骨まで愛して。産湯から墓場まで。~小野泉水公園から鬼のいわや古墳~【前編】
公開日: 2020.02.05
ライター:ひらの熊本市北区植木町小野にある「小野泉水公園」。
遊具があったり、鯉が居たり。春は桜が舞い、夏は蛍が飛んでいたりと、知る人ぞ知る綺麗な公園です。広い駐車場もあり、日曜日は家族連れで賑わい、子供たちの声が響いています。
今回は公園と、そしてその先にある「鬼のいわや古墳」にも行って参りました。
見どころ満載だったので、前編では小野泉水公園をご紹介、後編で鬼のいわや古墳をご紹介します。
小野小町がつかった産湯(らしい)
小野泉水とは、平安時代のナンバーワン女流歌人そして絶世の美女と言われた、「小野小町」が産まれた時、ここの泉の水を産湯として使ったと言われております。
いや~~ん。すごいぃぃ~。しかし泉とともに湧き出るのが「本当なの?」という疑問。
そこで調べてみたところ
絶世の美女小野小町の生誕の地と言われる場所は全国にあり(秋田県、山形県、京都市、滋賀県、福井県、熊本県、神奈川県など)
もう!美女と聞けば皆で取り合いなんだから!!
…と、美女誕生の地の奪い合いに嫉妬心を抱きながらも、きっと熊本の植木であったと信じてむかいます。
まずは小野泉水公園に到着
絶世の美女がつかった産湯ですもの。何なら池につかりたいし、美女エキスにあやかりたい。
早速むかったのは、小野泉水公園。
駐車場有、遊具あり、泉あり、トイレ、自販機ありの公園です。
花の色は うつりにけりな いたずらに わが身世にふる ながめせしまに
現代語訳「桜の花の色は、春の長雨が降っている間に、むなしくも衰え色あせてしまいました。
ちょうど私の美貌が衰えたように、恋や世間のもろもろのことに思い悩んでいるうちに」
あららららら。「ちょうど私の美貌が衰えたように」ですか。
自覚ありの意識高い系美女ですね~。それゆえ、老いてゆく自分の姿の虚しさをしみじみと感じたのでしょう。誰もが知っている美しい歌です。
公園際の小川です。夏にはここで蛍が見られます。とても幻想的な光景です。
どうぞ皆様、注意書きのお約束を守って綺麗な水のせせらぎに癒されてください。
公園中央には水遊びが出来るようになっています。夏はとても賑わっています。
地域の方々のおかげでゴミひとつ落ちていません。マナーを守って楽しく遊びましょう。
泉、鯉、恋
公園の、一番奥に泉があります。夕陽が反射して幻想的な景色。
大きいもの、小さいもの、赤いもの、金色のもの、鯉が沢山おり、見ていて飽きません。運が良ければ甲羅干しをしているカメにも出会えますよ。今の時期(2月)は冬眠中。
ここが、かの小野小町が産湯として使った泉。
夕陽を含んだ泉は何となく物悲しい雰囲気
見た目が全てだとは全く思いませんが、美しかったからこそ生まれた素晴らしい歌もあるはずです。そして美女ゆえモテモテだった小野小町は、なかなか男の人になびかなかったと言う話も。
なぜ..贅沢ぅ..
しかし小野小町の晩年の様子は醜い老婆として記録されているよう。美人に対する嫉妬からなのか、本当の話なのか。
このような和歌もあります。
「我死なば 焼くな埋ずむな 野にさらせ 痩せたる犬の腹を肥やせよ」
意味「私が死んだら、焼いたり埋めたりせずに野に放ってください。痩せ細った犬の腹の足しになれば本望です」
ちやほやされた故の絶望でしょうか。(←されたことがないから分からない)そして彼女は熱心な仏教徒であったとも言われています。いつの時代も人間の一生とは儚い。今を大切に生きなければ。
そんなことを考え公園をうろつきつつも、脳内には
「花の色は うつりにけりな いたずらに わが身世にふる ながめせしまに」
が離れないのでした。
泉のほとりには「小町堂」や
「七国神社」があります。ぜひこちらも見に行かれてくださいね。
小野小町のようなかわいい子供に出会う
歩いていると、子供たちの伸びやかな声でにぎわっている中、一際大きな笑い声が聞こえました。
こんな原始的なパンダの遊具で全力で遊んでいる女の子達。
あまりに楽しそうで可愛いのでご家族の方に撮影許可を戴きました。どっちが前に乗るかで楽しく奪い合いをしていたようですが、近頃ゲームや携帯の奪い合いを見かけることはあってもこんな顔のかすれたパンダの取り合いをしてはしゃいでいる風景は久しぶりに見ました。
後ろのお姉ちゃんががっつりパンダの鼻をつかんで離さない姿。きっと立派な肥後の女になることでしょう!
後半に続く!!!
さあお次はいよいよ「鬼のいわや古墳」!
後編に続きます!お楽しみに。
小野の泉水公園
住所 | 熊本市北区植木町小野93 |
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