「ねえムトーさん。私ね、今までの人生において1番になったことがないってことに気が付きました」
「ナンバーワンにならなくてもいい。元々特別なオンリーワン」
「分かってます。でもね…」
1番に”ならない”じゃなくて1番に”なれない”!このもどかしさ!
「病んでますね」
夏のせいでしょうか。放置しててもよかったんですが、仕事もせずずっとブツブツ言いだしたので、我々スタッフは必死に考えました。
そして思いつきました。
そもそもナンバーワンになれる人って、人間力が高い人ではないか、と。
その方に「どうやったら私はナンバーワンになれるのでしょうか」と聞こう。
ただここでのポイントは、誰に聞くのか?という点です。
あまりガチ目な大人に聞いても、己の不甲斐なさを実感し「はあ…そっすよね…」ってメンタル削られるだけなので
いっそのこと小学生に聞いてみることにしました。
プログラミング熊本1位がおった
調べたところ毎年「全国選抜小学生プログラミング大会」なるものが開催されているようで
2022年、熊本市立城北小学校に通う久保田千織ちゃん(当時小学5年生)が熊本県代表として出場したのだそう。
つまり
熊本県キッズプログラミング部門ナンバーワン!!
ご連絡をしたところ「通っている塾でなら取材OK」とのことだったので
熊本市中央区水道町にあるGLOBAL FRONT水道町 (CodeCampKIDS熊本校)にやってきました。
ここではキッズ向けプログラミング教室を行っているみたいなんですが、そもそもプログラミングが何のことやら正直わかっちゃいません。
入口はいってすぐにある大量の表彰状。
「ここからメンタルやられますね…クゥッ」
「病みすぎですよ。あ。こんにちは今日はよろしくお願いします」
「お願いしますー」
この塾を運営しているカタブラ株式会社の山之内さん。現役でゲームクリエイターをやっている人です。
今回のメンタル師匠こと2022年度県代表の千織ちゃんが来る前に、先生にプログラミングはなんだ?を教わることにしました。
「プログラミングって実は日常の中に溢れているものなんですよ。例えばゲーム。マイクラとかフォートナイトとかご存じですか?」
「名前くらいは。小中学生の中でずっと流行っていますよね」
「そう。それらにももちろん使われていますし、日常に乗っている車にもAIは搭載されてます。それらに”こう動け”って指示を出すのがプログラミングです」
「指示…?」
昨今、熊本県内でも話題となっているTSMCや半導体。
半導体がない生活なんてもう考えられないよ!ってほど重要なものだとは認識していますが、それらを動かす脳の部分がこのプログラミングという訳です。
「今の子供たちは生まれたときからネット環境が整っている、いわばデジタルネイティブ世代です。今でも便利なものってたくさんありますが、この子たちが大きくなったときには、今ある便利なものをさらに越えていかなきゃならないんです」
話のスケールがデカすぎる
よく「この仕事はAIに仕事を奪われる」なんて聞きますが、プログラミングを知っておくことでAIから仕事をはく奪される立場から、AIをもっとよりよく進化させる考え方ができるようになるのだそう。
「だから小学生からその考え方ができるようにと必須科目になったんです」
「はーなるほど。ところで入口にある大量の賞状は…?」
「あれは、プログラミング能力検定ですね。内容はScratchの検定で、Scratchは小中学校でプログラミングの授業で使われています。2025年の大学入試共通テストから新設される「情報」を学習する上でもとても大切な言語で、それに関する資格となります。1級、2級までいくと中学・高校の内申書にも書けるようなレベルですね」」
「私はサンピアンスイミングスクールの2級なら持ってますが」
「サンピア…あーーーーはっはっはあっ!!!ありましたね!サンピア~~ン!はい!立派ですよ!」
サンピアンスイミングスクールがツボに入りすぎた先生。
この後もずーっとと泣き笑いしながら褒め続けてくれました。
まずは中学生と小手調べ
さて、プログラミングの概要がふんわりと理解できたところで
熊本のプログラミングの大会で優秀賞を取ったものを見せてもらいました。
作ったのは同じくGLOBAL FRONT水道町 (CodeCampKIDS熊本校)に通う芙羽彩(ふうあ)ちゃん。
プログラミングで飛び出す絵本ならぬ、触れる絵本を作ったら子どもが喜ぶんじゃないかと考え作ったのだそう。
「失礼ですがお年は?」
「中3です」
SUGEEEEEEEEEEEE!!!!!!!
「これどうやって作ったんです?」
「…プログラミングです」
ポンコツここに極まれり。
「こんな感じで指示を出すんですよ」
「わーー!イメージと違った!」
我々がイメージするプログラミングってこんな感じじゃないですか。
でもこれはまず日本語なんで分かりやすい!あと色分けされてるから尚よし!
