今はもう使われなくなったものの魅力ってありますよね。

これまで、廃ホテルの「卑弥呼の里」や

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「旧佐敷トンネル」を

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ご紹介して参りました。

そこにあったであろう、光の時間が、暗闇の中に転写されていないかを確かめるように足を踏み入れる瞬間にぞくぞくします。

今回は、小国町にあります案内標識が一切ない、廃線遺構「広平橋梁」（ひろだいらきょうりょう）へ行って参りましたのでその様子をお伝えします。

場所は阿蘇郡小国町大字西里字中尾

「広平橋梁」はちゃんとグーグルマップに載っていますが、場所が分かりにくく、小国町に着きましたら、まず「岡本とうふ」さん（阿蘇郡小国町西里2241‐６）を目指します。そして、岡本とうふさんの前を通り、そのあとすぐに、

「鈴ケ谷ハイツ」と、ナビを設定し、この白い建物の横から入ってゆきます。この辺りに案内標識でもあればいいなと思うのですが、色んな事情があるのでしょうか。

グーグルマップで見るとこのような感じです。「鈴ケ谷ハイツ」より先の道は表示されませんので、ご注意ください。赤い矢印の部分が舗装されていない道になります。切り返しなどが大変なので、小さめの車がオススメです。

このような舗装されていない道が少々あり、

この先が「広平橋梁」となります。舗装されていない道に入ってすぐに少しスペースがありますので、邪魔にならないように車を寄せて置いてからの歩きとなります。歩きと言っても、数分程ですのでご安心下さい。

忘れられた国登録有形文化財

こちらの「広平橋梁」は国登録有形文化財となっております。草に埋もれておりました。

こちらが、昭和12年（1937）に完成し、昭和59年（1984）に廃止となった旧国鉄宮原線です。現在は遊歩道として使われているとの事でしたが、草がぼうぼうで歩いて行く事はなかなか困難でした。

草が生い茂っていたのは、時期的なものがあるかもしれませんが、この日は（2025年10月）忘れられた廃線感が満載で、静けさの中で草に飲まれてゆく巨大な橋は声をあげることもないのだなとしんみりしてしまいました。

上からは峡川が見えます。

とても美しい流れです。

下に降りる事が出来ます。

さっきまで立っていた「広平橋梁」の全貌が見えてきました。正式には「旧国鉄宮原線廣平橋梁」というようです。

感動の風景

わーー！すごい！！これは圧巻。上に立って居た時の寂しさを吹き飛ばすような迫力です。

９連のアーチですが、草木に覆われてしまい全部は見えませんでした。

橋長は77.40m、幅員は3.2m。径間7.00mの9連という事でド迫力で視界に迫ってきます。

写真を撮っていたら、全く狙っていないのに、ひらひらとベニシジミが写り込み！廃線遺構と生きている蝶のコラボレーションに一時感動いたしました。

廃線となった宮原線は、かつては、熊本県の肥後小国と、機関庫及び転車台が「旧豊後森機関区の関連遺産」として近代化産業遺産に認定された大分県玖珠町の豊後森を結び、起伏に富む地形を橋梁と隧道で貫いていた路線でした。
廃線となった今も傷みが少なく往時の姿を良く残しています。

土木遺産in九州　より

本当に立派に美しく残っています。ここだけ、まるで海外の風景のようでした。

経済成長により、利用者が減った昭和59年に廃線。九州ローカル線では廃線の第一号となりました。

ここに機関車が走っていた姿を想像して、生き返らせてみました。（写真は記者が写したSL人吉を載せております）

コンクリート造9連アーチ橋、橋長80mの巨大な橋梁。有形文化財でありながら人に忘れ去られそうで、森に飲み込まれそうで…、しかし人々をしっかりと運んだ「偉大さ」で、それを目の前にしたとき、一気に心を鷲掴みにされます。

この橋梁を作った人々は、こで汽車に乗って運ばれたその頃の人々は、どのような希望を持ち、どのような悩みを持っていたのか。過ぎ去っていったその光景、素晴らしい廃線遺構を前に、生の一瞬さを感じ焦りにも似た高揚感に包まれるのでした。

まとめ

少しこの森を出れば通りは人気の飲食店で賑わっており、ちょっとしたタイムスリップ感を体験出来ます。わざわざ小国まで、ちょっと小国まで？どう思うかは人それぞれ。

是非気候の良い日に行かれてみてはいかがでしょうか。

細い道を抜けて、国道387号線に出ればすぐに

ソフトクリームが人気の「ジャージー牧場カップル」があり、

おやつタイムもできますよ。

是非気候の良い時期にお出掛けしてみてはいかがでしょうか？

広平橋梁（旧国鉄宮原線廣平橋梁）