肥後ジャーナルをご覧の皆さま、おはようございます。
ただ今の時刻AM8時30分。芦北漁港にきています。
ここにやってきた目的はたった1つ。
これ。芦北町はこの「放課後ていぼう日誌」のモデル地なんですよ。
この漫画のあらすじをざっくりというと、引っ越してきた女の子が釣り部に入ってどんどん釣りの楽しさに芽生えるっていう内容で、アニメも展開されているんです。
これ見て思いましたよね。
そがーん女子高生まで釣りをしている町とたい。って。
てことは…
海沿いに住んでいる女子高生はきっと釣りが得意なんじゃないか。なんならモデルとなった女子高生がいるんじゃないか説。
これを検証するために朝早くから漁港までやってきたという話です。
早速、芦北高校の女子高生を見つけた
…と思ってきたんですけどね。
おらん!!!!!
待てど暮らせど、くるのはベテラン勢ばかり。まあそりゃそうですよね。あれはマンガの話…。
しかし望みは捨てきれないので、近くで海を見ていた方をナンパして話をきいてみました。
「ねえお父さん。芦北で釣りをする女子高生はおらんのでしょうかね」
「ん?女子高生…?」
「ほら芦北は放課後ていぼう日誌にモデルにもなった町でしょ。女子高生が釣りしよるとかなと思ってきたんですが」
「ほーうほーう。あれ?今日は芦北高校の子が、部活でうたせ船に乗るっていう話よ?」
部活DEうたせ船!!
そんなことを話していたら、いました!女子高生!
どうやら芦北高校のクリエイティ部っていう部の活動で、うたせ船に乗って釣りをするのだとか。部活で釣りて。しかも、うたせ船て。
これは圧倒的に期待できます。きっとこの中に釣りマスターがいて、その子がモデルになったに違いない。
「釣りしたことがある人!」
「はい!」
1人だけ??ほかの3人はまったく釣りをしたことがないのだとか。
同行していた保護者の方いわく「海に近い地域だからこそ、あんまり釣りとかせんですねー」とのこと。沖縄の方があんまり海水浴しない現象と同じってことなんでしょうか。
「よく釣りはすると?」
「いえ全然!!たまーーに親に連れていかれる程度です」
マジか。しかしこんな機会もそうそうありません。てか、うたせ船乗りたい。
「よかったら私もうたせ船に乗ってもいいでしょうか」
大人たちを無駄にザワつかせてしまいましたが、結果OK!
救命胴衣をつけて
いざ出発です!
初!うたせ船体験
改めて今回一緒にうたせ船で釣りをする芦北高校クリエイティ部のメンバー。高校2年生なんですって。もうまぶしい。
大人たちがめっちゃ心配して見送ってんのに
本人たちは「ここで海に落ちたら誰が助けてくれるとー?」って、もう別のことを考えてました。
船はどんどん沖に向かい、見送りの大人たちの姿かたちも見えなくなったところで船を止めます。
なんかガシャンって出てきて
船上にあった木材を船の先に突き出して
帆を張っていきます。
そのあとは、網を落として
底引き漁のセッティングが完了。
中にいると完全に止まって動いていないように感じていたのですが、実は風を帆で受けとめ進んでいるらしく、それで底引き漁をしているのですって。芦北町が誇る伝統漁の1つです。
高校生が考える「芦北町もっとここ頑張ってよ!」
いよいよ釣り体験!まずはまったく釣りをしたことがない子たちに詳しくレクチャーが行われます。
「やばい。全然底につく感触わかんない。てかこれどうすればいいの」
「釣れたら嫌でも分かるから大丈夫」
「こうね。小魚のような動きをしてやればよかと!」
難しいようだけど慣れたら簡単!私は「太刀魚」この漢字三文字だけを脳内に支配されていました。
どんどんみんなも余裕が出てきだし、あとは釣れるのを待つのみ。暇だったのでインタビューをしてみました。
「ねえ、これが芦北にあったらいいなーっていうのはある?」
「ある!スタバ!八代まで行かんばんないもん」
「ファミレスでもいいかもー」
「あ。コストコ!あのおっきいクマのぬいぐるみ欲しい」
途中、おててが痛くなってきたので顧問の先生と交代
「じゃもっと芦北がこうだったらいいのにな,とかない?」
「うーん。友達と話せる場所が公園しかないから、だべれる場所欲しいかも」
「わかるーーー!」
「あと映えスイーツとか欲しい。やっぱスタバ欲しい。マックでも全然いい」
映えスイーツなんて一瞬よ?だったら定食を食べたいわ!と熱弁しましたが、女子高生にはまったく響かず。高校生は量よりもかわいさ。
でもこうやって「こうだったらいいのに」って自分たちで考えられるってことは「じゃどうしたらいい?」に結び付くことにも繋がります。それって今後の人生においても大事なこと。それが自然とできる芦北の子たちの将来がとても頼もしく思え…
「ちょっと!今絶対魚おった!!!ねえ!?おったよ!おったって!!!」
女子高生と熱い会話をしていたのに、先生はカモメと熱い戦いを繰り広げてた様子。
釣り損ねた魚をかっさらわれ、餌にしてたアジもかっさらわれ、先生めっちゃキー―!!ってなってました。
映えてるの釣れたよ!
結局、この日魚は釣れず。
自然相手ですからこういう日もありますよね。ちなみに2日前は入れ食い状態だったんですって。
「じゃそろそろ底引きばあげるよー」
ドキドキ
ドキドキ
「ならいくよー」
えっ
エッ!?
エイーーーー!!!!
ほら!!!めっちゃ映えてるの釣れたやん!!!
「いや映えとかより尻尾切らんば!」
船長が勇ましく尻尾切ったときのエイのこの表情よ。
「エイは尻尾切らんと危ない」ってやたら連呼してました。女子高生が。
さすが芦北っ子。
結論:芦北の高校生は釣りはしないが危険察知能力がすごい
今回の検証結果をお伝えします。
海沿いに住んでいる女子高生はきっと釣りが得意なんじゃないか。
↓
そうでもないが、危機管理能力はすごい。
なんならモデルとなった女子高生がいるんじゃないか説。
↓
後日、放課後ていぼう日誌の作者である小坂泰之先生に聞いたところ
「実在のモデルがいるわけではありません」
やっぱりね!ってずっこけそうになりましたが、それでもいいんです。
芦北の女子高生の笑顔と
それを見守る地元の方の笑顔
そして雄大な芦北の自然を見つけられましたもの。
「最近疲れたな」って思われる方。ぜひ一度芦北に足を運んでみてください。次に笑顔になるのはきっとあなたですから。
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