高校吹奏楽部では熊本勢初!リモート演奏やってみた!【熊本県立熊本北高等学校 吹奏楽部】
どのメディアも毎日新型コロナウイルスのニュースばかりな日々。
それはもちろん日常に直結する内容ですから、あってしかるべきなのですが、なんだか「見ると苦しくなってくる」と感じてくる場面も少なくありません。
そこで今回、ちょっとでも前向きになれるような企画として、熊本市北区にある県立熊本北高等学校 吹奏楽部に
「ねえ、流行りのリモート演奏してみない?」と交渉してみました。
まずは企画が跳ねられてしまう可能性問題
リモート演奏とは、自宅でそれぞれが演奏し、1つの音楽を奏でること。一見簡単なように見えますが、実際指揮者が目の前に居るわけでもありませんし、リモートでするため音がズレたりなど、かなりの技術を要するこの演奏。
YouTubeでアップされているのも、日本フィルハーモニー交響楽団を始め、吹奏楽部の強豪校など、いわゆる猛者ぞろい。
しかも、こんな無理難題な企画を言ってきているのは、吹奏楽に縁もゆかりもない肥後ジャーナル。
「高校の吹奏楽でリモート演奏できたら熊本勢初ですよ!やりましょう!!」※2020年4月当時
って言っても、そもそも相手にしてもらえるのか、という問題に直面。
私の肌感覚だと、公立は特に厳しいですよ。なぜなら私立と違い公立の立ち位置というのはペチャクチャペチャクチャ
うるせえて!!!!
せめて誰かの母校とかなら可能性あるかもしれませんね。
吹奏楽部が強い…
あっそういや、僕の母校、結構有名ですね。
母校どこでしたっけ
北高です。
というわけで、北高に連絡をし、顧問の荒木先生へ詳細を説明することに。
zoom打ち合わせ時
…という訳なんです。
ぜひとも北高吹奏楽部で、リモート演奏されませんか?
やりましょう!!!!
まさかの快諾。
曲目は部員全員、楽譜なしでも演奏できる「おてもやん」に決定。
ところでどうやってリモート演奏するの問題
問題はここです。
そもそもどうやって演奏しているのか問題。まずは生徒が使い慣れている「zoom」を使用しての演奏を試みました。
えっ…zoomですか?やる前から言うのも何ですが
絶対にできませんよ。
まずやってみましょ!どの程度、音がズレるのかもみたいので。
えー…分かりました。
嫌がる先生を無理やり説得し、迎えたzoomでの演奏の日。
とにかくこんなんなりました。
生徒さん戸惑っているじゃないですか。かわいい。
黙れて。あんたこれマイクONになっとるけん。
そういうのは早く言ってくださいよ!!!
ムト―さん、山田さーーん。
これもう自撮りに切り替えましょう。
先生のナイスジャッジで、今度は自撮り動画に切り替えることに。
その後も「音はあったけども画像があっていない」「自撮りの環境が異なるから、音割れが発生する」などなど、予期せぬトラブルにも根気よく荒木先生にはお付き合いいただきました。
いよいよ完成
そしていよいよ完成。まずは是非ご覧ください。
北高吹奏楽部名物「おてもやん」。
お分かりのように、生徒はそれぞれの場所で演奏を行っています。皆、楽器を持って帰ってはいたのですが、住宅環境等でいつものような音は出せない子も少なからずいました。
それでも「できません」と、諦める子は1人いませんでした。
保護者の車内であったり、誰もいない屋外、また、戸建てに住む祖父母宅へ事情を説明して出向いたりなど、演奏ができる環境にするため各々が努力して出せた音です。
それもこれもすべては
「吹奏楽が好きだから」
という気持ちのみ。
この気持ちさえあれば、どんな状況であっても、今できるベストな道を自分たちで模索していく。そんな力に変えられるのではないかと感じられました。
今大人ができること
今回は新型コロナの影響で、部活動が出来なくなった事でフラストレーションを発散してもらうため始めたこの企画。
しかし記事公開する前に、様々な部活動のイベントや夏の甲子園中止など
子供にとっても、また支える保護者にとってもショックな決定が相継ぎました。
このために3年間歯を食いしばって、時には涙し、踏ん張っていた子供たちの心中は察するに余りあると言えるでしょう。
せめて
全国に行けずとも。
県大会に出られずとも。
3年間頑張ってきた集大成として
ここに証として、記録として、記憶として。
1人でも多くのかたに
見ていただければ幸いです。
こんな状況の中でも、しっかりと子供たちは前を見据え、今自分たちが出来る事をやってのけました。
今回ご協力くださった、熊本県立熊本北高校吹奏楽の部員、顧問の荒木先生、許可をしていただいた学校。そして何よりすべてにおいてフォローしてくださった吹奏楽部保護者の皆さまにこの場を借りて御礼申し上げます。
熊本の高校生!!今からだ!頑張れ!!!応援しています。
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