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【コロナに負けるな応援企画】熊本高校野球部がリモートで伝統「げんこつ」をしてみた

ライター:ムトー ムトー

学校休校中に「高校生部活動応援企画」として、熊本県立北高等学校の吹奏楽部リモートを行った肥後ジャーナル。

実は

リモート企画を提案していたのは、吹奏楽部だけじゃなかったんです。

同時進行で熊本が誇る進学校、熊本県立熊本高校野球部にも「ねえリモートしてみません?」って声をかけてました。


野球でリモートって何ができるんだろう

「野球部をリモートで応援」って思いついたはいいけれど、問題は一体何をするのかという点。

取材当時(4月)はまだ学校が休校でしたし、いつ再開するのかも全く未定の状態。

しかしモジモジしていても仕方ない。

勇気を出して、熊本県立熊本高校野球部の保護者会に、まずはお願いをしてみることに。

ムトー

リモートで何かできることはないかと思いまして。例えば校歌を皆で歌うとか。

保護者会

うーーん…。それよりも、熊高らしい…

あっそうだ。「げんこつ」!!!これならいけるかもしれません!

ムトー

げんこつ??

歴史は昭和29年にさかのぼる。
「熊中・熊高百年史」などによると、野球部の試合中に誕生した。対戦相手の高校が人文字など応援に工夫を凝らした。ところが熊高には、することがない。さて困ったぞ、というとき、ある柔道部員が前に出て、即興で作ったと伝わる。

参照 産経新聞

なるほど。

野球部の試合中に誕生したのであれば、野球部がしてもおかしくはない。むしろするべきであろう。実際に過去の映像をYouTubeで確認したところ、非常に士気が上がるもの。

よし。熊高野球部はげんこつでリモートを決行しよう。そこから始まりました。

1つ1つにドラマがある

北高と同様に、各自のスマートフォンで撮影した動画を集めたところ、「マネージャーが撮った写真です。よかったら」というメッセージと共にたくさんの写真が添えられていました。

それは

どの1枚を撮っても

子供たちが本当に野球を楽しみ

全力で向き合っている姿。

そこで写真を撮ったマネージャーとコンタクトを取り、インタビューを行ってみました。

ムトー

まず今回のコロナの影響で部活動もできない状況であったかと思います。お休み中って部員の皆さんはどのように過ごされていたのでしょうか。

マネージャー

保護者であったり部員本人からLINE等で「自主練してるよー」など、それぞれで場所と時間を作って自主練に取り組んでいました。

もちろん自主練だけじゃなく勉強も。

ムトー

さすが熊高。

ところで3年生は今年が最後じゃないですか。まだ甲子園どころか県の大会もどうなるか分からない(取材当時4月)状況で伺うのもなんですが…

一番思い出に残っている試合は何でしょうか。

マネージャー

昨年8月の市内大会の初戦のルーテル戦ですね。

9回が終わった時点で1-1で
そこから延長13回タイブレークの表の攻撃でいっきに4点とり、
そのまま裏をしっかり守って
5-1で勝った試合です。

延長になった時から、熊高のベンチはすごくソワソワしてて、
みんな結構緊張していたと思います笑
タイブレークまでもちこんで
もぎとった点は、みんなのなかで大きな自信になったと思います!

実は入学当初、マネージャーではなくプレーヤーとして入部したんだそう。

背番号17番が女子マネージャー

1年生大会で背番号をもらいベンチに入ったものの、本来公式戦では女子はNG。係の人に注意をされ退出を余儀なくされました。その後、自身のケガや当時のマネージャーが退部したことで、プレーヤーからマネージャーへと変わったのだとか。

マネージャー

だから同級生のみんな(現3年生)は、私のことをマネージャーとしてではなく、本当に仲間として扱ってくれるんです。

なにもう泣ける。

プレーヤーとしての気持ちが分かる。だからこそ、1枚1枚があんなに輝いて見えたのかと腑に落ちました。

熊高野球部による「げんこつ」リモートご覧ください

それでは完成した熊高野球部による「げんこつ」リモートご覧ください。


今回のリモートにあたり、様々なBGMを考えたのですが、部員の想い、そしてこの企画を許諾していただいた保護者の気持ちを表すのはこの曲しかないと思い関係各所に許可取りを行いました。

企画内容そして趣旨にご賛同いただき、使用を快諾いただいた

ドリーミュージック様

日本テレビ音楽株式会社様

携わっていただいたご担当者様、関係各位本当にありがとうございます。この場を借りて御礼申し上げます。また4月の取材にも関わらず3カ月以上も「待ちますよ」とおっしゃってくださった熊高野球部保護者の皆さま、本当にありがとうございました。

野球を想う気持ち

この取材を通じて感じたことは、好きな事に対して真摯に向きあう姿は

「強豪校だから」

「進学校だから」

なんて全く関係がないという事。今後の人生において二度とないであろう高校3年の夏を迎えるには、あまりにも不完全燃焼かもしれない。しかし今まで懸命に野球に向き合ってきたという事実と経験だけは誰にも奪われることはありません。

それはきっと今後の人生の糧となってくれることと信じています。

それを見守る我々大人ができることは、「こんな状況下でも頑張っている子たちがいた」この事実を忘れないでいることではないでしょうか。

ご協力いただいた熊本県立熊本高等学校野球部部員、また保護者会の皆さま本当にありがとうございました。

熊本県内での甲子園代替試合日程は以下のとおり。

出典 熊本県高野連

今回取材させていただいた熊本高校はもちろん、他の高校の野球部の皆さんも、活躍を期待しています。

また、この度の豪雨で被災した地域におきましても、状況が落ち着き次第応援していく企画を検討しています。熊本一丸となって、乗り越えましょう!

ライター紹介

ムトー

ムトー

肥後ジャーナル編集長。 「人はなんで痩せなきゃいけないのかな」という思考にまで達したのでもうきっと痩せません。 気にしません。

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