熊本の鉄道愛好家グループ「鐡道創研」が、熊本の私鉄「熊本電鉄」と協働で、「青ガエル」という古い電車を保存するために、塗装費を集める活動を行っています。
https://www.makuake.com/project/aogaeru/
かくいう私さいばもそのメンバーの一人。マニアックな視点で、このクラウドファンディングがどんなものか、またオススメのリターン品を紹介しちゃいます。
目次
青ガエルって?なんで保存するの?
約60年前に、東京の東急電鉄で製造された5000系という電車のことです。
緑色で下ぶくれだったので「青ガエル」というあまり電車らしくないニックネームがつきました。
当時最新の技術が積極的に取り入れられ、特に「モノコック構造」という車体は鉄道車両としては初の試みで、従来の電車に比べて軽く作ることが出来ました。
が、一方で、軽く作りすぎたために車両の痛みも早かったようで、ある意味未来を先取りしすぎた電車でもあります。
より大量の乗客を乗せる必要に迫られた東急電鉄は、青ガエルの代わりに新車を導入することとなり、青ガエルを中古車として地方の私鉄に放出しました。青ガエルは軽いために、線路の状態が良くないローカル線に向いていたのです。
そんな地方勤務になった青ガエルの一両が、熊本電鉄の青ガエル。
首都圏をさっそうと走っていた電車は、熊本電鉄の乗客規模に合わせて、4両編成を1両にし、連結面に新しい「平面ガエル」と呼ばれる運転台を取り付けて、コトコトと田舎道をゆっくり走る電車になりました。
軽すぎる車体のせいで冷房装置も取り付けることが出来ず、お詫びの張り紙が出されることもありましたが、一両編成で走ることの出来る代わりの電車もなかったことから、30年に渡り活躍。他の青ガエルたちが次々とスクラップになる中で「最後の一両」として生き残ることが出来たのです。
そんな幸運な青ガエルも、2016年2月に引退。一時期はスクラップになりそうでしたが、本が一冊かけるくらいの様々な難題をクリアして、現在では北熊本の駅で余生を送っています。
そんな頑張ってきた青ガエルに感謝の気持ちを込めてキレイにしたい!と、鉄道ファンが声を上げきれいに再塗装するための費用を集めようと始めたのが「青ガエルクラウドファンディング」なのです。
中の人がおすすめするクラウドファンディングオススメリターン品
再塗装のためのクラウドファンディング、1000円から気軽に応援できるのですが、今回実行者の一人である私がおすすめするリターン品ベスト3をご紹介します。
<第3位>ソファー 510,100円
「え、ごじゅうまん!」と驚くことと思いますが、熊本の家具職人が作った一点ものです。会社や病院の待合に置くとぴったりハマること間違いなしです。酔いつぶれで終電の座席で寝ちゃった思い出のある人も是非どうぞ。
<第2位>スノードーム 10,000円
福岡在住のクリエイター・タゾエクミさん手作りの青ガエルスノードーム!…なのですが、リターン品として公開直後1時間で完売。追加があるかもしれないので、欲しい方はこまめにチェックしてください。
<第1位>カレンダー&電車図面 10,000円
一番のオススメはカレンダーと電車図面のセット。カレンダーは熊本在住の福永浩之さんが撮影。現役時代の青ガエルを1年間楽しむことが出来ます。実用的なレイアウトで、普段使いできる点がオススメポイントです。
また、電車図面は青ガエルが熊本に来たときに作られた、改造点などが朱書きされています。当時の様子を窺い知ることが出来る貴重な資料を今回発掘し、丁寧に複写してお届けします。
おわりに
50年後には産業遺産になる可能性もある熊本の隠れた「財産」。今のうちに「先行投資」してみませんか?
ライター紹介
肥後ジャーナルライター
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