バナナ。甘くて栄養価も高い庶民の味方!スーパーでも一番目立つとこに売ってあります。それだけ家庭にも馴染み深いのがバナナ。子供からお年寄りまで人気の果物、それがバナナです。そんなバナナの名店が中央区細工町にある「松田青果」。店内の保管庫で熟成し、絶妙な甘さのバナナを販売していて、県外からもバナナだけを求めて来店する隠れた名店。究極のバナナを求めてお邪魔してきました。
「松田青果」内の室(むろ)へ潜入!
来ました。中央区細工町の「松田青果」。3代目店主の松田さんにバナナについて10分程レクチャーしていただき、お店奥にある熟成加工場を見学させてもらうことに。
重厚そうな扉。バナナと言えばフィリピンが一大産地。この室(むろ)と呼ばれる倉庫はフィリピンと室内部を同じ温度・湿度にするため、3層もの断熱材が入った扉とのこと。
広さは企業秘密とのことですが、こちらでバナナを保管されています。室内がヒヤっとしましたが、バナナ保存に適した温度に調整してあるから。
そして、大量のバナナ。これでも多い気がしますが、天候不良などが原因で例年の1/3の量とのこと。松田さんの表情は少し寂しげ…。
青々した1房16〜20本ほどのバナナ! ここから黄色になるなんて信じられません。日本では害虫の侵入を防ぐため、熟した状態のバナナを輸入することができないそうです。
安価なバナナは常温の倉庫や、運送途中に黄色くなるそうですが、この熟成にこだわるのが美味しいバナナにするポイント。
「食べてみらんね?」と言われたので、普段なかなか食べられない熟成前の緑色バナナを実食。
……しっぶっっっっっっ!!!
吹き出しそうになりました。なんと渋柿の2倍の渋さだそうで、しばらく口の中がイガイガしました…。ここからあの甘いバナナになるのか不安です。
果実熟成用のガス「バナチレン」を使い、約1週間も熟成!
肝心の熟成方法ですが、果実熟成用エチレンガス「バナチレン」1本、バル●ンのように噴射し、1室に充満させるそう。バナナを一房ずつ吊るしてるんじゃないんですね。
室温度は20度まで上げ、ガスを噴射し、24時間熟成。ガス抜きをした後、温度はどんどん下げていきます。熟成時間も1日1時間ずつ減らし、約1週間で…
真っ黄色に!濃い濃い! ちなみにスーパーで販売されているバナナの色は、これより2段階ほど薄いそうです。
そして、しっかり熟成されたバナナは「パキッ」と音を立てて折れます! 皮がみずみずしくてハリが良いんですよ。こんな音普段しませんて。
松田青果で取り扱っているバナナは、フィリピン産と台湾産。
フィリピン産は、丸く大型、さっぱりとした味
台湾産は、味が濃厚で、口当たりはまろやか
どちらも美味しいですが、意外なことに日本人の好みは台湾バナナだそうです。普段はフィリピン産ばかり食べてますよ。
こちらの赤いバナナ「モラード」は、1週間に1ケースしか入ってこない貴重品!
ねと〜としたオレンジの果肉、食べるともっちりとした食感。ポリフェノールが豊富なことから大人気で、予約も半年待ちだとか。
バナナ一筋60年以上! こだわりの技が詰まった熟成バナナ
昭和元年から続く「松田青果」。スーパーなどに並んでいるバナナ以上にしっかり熟成され、その味を求めて、県外からもたくさんのお客さんが訪れるそうです。
お店では真っ黄色の状態で販売していますが、バナナはシュガースポット(茶色い斑点)が出た頃が、一番の食べごろ。こちらを折るとフニャとしそうですが…
松田青果のバナナは、シュガースポットがあってもパキッと割れます! これぞしっかり熟成されている証拠。
代々引き継がれ、職人の技おいしく変身したバナナ。残念なことに現在後継がいないそうで、もしかしたらこの味が食べられ無くなる時期が来るかもしれません。そうなる前にぜひ食べて欲しい!!
松田青果
営業時間 | 9:00~18:00 |
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定休日 | 日曜・時々祝日 |
住所 | 〒860-0041 熊本県熊本市中央区細工町3丁目38 |
電話番号 | 096-354-5255 |
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