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とじる
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とじる
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とじる

もうすぐ2021年も終わりますね。やり残したことはないでしょうか。

私はあります。

熊本電鉄 藤崎宮駅の隣にあるこの地下。この先が何なのかとても気になっているのです。

しかし関係者ではない私は入れない。

ああ気になる気になる。

諦めきれない。

てことで、今回かなり特別な許可を取り、この地下に入ってみることができましたので、その内容をご報告したいと思います。


謎のダンスホール

藤崎宮駅に併設しているかのように存在しているこのビルは、ニュー広町ビル。

所有されておられるNCくまもとに趣旨を説明したところ、苦笑いの末、許可をいただきました。本当にありがとうございます。

では早速入ってみましょう。繰り返しになりますが今回はかなり特別な許可を取って撮影させてもらっています。通常は立ち入りが禁止されていますので、くれぐれも真似をされないようにされてください!

さあいよいよ2021年やり残したことかなう瞬間。

入ってみましょう。

ちなみに、ここから狐につままれたようなことが連続しておきます。

私は普段の撮影はスマートフォンのカメラを使用しているのです。地下といえどそれまでは普通に使えていたのです。

謎。

敷地内に入った瞬間、謎の光が暴発。

まあ気にせず進んでみましょう。

入口の扉の横には

もう文字がうっすらですがなんだかお店らしき文字が見えます。カラオケ&ダンス ニューアカシア…?か

なんだか排他的な雰囲気になってきました。

「なんか一気に雰囲気変わりましたね」

「うーん…ここ天井が雨漏れしとるけん、そがん見えるとかもしれんです」

「なんですか。このボールルームダンスて」

「あれたい。ダンスホール」

ダンスホール!!!!

どうやら社交ダンスとカラオケの店だったんだそう。

それでは満を持して中に入ってみましょう。

こんな感じの通路があり

多分ここが受付だったんですかね。「会員募集」の文字が。

うわわわわ

広い!!!

「ほら大きな鏡があるでしょうが。ダンスばせなんけん、ふとか鏡のいるもんな」

「太か鏡ていうか…」

なんですかこの突然のホテル。

「あー、こらここのダンスホール自体が手作りでしたもん。節約のために閉館したホテルから鏡ばもろたって確か言いよんなはった」

まさかの手作り。ダンスホールの関係者の方はよくこのホールで寝泊まりされていたのだとか。

「あとあれよ。この奥にはVIPルームのあるけん

ここがVIPルーム。

「なんだか想像と違います」

「なんでね!?このVIPルームでカラオケば楽しみよらしたとよ?他のもんはダンスホールで歌わなんかったとだけん!」

ダンスホールでカラオケ…?情報量が多すぎて脳内処理が追いつきませんが、当時はカラオケを歌う人と社交ダンスする方が一緒の空間にいることも、そんなにおかしな話じゃなかったんですって。

不思議な気分で話を聞いていたところ気になる扉を発見。

開けてみましょう。

どうして????

ここは先ほど通った排他的なとこの通路!

「こんな無防備なの?勝手に出て行って勝手に入っていかす!」

「ねー。不思議ねえ」

こんなに扉の距離近いのもどうして。

ニューアカシアを出るとまっすぐな通路に出ます。

こういう窓のデザイン、昭和の昔にはよく見ていたなあ。喫茶店の窓って大体こんなんだった気がする。そんなことを考え進んでいたところ…

喫茶おそ松くん!!!!

突然現れた喫茶おそ松くん。そのネーミングから閉店後も何人か「もうやっていないんですか?」と尋ねきたんだそう。

現在のおそ松くんの店内はこんな感じ。

そのほかの箇所もいくつか見せていただくことに。

小料理屋さんだったんでしょうか。

色々と当時の面影が色濃く残ったままでした。

詳しい話をNCくまもとに聞いたら六本木ヒルズって言う

このままじゃ単なる謎スポットになってしまう。そこで、このビルの所有者であるNCくまもとに詳しい話を聞いてみることにしました。

「地下への誘導、ありがとうございました」

「いかがでした?」

「不思議でした。でもなんだろう。大人の社交場とでもいうのでしょうか。おばけ的な怖さではなく、背徳感を覚えるような。そんな印象でした」

「確かに雀荘とか飲み屋とかが多かったからですね~。これマンションの人だけじゃなくて誰でも入っていい場所だったけん、「あ。私ここに遊びにきよった!」って人もおらすと思いますよ。複合施設みたいなもんだったけん」

「ほー」

「まあ言ってしまえばここはアレよ。熊本の六本木ヒルズ!

なんと。

残っている資料を見たら、熊本の六本木ヒルズことニュー広町ビルができたのは昭和46年。なんとアポロ13号が月面着陸した年と同じ。アポロと同期ですね。

地下に飲み屋さん、1階に生鮮食品、2階に事務所といった具合で、何でも入っている複合施設だったんだそう。

他にはクリーニング屋さんやら貿易会社やらブティックなど、様々なテナントが軒を連ねていました。

なんとこのビルの2階で結婚式も行われていたのだとか。

「2階に結婚相談所ていうかね、結婚互助会か。そがんとが入っとったけん、式もしたことがあるて聞いたよ」

その上は、熊本で一番古いと言われている分譲マンションになっているのです。

「よーと考えてください。駅チカ、ブティックなどの複合施設、そしてその複合施設の上に分譲マンションよ。それはもう、六本木ヒルズよね!」

「なるほど。それはヒルズ」

言われてみるとヒルズに見える不思議。

4階より上は分譲マンションなんですが、熊本で一番古いマンションなんです。

街中にも近く、藤崎宮駅のすぐそばという好立地もあり、様々なテナントが入っていたのですが、先の地震で大きなダメージを受けたこと、そして老朽化が進んだこともあり平成30年に最後の碁会所が閉鎖となり現在に至ります。

「地下はね、そういったことで新たにテナント募集は行わないんですが、スポット的に利用されたい場合にはご相談ください。2階はテナントの空きはありますよ。」

2階の空きテナントも見せていただきました。

今年も中止になりましたが、藤崎宮秋の例大祭のときには特等席で見ることができます。

ぜひ気になる方はNCくまもとまでお問い合わせください。

まとめ

昭和も昔になりにけり。

もう令和に変わって3年が過ぎようとしています。昭和をリアルタイムで知らない世代の方がどんどん増えることでしょう。

それでも、だからこそ。

当時を知らない世代でも、ここまで惹き付けられる魅力をいまだ放っているのも昭和のパワーなんだと思うのです。

躍動、騒動、そして感動。

M-1でおじさん代表、錦鯉が優勝したこの時代に必要なのって、案外パワフルな昭和のチカラなのかもしれませんね。

あーこれで安心して2022年を迎えられます!無理を言ったにもかかわらずご対応いただいたNCくまもとさん、ありがとうございました!

ライター紹介

ムトー

ムトー

肥後ジャーナル編集長。 「人はなんで痩せなきゃいけないのかな」という思考にまで達したのでもうきっと痩せません。 気にしません。

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