熊本県内に人気の公園は多々あれど、毎週親子連れでにぎわっている公園の1つが、菊陽町にある「鼻ぐり井手公園」。
ひっきりなしに飛行機を見ることができて、人参をモニュメントにした遊具をはじめ、大きな広場もあるので親子で楽しく遊ぶことができる人気の公園です。
それにしても、「鼻ぐり井手公園」っていう名前が特徴的。この「鼻ぐり井手」っていったい何だろう???そんな疑問がよぎり、今回「鼻ぐり井手」について探ってみました。
飛行機がたくさん見られる!菊陽町にある楽しい遊び場「鼻ぐり井手公園」
「鼻ぐり井手公園」は、阿蘇くまもと空港まで車で約15分。周囲には特に高い建物もなく、ひっきりなしに飛行機を見ることができます。
こちらは「多目的芝生広場」。広い敷地で思いのまま、のびのびと遊びまわる子どもたちの姿が目立つ憩いの広場です。
「多目的芝生広場」の奥にあるのが、菊陽町名物の人参をモニュメントにした「遊具広場」のアスレチックたち。乳幼児から就学児まで楽しく遊べる工夫が施されていて、さらには大人まで夢中になって遊べちゃいます。
本当にのびのびとしていて楽しいです!!!最近は公園内であっても「ボール遊び禁止」とか規制が入っているところもあるので、自由に遊べるこの公園は本当に重宝します。
「鼻ぐり井手」って何だろう?
さあ今回は単なる公園紹介ではありません。
真の目的は「鼻ぐり」とはなんぞや?ということ。その謎を探るべく、遊具広場と多目的芝生広場からちょっと駐車場のほうに戻ってみると、「馬場楠井手の鼻ぐり」という文字が。
うわっ!知らなかったー。
公園に到着早々、いつも子どもたちが遊具に一直線だったので、今まで何度も素通りしていました。すみませんでした。
早速向かってみましたが、パッと遠くから見ただけでは、駐車場にしか見えません。
道を渡ってみましょう。
!!!!!
通常の公園にはないであろう、謎のグレーの四角いものが見えてきました。
近づいてみると、このように不思議な形をしたトンネルのようなものが建っていました。
こちら、「馬場楠井手鼻ぐり」の原寸模型なんだそうです!
「なんこれー!トンネルとか秘密基地みたーい!」と言いながら子どもたちは穴の中で遊んでいましたが、ますます「鼻ぐり井手」の謎は深まる一方。
入り口には、「加藤清正公の」という文字。
何やら、熊本県指定史跡になった歴史的農業土木遺産みたいです!!!
見学台に出向き、謎が解ける
見学台から覗いてみたところ
さきほどの原寸模型と同じ形のトンネルのような岩が、水路へ均等に配置されていました。
聞いたところ、加藤清正公が手掛けた農業土木施設で、歴史的な農業用水路なんだとか。
トンネル状の穴の形が、牛の鼻輪を通す穴(もしくは鼻輪本体)に似ていることから「鼻ぐり」と名付けられたんだそう。
この付近は火山灰(ヨナ)が多くて、ヨナが川の氾濫や用水路の詰まりの原因になっていたそうです。
そこで、岩に穴をあけて、鼻ぐりの形にすることによって、
この部分に、
このようにグリグリと回る水の流れが生まれて、川底に土砂や火山灰が溜まらないような仕組みを作ったんだそうです。もちろんすべてが手造り。鍬(くわ)で手掘りした形跡とかも、あちこちに残っているんだそうですよ。
まとめ
「鼻ぐり井手」のおかげで菊陽町の農業が発展したんですね。そんな「鼻ぐり井手」ですが、最近まで藪と竹まみれになってしまっていたんだそうです。
平成3年頃に襲来した台風により「鼻ぐり井手」の形が見えてきたんだとか。地元の人たちも、こんなものがあるらしいということは知っていたけれど、今まで見えなかったので形までは知らなかったそう。その後5~6年かけて「鼻ぐり井手」の形が見えるように整備され、平成15年に現在の姿にまでなったんだとか。平成27年には「鼻ぐり井手公園」が完成したそうですよ。
敷地内には、説明書きのある石碑や「鼻ぐり井手公園交流センター」があるので、興味がある方はぜひ現地に足を運んで目で見たり調べてみてはいかがでしょうか。もちろん公園もオススメです!!!大切な熊本遺産ですので、くれぐれも上から物を投げたり壊したり等のないよう、皆様のご配慮をお願いいたします。
鼻ぐり井手公園、馬場楠井手の鼻ぐり
駐車場 | あり |
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ライター紹介
かなこ
経営情報誌の記者、業界新聞の営業を経験した後、一般事務職、専業主婦を経て現在に至る。 長いこと東京に住んでいたが、やっぱり熊本が好きで戻ってきた、二児のママライター。 好奇心旺盛な行動派。趣味はドライブと温泉。
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