とある日
ちょうど別件で私は八代市に行っていた。
夕飯を済ませた後でしたがどうしてもお腹が減ってしまい、人生初のアーケード街をさまよっていた所、
暗闇の中にポツンとライトが付いているお店があったので勇気を振り絞って行ってみることにした。
看板をパッと見ると、「昼だ豚ふ」「定ご く」「食汁汁汁」と書いてある得体の知れない謎の食べ物が出てくることを想像し、余計に緊張したが、「ふぐ汁」「豚汁」「だご汁」「昼定食」と縦に記載されていることに薄々気づく。
いざ・・・店内へ
店内へ入ると最初は常連さんでお店が溢れかえっていた。
「ほんじゃ!」と威勢のいい声で帰って行くおじさんばかりで、この間成人したばかりの私は店内で浮きまくっていた。
注文を試みたが
なにを食べようかと注文をしようとしたが
ない。ない!なーい!!!メニューがどこにもない。
仕方なく外の看板に書いてあった、いや!今までの短い人生で食べたこともなかった「フグ汁」というのを頼んでみることにした。
ここでさらに驚いたことが
私が見る限りでは、お客さんのほとんどの方が常連さんばかりのお店で
メニューもない! 値段の表記もない!といういくら取られてもおかしくない。このスーパー地域密着のお店に頻繁に来ているということはもしかして・・・「超お金持ち」意外お断りのお店なのかもしれない。しかし出たとこ勝負が得意の私は所持金2000円で挑むことにした。
フグ汁が登場
これがフグ汁か・・・と思い一口すすってみると
外観と店内からは想像もできないような上品な味で、目をつぶればそこには高級料亭のイメージが浮かび上がる。
今までフグは刺身でしか食べたことがなかったのだが
鶏肉のような食感で食べ応えもあり、美味しくてご飯のおかずにもなるな〜と1人で想像していた。
帰ろうとした時
そう・・・ここからが勝負だ。
正直フグ汁は美味しい。美味しい!のだが!!!
所持金が2000円しかない私は金額を聞くまで足が震えていた。
「まさかそんなね!いくらなんでもね!」と自分に言い聞かせ、笑顔の絶えないおばあちゃんから出た一言は「800円になります!」
よかった・・・800円か!
そこには、フグ汁の味を忘れるくらいほっとしている自分がいた。
まとめ
ネット上で情報を発信している私に欠けていたことは、飛び込みでお店に入る勇気だと気づかせてくれた素敵なお店だった。
八代に行く機会は中々今の現状だとないが、これをきっかけにまた今度八代を開拓しても面白いかなと思った。
帰宅する間際、旦那様が帰ってきて私達を見た瞬間「お前ら誰だ!みたことない客だな。」と警戒されまくっていたことは忘れもしない。
熊本県八代市本町1丁目3-26
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