何気にグーグルマップを見ていたら、口コミ評価の高い美しい場所を見つけたので行ってまいりました。そこには、「水の都、熊本」を痛感する、素晴らしい光景がありました。
玉名郡玉東町にある「年の神水源」へ
緑の田んぼを眺めながら、心地の良いドライブをして玉名郡玉東町の「年の神水源」(としのかみすいげん)へ向かいました。
色づく寸前。もみじはこんなに美しい緑も見せてくれるのですね。
涼しくなった風を浴びながら、風が木々を揺らす音を聞きながら外に出ます。真夏の日差しに、何となく急かされていた気持ちが久しぶりにゆらりとリラックスするような気候です。
案内の看板も乏しいので、マップを見ながら行かれる事をお勧めします。
きらきらと陽を浴びる湧き水です。こちらは白木川の水源。
海外へ行くと良く分かると言われておりますが、私は海外に行った事が無くても分かります。「水が美しい場所」というのは本当に宝ですね。
冬は水流が減り枯れることがあるそうですが、池の中にあるこの四角い石からは、目の覚めるような透明度の、これ以上にない美しく冷たい水がどんどんと湧き出ておりました。うっとりとするほど水が延々と湧き出る様子はいつまで眺めて居ても離れがたいものです。
足を浸してみましたが、痺れるような冷たさ。この冷たさを表して地元では「こわか水」と呼ばれているそう。
こわか水。ぜひ触れてみてください。
そして年の神水源は、「白木川水源」(しらきがわすいげん)とも呼ばれており、地域の方々の生活用水であり、みかん園や水田にも利用されているそうです。
年の神水神さま
公園の脇にある「年の神水神」さま。
緑の揺れる音と、水のせせらぎ。
人工音が全くない美しい場所で、日常の喧騒や邪気にとりつかれている自分を想い返します。そしてコロナ禍で変わってしまった生活に対するストレス。どうか、一刻も早く平和で安心できる日々が戻ってきますように、と手を合わせました。
台風のせいでしょうか。年の神水神さまの横に樹齢およそ300年の大木があるとの事でしたが伐採されておりました。代わりに真っ直ぐと横一列に並んだ杉が水源を見守っていました。
さまざまな住人
モンキアゲハでしょうか。二頭の蝶がくるくると回りながら地面の水をそっと飲んでいました。
真夏にオニヤンマを握っていた親戚の子供を見て、悲鳴を上げて全力で逃げた私ですが、静かなこの場所では虫の動きに見入ってしまいました。邪魔はしません。
水を飲んではお尻から「ぽとぽと」とまた水が出ていました。蝶はミネラルを濾過して水分をお尻から出すのだそうです!知らなかった!静かな静かな生活を邪魔しないようにシャッターを切りました。
魚はあまりいないようです。
その代わりよく見かけたのが「カニ」。流れのないところでひっそりと鎮座されておりました。
散歩道
散歩道もとても涼しい風が吹いておりました。
まるで存在しないかのような透明な水。
プチ高千穂峡。(私が勝手に名づけました)心地よい音です。
台風で折れてしまったもみじの木が水に浸かり、その姿もまたなんとも言えない「季節の終わりの始まり」…嬉しいような寂しいような秋の始まりを描いているのでした。
広場や
あずまや、お手洗い、駐車場もございます。
日々あちらこちらでテレビの音をバックに、目にはインターネットからさまざまな情報が入って来て、私たちの日常は豊かであるけれども、何が本当で何が嘘なのが分からない状態で、実は昔よりも不安が増しているのではないでしょうか。
誰かから連絡があるかもしれない、仕事の連絡があるかもしれないと、少しの間スマホを離れる事も許されない状況は便利を通り越して息苦しいものではないかと、水と緑を眺めながら感じました。それも日常から少し離れなければ気付かないほどに麻痺してしまっている状態。
このように、ぽけーっとする時間が現代人にとっては、一番の贅沢なのかもしれません。
※地元の方々が大切にされている場所です。体調の悪い日は行かない、大声で騒がない、ゴミを出さない、生き物を大切にする、「来た時よりも美しく」を徹底してよろしくお願いいたします。なお、バーベキューは禁止です。
熊本の美しいを守るために心よりお願い申し上げます。
年の神水源
住所 | 玉名郡玉東町上白木 |
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駐車場 | あり |
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