【球磨郡水上村】目撃!白いカラスを探しに行ってきた
ある日、このような依頼が届きました。
「球磨郡水上村に白いカラスがいます。止まってるときは黒なんですけど、飛んだら羽が白いです。いつも同じ場所にいるので、ぜひ見に来てください」
止まっていると黒くて、動くと白いってそれはもう
光の反射。
そう思いましたが、添付されていた画像はこちら。
マジやん。
白というよりもツートーンカラーカラスですね。
さっそく羽が白いカラスを見つけたい捜索隊と化し水上村に行ってきました。
どうして誰も止めてくれなかったんですか
ということでやってきました。球磨郡水上村。
この方は今回の依頼者である河北さんです。
河北さんと白いカラスとの出会いは、数週間前。
多良木町で酒屋をしている河北さんは、ある日いつものように配達に向かいました。
すると道路の真ん中で見かけたのが、さきほどの白いカラス。
そこからほぼ毎日見かけるようになったのだとか。
「口に巣を作る材料を加えていたので巣作りの真っ最中なのかもしれません。巣が完成したらもう見れなくなるかもしれませんから、急いできてもらった次第です」
「雨ですけど」
きっともう勘のいい読者の方はお分かりでしょう。この日はそこそこの雨。
誰一人として「雨だからカラスいないかもしれません。日付を変えましょう」など、気が利くようなことは思いつかずウキウキしながら来てしまいました。
川北さん含む捜索部隊、皆がその事実に気が付いたのは皮肉にも現場に着いた頃。
しかしもう後には引けません。雨の中いざ水上村白いカラス大捜索を開始しました。
まずは待機してみる
河北さんが見かけた道路、そしてよく屋根に止まっているという民家がよく見える場所で待機してみました。
「きませんね」
「鳥って雨の日に飛んでましたっけ」
「いやわからん」
待てど待てど動きはなし。
聞こえるのは雨の音だけ。そんな中…
…カーカーカーカー
「なんかカラスの声がする!!」
「いやごめん、カラスの音源ば俺が流しよる」
「何のために…」
「寄ってくるかなと思って」
その後も寒い寒いと雑談しながら言いながら待っていたところ
あ!!!!!!
いや普通のカラス!!!!
音源のおかげなのか偶然なのかわかりませんが、その後もカラスは見かけるものの目的の白いカラスではありません。
その後も張り込みを続けましたが、どんどん飽きてきた捜索隊。
近隣で聞き込み調査を行いました。
名前はカー子ちゃん
偶然配達で見た河北さんが知っているくらいだから、このあたりに住んでいる方ならば見たことがあるはず。
そう思い、白いカラスがよく屋根に登っている民家に突撃しました。
「すみません、白いカラスを探しているんですが…」
「なんで!?笑。今朝見たよ。道路に飼料が落ちとるでしょう、それをね、食べよったですよ」
「今日はもう見られない感じですかね?」
「あー…どうだろ。あ!奥さーん!!」
たまたま通りかかったスイートコーンを配達していた奥様にも話を聞きましたが、スイートコーンの奥様は白いカラスはみたことがないとのこと。
「私はこの辺じゃなかけん」
「そうですか…」
もう少し張り込みを行おうと先ほどの神社に向かったところ
配達が終わったスイートコーンの奥様が戻ってきて
「さっき配達に行ったお宅の方がね、白いカラスのこと知っとるて。行ってみたら?」
との有力情報をゲット。
さっそく向かってみました。
「…という訳で白いカラスを探しております。お心当たりはありますか?」
「うんうん、カー子ちゃんね」
カー子ちゃん。
奥様の情報をまとめると
・ある日突然庭に来た
・餌付けしたところ毎日来るようになった
・名前はカー子ちゃん
・普通のカラスより一回り大きいように思う
・今朝ご飯を食べたからまた夕方にくるかもしれんし、こんかもしれん
「あと、カー子ちゃんは多分、暗い過去を背負っていると思うのよ」
「どういうことでしょう」
「餌付けしよるて言ったでしょ。それがある日を境に来なくなった時期があるもんね。多分、何かしら傷ついたのよ」
カー子ちゃんは過去に傷を負うトラウマを克服し、現在は縦横無尽に水上村を飛びまわるまでに回復したのだそう。想像の斜め上の話が聞けたうえに、間違いなく存在していることは判明しました。
自然の力には敵わない
捜索隊(人間)と、雨(天候)と、カー子ちゃん(カラス)の三つ巴の戦いになってきました。
ただ、天候とカラスには持ち合わせていない「待つ」という機能が人間にはある。
止まない雨はないし、毎日朝晩くるカラスならば張っていれば必ず見れる。そう思い張り込みを再開しました。
蕎麦食いてえなと思いながら待ってみたり
移動してみたり
待ち構えたりしていましたが、雨脚が強くなってきたので残念ながらここで人間は退散することと相成りました。
この日は雨とカー子ちゃんの勝利です。
「残念ながら…。しかし確実にカー子ちゃんが存在することは分かりました」
「それだけでもよかったです!」
ちなみに晴れていたらこんな感じのカー子ちゃんが見れたそうです。
気になる方はぜひ一度、水上村に出向いてゆっくりとカー子ちゃん探しをされてはいかがでしょうか。
現場からは以上です。
カー子ちゃん目撃ポイント
ライター紹介
ムトー
肥後ジャーナル編集長。 「人はなんで痩せなきゃいけないのかな」という思考にまで達したのでもうきっと痩せません。 気にしません。
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