の宇土町では、井戸の水に塩分や鉄分が含まれるなど、飲み水の確保が課題となっていました。

そこで、宇土藩初代藩主・細川行孝によって、轟水源から城下町まで水を引く計画が進められました。

1663年(寛文3年)に工事が始まり、翌1664年に完成しました。
約4.8kmにわたる水道には、当初、松橋焼の土管が使われました。

その後、老朽化した土管は馬門石(まかどいし)の石管へと改修されました。
(馬門石は、熊本県宇土市の馬門地区で採れる、赤みがかったピンク色が特徴の石材。「阿蘇ピンク石」とも呼ばれています)

こうして整備された「轟泉水道」は、300年以上の時を経た現在も使われています。

江戸時代に造られた水道が、今なお地域の暮らしを支えていることに驚かされますね。
まだまだ暑い10月、水遊びを楽しむ子どもたち

訪れたのは10月上旬。
秋へと向かう時期ですが、まだまだ暑さが残っていました。

水源では、子どもたちが水遊びを楽しみ、にぎやかな声が響いていました。

歴史ある水源というと、静かに見学する場所を想像しますが、
ここには今を生きる人々の暮らしがあります。

澄んだ水に触れて遊ぶ子どもたちの姿からも、地域に親しまれている場所なのだと感じました。

水源へ向かう道沿いには、野菜や花などの無人販売所も見られました。

豊かな水に恵まれたこの地域。
並んだ野菜や花を眺めながら、土地の恵みに思いを巡らせます。
江戸時代から受け継がれてきた水と、それを取り巻く人々の日常。
轟水源は、歴史を伝えるだけでなく、今も地域の暮らしに寄り添い続ける場所でした。
訪れる際の注意点

なお、現地の案内板には、飲用する場合は必ず煮沸すること、ペットの立ち入りは禁止であることが記されています。
訪れる際は、現地のルールを守って利用しましょう。
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