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とじる
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とじる

葦北郡津奈木町と言えば、肥後ジャーナルでも幾度となくご紹介している

アートの町。

ですよね。

実際、町のいたるところで

アート

アート

アート!!!と、楽しむことができます。

そこに今回新たなアート作品が加わったとの情報を入手。

正直、アートなるものが何なのかさっぱり分かっていませんが、新しいものができたとなれば見てみたいもの。

ということで早速行ってきました!


旧赤崎小学校のプール

今回新しいアート作品が完成したと聞き、やってきたのは旧赤崎小学校。

全国で唯一、海上に浮かぶ小学校としても有名な赤崎小学校ですが、2010年3月に惜しまれながら閉校。

その後は津奈木町のアート活動の拠点として活用されています。

正面には

裸島、弁天島、黒島の3つの島を総称した「赤尾島」が、ちょうど干潮時だったので道ができていました。

ちなみにこの赤尾島、秋にはこのように

弁天島と陸を赤い糸で結んだ「海渡り」を見ることができます。

そして同じ旧赤崎小学校敷地内に作られた今回新しく作られたアート作品はこちら!!

その名も

入魂の宿。

一見するとアート作品というよりも、何らかの施設にように見えますが内部はどうなっているのでしょうか?実際に入ってみましょう。

アート作品というよりも体験型美術館にいるみたい

アート作品の中にスッとはいりこめるよう、事前に予習をしておきましょう。

まずここ「入魂の宿」は、世界的アーティスト柳 幸典(やなぎゆきのり)さんの作品。

柳 幸典さんは福岡県生まれ。イエール大学大学院美術学部彫刻科修了。

1993年、第45回ヴェネチア・ビエンナーレに選ばれ、アペルト部門を日本人で初めて受賞。その他、数多の賞を受賞しながらも現代社会がはらむ諸問題にユーモアを交えながらも正面から向き合う作品を発表し続け、国内外から高い評価を受けています。

参照URL 犬島精錬所美術館

明治の近代産業遺構と昭和の三島由紀夫のメッセージに自然エネルギーの技術を融合させた美術館「犬島精錬所美術館」や

津奈木町では作品「石霊の森」など、多岐に渡って作品を制作されています。

今回ご紹介する「入魂の宿」は熊本ゆかりの文筆家、石牟礼道子の詩「入魂」に作品制作の着想を得て、旧赤崎小学校のプールをリノベーションし宿泊可能(期間限定)な大型屋外作品となっています。

それでは前知識を得たところで早速「入魂の宿」に入ってみましょう。

ちなみに観覧は事前予約制。フラリと突然行っても中にはいることはできませんので必ず前日までに専用サイトより申込、決済を行ったうえで向かいましょう。申込完了後にメールにて入場できるパスコードが送られてきますので、入口でそのパスコードを入力し入っていきます。

詳しくはこちら

入口の扉を開くと最初に飛び込んでくるのがこの空間。これは以前のプールの更衣室等だった場所なんだそう。

向かって左に茶色の扉があるので、その扉を開くと…

このようなちょっと暗めの空間に入れます。

「あれ電気どこ」と思っていまいますが、ここは窓から入ってくる自然光のみ。照明はありません。

窓には熊本ゆかりの文筆家、石牟礼道子の詩「入魂」のワンフレーズが。

黄昏の光は凝縮され、空と海は、昇華された光の呼吸で結ばれる。
そのような呼吸のあわいから、夕闇のかげりが漂いはじめると、それを合図のように、海は入魂しはじめる。

石牟礼道子「入魂」(『石牟礼道子全詩集 はにかみの国』石風社、2002)

この入魂から着想を得て作られた作品が、この「入魂の宿」。

俗物の私には何の意味やらサッパリ分からなかったのですが

それでもここから見える不知火海は美しい、それだけは分かりました。

ただただ穏やかな不知火海をバックにしばし幻想的な雰囲気に酔いしれます。

ビオトープ

さてお次はビオトープ。正面の黒いドアから向かいます。少し天井が低くなっているので頭上にはお気をつけください。

開けた瞬間に見えるのは旧プール。

ここは閉ざされた地形と、水の循環が限られるプールがリンクすることで、不知火海を表現しているのだとか。

それではこのまま進んでみましょう。

ここを下って登って、振り返ると

水面と同じ目線に。

ここは植物の力を使って水を循環させるビオトープで、水生植物や小さな生き物たちを同じ目線で楽しむことができます。

なかなかこの目線で水をみることがないので

終始キョロキョロ。カエルになった気分です。

そしてカエルになったことでよく見えるのが正面の建物。

ここは瞑想の部屋。

中には机と椅子。そして

水俣病を世界に写真で伝えたユージンスミスの写真集や

石牟礼道子の歌集

そのほか関連する書籍が置いてあるので、静かな空間で思いを馳せながら読書に浸ることができます。

また、開催日等は未定ですが、ゆくゆくはこの「入魂の宿」に宿泊ができる特別体験も検討中です。

一足お先に宿泊ゾーンも見せてもらいました。

シングルベッドが2つのお部屋と

ダブルベッドが1つのお部屋の計2部屋。

宿泊がメインの施設ではないものの、この空間にじっくりと浸りたい、ずーっと海を眺めていたいという方にとっては居心地がいい空間であること間違いなしです。

絶対的な”解”がない世界

「アート」と呼ばれるものに対して、なぜだかハードルが高く感じてしまうことってありますよね。

言葉を選ばずに言えば

何かよく分からん。

ってやつですが、実際にこの入魂の宿で感じたのは

「アートって絶対的な”解”がないんだな」

ということ。

是も非もない世界なんですよね。だってその人が感じたことを具現化したものなんですから。だからこそ奥深いし、自分にとってのこのお題目の解はなんなんだろうかと考えをまとめるときに使えるのが、きっと瞑想の部屋であったりするわけです。

ここは時間を忘れてゆったりと過ごして欲しい。そんな場所でした。

ぜひ春の柔らかい不知火海とアートを堪能しに入魂の宿へ訪れてみてはいかがでしょうか。

入魂の宿

住所

熊本県葦北郡津奈木町大字福浜167番地2

開館時間

10:00~16:30(入館は16:00まで)

休館日

水曜日(祝日の場合は翌平日)、12月29日~1月3日

※年4回予定の宿泊期間は観覧を休止

観覧料

1,000円(前日までのウェブサイトからの予約と決済のみ)

  • 未就学児は観覧できません。また、小中学生の観覧には保護者の同伴が必要です。
HP

https://www.tsunagi-art.jp/nyukon/

ライター紹介

ムトー

ムトー

肥後ジャーナル編集長。 「人はなんで痩せなきゃいけないのかな」という思考にまで達したのでもうきっと痩せません。 気にしません。

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