世の中って知っているようで知らないことの方が多い気がします。
例えば下水。
なんとなーくマンホール下にある下水管に向かって流れているんだろーなとは思うのですが、そのあとどうなっているのか?なんて、さほど考えたことがありません。
「あーこら詰まったばい」って時にふと思い出すくらいなもんです。
しかし「もっと!もっと熊本市の下水道について知ってほしい」とお話がきたので、行ってきました。
向かうは熊本市上下水道局東部浄化センター
早速やってきたのは、熊本市東区にある東部浄化センター。
江津湖付近にある大きな建物ですね。通るたびに「ここなんやろ」と思ってましたが、下水の浄化を行っているのだそう。
今回、ご案内してもらう熊本市上下水道局 維持管理部 水再生課 水質管理班 四浦 良祐(ようら りょうすけ)さん
そもそも下水ってどう処理されて一体どこに行くのでしょうか
ではご説明いたします。こちらをご覧ください。
なるほど
よかった、ご理解いただk
わからん
え
困惑を隠せない四浦さん
知りたいことはそうじゃなく
じゃなく
こんなフワっとした話じゃなくもっとリアルな話が聞きたいのです。
端的に言えば、う〇この処理とかってどうなってんのかなって。
下水の力というか微生物の力で分解しt…
それを、う〇こ目線で見たいなって。
「おかしな奴きちゃったよ」感が隠し切れません。
難しい話をするときのコツは擬人化すればいい、と誰かが言っていました。今こそ実践のときです。
今回、久々登場りようを
う〇こ
伊藤を
母なる下水として擬人化し、熊本市の下水がどのようなルートでどのような処理をされているのかを
う〇こ目線で見ていきましょう。
これが、う〇この目線
各家庭で下水を使った場合、まず下水管に向かいます。
マンホールの下にあるやつですね。”う〇こ”こと、りようが早速流されています。
びゃんびゃん流されちいくばい!おっなんだろか
ぐんぐん下水管を進むと、最初の関門こと「沈砂池」に進みます。
地上から見た「沈砂池」はこんな感じ。理由は分かりませんが、えらい無機質でかっこいい空間でした。
生活排水や事業所からでた排水は、まずここに一同に集められます。
だご人見知りなのに…髪の毛先輩とか、ゴミ師匠とか、砂先生とか…こんな下水オールスターズに囲まれて緊張しかねっす…
ご安心ください、ここから選抜戦に入ります。砂先生と大きなゴミ師匠は次でサヨウナラです。
砂などは沈んでしまうので、ここで置いてけぼり。集められた下水オールスターズは、次に「ポンプ井」へと運ばれていきます。
この力強いポンプが、どんどん運んでいきます。
選ばれし、う〇こなどの下水はパイプの中に入れられびゃんびゃん運ばれます。
また流される!!
どんどんう〇こがいなくなる
パイプで運ばれてたどり着いたのは、最初沈殿池。
ここで沈みやすい浮遊物質などを沈殿させて除去したり、油分などの上澄みを取っていきます。
気のせいですかね?もう溶けそう!!
ギリ、う〇こは存在してます。
沈みやすいものを沈殿させ、上澄みの汚れが取れただけなのに、なんだかキレイになった気分。
ああああああ!!!なんか体がバラバラになっていく
ここは?
ここは微生物が中に入っていて分解してくれているところです
このような微生物がわんさかいて、分解してくれています。季節や温度によって微生物の量も調整しているのだとか。
この泡は
下からエアーを出しています。本当に気をつけてくださいね。ここ落ちたら人間浮いてきませんので
軽く完全犯罪を伝える職員さんに戦慄が走ります。深さ5メートルほどあるのだとか。
もうここまできたら、う〇こはいません。さよならう〇こ。
ご覧ください。この透き通るような水。
ここで、消えたう〇この代わりに、キレイになった下水こと伊藤が出てきて、とても楽しそう。
まだあともう1工程、残ってます
最後に次亜塩素酸ソーダを入れて終了。
平均で1日かからないくらいで、処理を終えるとの事でした。
巡り巡って
こうやって完全に処理された下水は
川に放流され
川から海に流れ
海から水蒸気があがり雲となり
やがて雨となり
また何年もかけて地下水となり、熊本市にたどり着くって寸法です。
完全に理解した我々
なるほど、これで完全に理解できました。要は下水は回ると
そうですね。できる限り自然に循環していくことで、大事な資源を守る取り組みを行っています。
脅威のジャンプ力
りようこと”う〇こ”から発生するメタンガスを利用して、電気を発電したり
※令和5年度中に完成予定
赤潮被害がでないような、もう一段階上の処理ができる施設(東部浄化センターB-3-1系)も建設中です。
完成すれば、赤潮などの原因となる窒素やリンを取り除けるような処理ができるのだとか。
単に下水を処理するのではなく、環境問題にも積極的に取り組んでいる熊本市上下水道局。我々ができることは、キッチンで油や生ごみを流さない、トイレでは溶けない紙を流さない、などほんの小さなこと。
でも、そのほんの小さなことで、環境保全にも繋がりますし、そうやって巡り巡って、やがてまた水道の水ともなるのです。
水があることが当たり前だと思わず、これからも「水の国くまもと」が続くよう、下水の正しい使い方を覚くことが、大事になってくるのではないでしょうか。
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