「とっかかりやすいですよね。でもこれをやっていることで本当のコード作成もすんなりと行くんですよ。中学生ともなると、なんとなくこういうコード組めばいいんだなとか、これを応用できるコードないかなとか自分で探し当てるんです。それプロもやってますからね」
「もう受験よね?やっぱり高専とか?」
「いえ?違います」
「あれ」
もはやプログラミングは日常なので、特化してどうのとは考えてないんだとか。
これがデジタルネイティブ世代か…!
きました。メンタル師匠
「お待たせしましたー」とやってきたのは、今回のメンタル師匠こと2022年熊本県代表になった久保田千織ちゃん。
現在は小学6年生です。
「まあまあ、ゆーて小学生ですからね。まずは前回1位をとったものを見せてもらえますか?」
「はい。まずこれを作った経緯なんですが」
「経緯?」
「あっ作った理由…」
「小学生に経緯の説明さすのは、さすがに草」
「違いますって!そこからなんだってちょっと驚いただけ!」
千織ちゃんが作ったのが「そだて!MyMe」お母さんに日々怒られるのが嫌すぎて作った作品なんだそう。
どこのご家庭でも言うじゃないですか「やることやんなさーーい」って。それをゲーム化したものがこれ。
まずは14項目ある「頑張ることリスト」から、今日頑張ることを選択します。
できたら「次へ」を押すと
このスライムみたいなのが喜び、右にある項目の数値が増えます。
「たまごっちみたい」
「あー、でもそんな感じです。育成ゲームなんで」
やると決めたことが貯まっていくと
まさかの発光
からの
おめでとう!
キャラが魚に進化した!
実は内容によって進化するキャラも変えているので飽きがこないのだとか。
これはやる気がでる!
その後もたくさん見せてもらいましたが、プレゼン資料も完璧で太刀打ちできないことが判明。
「熊本の未来は明るいですね!」
「師匠、私はナンバーワンになりたいのです。どうしたらいいんですか?」
「うーーん….私が1位を獲ったのって自分の力だけじゃないんですよ。そもそもこれはお母さんから言われたことをゲームにしようと思ったのが始まりで。あとは色んなアイディアを塾のみんなで出しあったんですよ。キャラとかも。なので私1人の力では…」
1位獲ったらつい自分だけの力だと過信しちゃいますよね。しかしお母さんをはじめ塾のお友達が支えてくれたからとサラリと話すその姿こそが人間力の高さ。
「つまりは周りが協力してあげたくなるような努力する姿勢。それとやはり感謝をきちんと伝える。それが人間力にもつながって結果ナンバーワンになるんでしょうね」
「そうですね。周りの協力や意見を聞くことは不可欠かと思います」
「…精進します!!!!!」
2023年も開催!
さて千織ちゃんが1位になった全国選抜小学生プログラミング大会の熊本県大会が今年も開催されます!
どこに住んでいたとしても、性別や年齢関係なく活躍できる未来を目指すために行われるコンテストで、プログラミングのスキルだけではなく、発想力や表現力といった人間力の部分が大きく評価されます。
◇対象
熊本県在住または在学する小学生 ※個人参加のみ(チーム参加不可)
◇部門
①社会課題解決部門 ②アイデア部門
『社会課題解決部門』はテレビや新聞、ネットまたは身近な人を通じて知った社会の課題をさまざまな人の立場にたって解決することを目的とした作品が対象です。
『アイデア部門』は制作者が欲しいと思うモノやコトを表現し、社会を変えるような自由な発想をもった作品が対象です。
◇テーマ
自由
◇規定
独自の発想やアルゴリズムに基づいたプログラムにより制作されたオリジナル作品(アプリ、映像、ロボットなど)。プログラミング言語は指定しません。1人につき1作品。他コンテストとの重複応募、受賞作その他発表済み作品の応募も可能です。
◇参加費用
無料
◇申し込み
公式ページ内のフォームにてエントリー(9月29日まで)。
期日までに作品の説明とPR動画(3分以内)を提出してください。
◇表彰
各部門で金賞、銀賞、銅賞を表彰します。両部門を通じて選ばれたグランプリ受賞者は熊本県代表として全国大会への出場権を得ます。グランプリ所属団体にも奨励賞を贈ります
エントリーはもう始まっていますよ!
「やったことないけど興味はある」という小学生でも、この夏休みを利用すればワンチャンあるかもしれません!
好きを原動力にこの夏、プログラミングに挑戦してみてはいかがでしょうか。
GLOBAL FRONT水道町 (CodeCampKIDS熊本校)
住所 | 熊本県熊本市中央区水道町5-21 |
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ライター紹介
ムトー
肥後ジャーナル編集長。 「人はなんで痩せなきゃいけないのかな」という思考にまで達したのでもうきっと痩せません。 気にしません。
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