小国町を歩いていると、あちこちで水の気配に出会います。
今回見つけたのは、宮原一番街の「鏡ヶ池」、「静川水神様(しずかわ)」、「けやき水源」の3カ所を巡る「小国水神様巡り」。

それぞれの場所でスタンプを集め、3つそろえると「水神福銭」がいただけるそう。
せっかくなら、ただスタンプを押すだけではもったいない。
どんな場所なのか、そこにどんな物語が残っているのかも知りながら、3カ所を巡ってみることにしました。
まずは「鏡ヶ池」へ

こちら宮原一番街。


宮原一番街には駐車場があります。
こちらの駐車場の他、「鏡ヶ池無料駐車場」や、「富くじ公園駐車場」などもありますよ。


最初に向かったのは、鏡ヶ池。

藤棚でしょうか、緑が美しいです。

小国両神社の西側にある湧水で、何とも美しいブルー。
池には水神様が祀られています。

ここには、平安時代の小松女院と清原正高にまつわる悲恋の伝説が残っています。

(鏡が沈んでいる風景)
その悲恋とは…
小松女院は、身分の違いから愛する清原正高と離ればなれになったと伝えられています。
正高を追って、小松女院は侍女たちを連れて旅に出ました。
長い旅の途中で小国にたどり着き、この池のほとりへ。

そこで小松女院は、正高との再会を願って鏡を池に沈めたのだとか。
一説では、女院とともに旅をしていた11人の侍女たちも、それぞれ鏡を池に沈めて再会を祈ったと伝えられています。

(沈んでいるコインと鏡)
こうして、この池は「鏡ヶ池」と呼ばれるようになったと言われています。
でも、物語はここでは終わりません。
小松女院一行はさらに正高を探して旅を続け、やがて大分県玖珠町へ。
三日月の滝で木こりに正高のことを尋ねると、正高はすでに別の女性と結婚していると知らされます。
小松女院は悲しみの末に「三日月の滝」(大分県玖珠町)へ身を投げ、
侍女たちも後を追ったという、悲しい伝承が残っています。
そう思って眺める鏡ヶ池は、静かで美しいだけに、どこか切なく感じますね。

ここで、1つ目のスタンプをペタン。
次は「けやき水源」
次に向かったのは、けやき水源。
大きなけやきの根元から、透明な水がこんこんと湧き出しています。

加工されていない透明な水は、日常で少しずつ汚れてしまった心まで洗ってくれるよう。
いつまでも眺めていられます。
水源って、なんでこんなにも癒やされるんでしょう。
私たちは、むかし水の生き物だったからでしょうか。
そんなことを考えながら、しばらく水を眺めていました。
肥後ジャーナルで以前記事になっております。こちらをどうぞ。

そして、ここで2つ目のスタンプをペタン。
次は富くじ公園の「静川水神様」

続いて向かったのは、富くじ公園にある静川水神様(しずかわすいじんさま)。

けやき水源から川沿いを歩きます。

季節は9月後半。

風は柔らかく、夏の暑さを少しずつ忘れてゆきます。

こちらです。またまたきれい~~。

現地の看板によると、かつてこのあたりは竹藪に覆われ、
湧き水のほとりに水神様が祀られていたそうです。


そして、ここには「願い石」と呼ばれる石がたくさん。

願いを込めて奉納された石は、一定期間ここに置かれたあと、静川の流れに納められるのだそう。
願いを書いた石が、最後は水に帰っていく。なんだか素敵です。
そして、ここで気になったのが「富くじ」という名前。
実はこの周辺には、富くじにまつわる福運の伝承が残っています。

(静かな水源)
商家の湊屋・橋本順左衛門は、けやき水源に舟が入る夢を吉兆と感じ、富くじを購入。
すると、一番くじを当てたと伝えられています。
その後、津江の鯛生や鹿児島の菱刈で金鉱を探し当てたとも。
ところが明治24年(1891年)の宮原大火で湊屋も焼失。
その際、蔵にあったという大金塊が姿を消したという話まで残っています。

(ゆっくり座れるベンチもあります)
富くじを当て、金鉱まで探し当てた人物。
なんだか、とんでもない福運です。

ここで、3つ目のスタンプをペタン。
3つ集めると「水神福銭」
3つのスタンプを集めると、最後にいただけるのが「水神福銭」。
どんなものなのかは、今回は写真ではお見せしないでおきます。
実際に3カ所を歩いて、最後に自分の手でいただくほうが、ちょっと嬉しい気がするので。

鏡ヶ池では、悲恋の物語。
静川水神様では、富くじと福運の物語。
そして、けやき水源では、水の恵み。

3つの場所を巡ってみると、単なるスタンプ集めではなく、小国に残る水と、人々が水に寄せてきた物語をたどる旅になりました。
スタンプを押すたびに、少しずつ小国のことを知っていく。
そんな「水神様巡り」、歩いてみると面白いですよ。

こちらの案内マップは水源に置いてあります。
スタンプを3つ集めたら、いよいよ「福銭交換所」へ。
福銭交換所は、
「マルサン児玉酒店」さん、
「くつろぎ処夢屋」さん、
「民泊けやき水源」さん、
「セレクトショップCLIP」さん、
「カフェ KaNeL」さん
の5カ所。
この中から好きな場所を選んで、福銭をいただきます。
いつまでこのイベントをやっているのか気になり、「マルサン児玉酒店」さんに尋ねてみました。
「ずーっとやっていますよ、ずーーっと」
とのこと。
まるで、枯れない水源のようなお返事でした。
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