最初は違和感があったのですが、慣れてくるとそんなもんか。と思う事や物ってありますよね。
例えば、くまモンの数とか県外の人が見たらやっぱりビックリすると思うのですが、熊本県人は見慣れてしまい、くまモンとすれ違っても驚かなくなっていませんか?
そんな日常を振り返り、リサーチしてみました。
公園に電車!
西熊本駅から徒歩10分ほどの「島町公園」に昔の電車があります。
一見普通の公園ですが、奥に電車があるんです。
機関車もありますが、その奥に
遊具の奥にひっそりとあります。
地元の集会所として再利用
屋根が設置してあり、とても綺麗。
公園の竣工が昭和47年(1972年)3月。
島北地区の集会所として地域の重要な拠点となるべく、当時廃車予定だった熊本市電を買い取ったのだそう。
なぜ集会所のために市電を…と思ってお話を伺ったところ、当時この辺りは新興住宅地として出来たばかりで集会所を作る土地も予算も厳しかったそう。
市電購入し、それを改築すれば、建てるよりは安い!となり今に至るのだそうです。
特別に中を見せていただきました。
入り口は改装してあり、扉がついていました。
屋外には夏祭りや餅つきなどを開催する際の倉庫が設置されています。
扉を開けると、当時の電車の扉がありました。今はもう動かないようです。
車内は椅子が取り外され、フローリングに改装してありました。
後ろの方は棚や事務器具などを設置してありました。
窓は換気のため一部改良してありますが、天井などは当時の面影を残しています。
裏側のドアは開きませんが、結構広い扉だったんですね。
第3の人生
なぜここに電車があるのか気になって電車の人生を調べてみました。
ヒントは電車の前に書いてある「403」という番号。
調べ進めると、ウィキペディアで「大阪市交通局901形電車」として記載がありました。
大阪に市電が走っていたなんで驚きです。
製造は1935年-1936年で50両製造されたとあり、昭和10年製造の戦前の大阪生まれの89歳。
1960年代に大阪の市電は縮小され、1963年(昭和38年)に熊本市交通局、鹿児島交通局や神戸市交通局などに譲渡されたそう。
熊本市交通局のホームページを見てみると、1959年(昭和34年)に熊本駅-田崎橋が開通したものの、1965年(昭和40年)に百貫石-田崎間、河原町-川尻間、1970年(昭和45年)に藤崎宮-上熊本間、辛島町-南熊本駅間、1972年(昭和47年)に水道町-子飼橋間が相次いで廃線となり、この公園で第3の人生を送っているようです。
当時の大阪市電を残す貴重な車両のようです。
引用元
熊本市交通局→http://www.kotsu-kumamoto.jp/one_html3/pub/Default.aspx?c_id=24
1935年 | 0歳 | 大阪市電として生まれる。 |
1963年 | 28歳 | 大阪市交通局から熊本市交通局へ転勤。熊本市交通局で活躍。 |
1972年 | 37歳 | 熊本市電を引退し島町公民館となる。 |
2024年 | 89歳 | 塗装を熊本市電のカラーに塗り替えてもらう。 |
車輪もないため、電車としては活躍はできませんが、地元の方々を支える公民館として現役で頑張って欲しいですね。
※この周辺には駐車場が無いため、見学に来られる方は公共交通機関等をご利用ください。
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