【玉名市】住宅地にどどーーーんと巨石。そしてうっすらと岩に浮かび上がる「それ」は何?
公開日: 2025.10.30
ライター:ひらの
玉名市の住宅地の中に、「え!?」と驚く巨石があるのを見つけましたので、その様子をお伝えします。
場所は玉名市天水町野部田

このように民家の中の道、「石塘史跡公園(いしどもしせきこうえん)」↓
【玉名市】「人柱」という哀しい歴史も残る、石塘史跡公園(いしどもしせきこうえん) | 肥後ジャーナル – 熊本の今をお届けするメディアサイト
へ行く途中に「でかい!」と謎の巨石を見つけました。

ちょうどこのようにカーブになっている場所です。
こちらです。
裏側。

巨石と言っても平たく、板のようになっております。写真ではなかなか伝わらない風になっておりますが、平たく大きな石が立っているのはかなりの迫力があります。しかも民家脇にですので、なおさらです。
六地蔵板碑(ろくじぞういたび)とは?

この巨石は「六地蔵板碑」と言って、玉名市指定重要有形文化財になっております。

車も一台置けるスペースがありますので、ゆっくり眺める事が出来ました。
六地蔵信仰は、地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人道、天道、の六道輪廻思想に基づくものであり、六体の地蔵を刻む石幢(せきどう)は多いが、この六地蔵は板碑(いたび)である点で大変珍しい。
(案内板より)
そしてこの板は元々は水路に掛かる橋だったとの事。高さは2.3mあり、昭和32年に今の場所へ移設され今に至ります。
(祠の中にはお地蔵様。)
「六地蔵信仰」とはすべての生物が命を終えた時に、六つの世界に生まれ変わると言われているものです。それが、先の案内板に書いてあった、「地獄道」、「餓鬼道」、「畜生道」、「修羅道」、「人道」、「天道」です。漢字からなんとなく分かるかと思いますが、地獄は地獄、天道は神の道。

(綺麗な色がついていたよう)
そしてその六つの道の入口にいらっしゃり魂を救済してくださるのが、六人の地蔵と言われております。
現世での行いにより、どの道へ生まれかわるかが決まってしまうのが輪廻転生であり、それを信じ人々は今世を良く生きようと思うのでしょう。良い行いをすればするほど「天道」の入口へと近づきます。

そしてこれが岩に彫られた六地蔵。見えますか!?(横の方からではないと写真に写らないのでこのような角度になっております)
第一像 右手に錫杖(しゃくじょう)を持ち波上の蓮台に立つ像 ※錫杖(しゃくじょう)は、遊行僧が携帯する道具
第二像 両手に鈸子(はつ)を持ち蓮台に立つ像 ※鈸子(はつ)は、シンバルのようなもの
第三像 両手で経箱を持ち雲の上に立つ像 ※経箱(きょうばこ)とは経文を入れておく箱
第四像 右手に如意を持ち雲の上に立つ像 ※如意(にょい)は、僧が使う棒
第五像 持ち物台座との不明
第六像 左手に幢幡を持つ像 ※幢幡(どうばん)とは、仏具の一種で旗のようなもの

画像の彩度を変えて見ると、見えてきました。文明17年(1485)に徳宋という人が建てたという事も刻んであります。
この日は晴れた日でしたが、なかなか細部まではわかりませんが、大変貴重で珍しい史跡です。

板碑には所々穴があり、信仰する人々が石を削って薬として飲んだと言われております。
六地蔵の記事は以前二つ書いております、
「高畑の六地蔵」
【玉名郡】いつも車で行き過ぎるだけの「高畑の六地蔵」のお顔をじっくりと眺めてきました~高畑の六地蔵~ | 肥後ジャーナル – 熊本の今をお届けするメディアサイト
「二田の六地蔵」
【北区】あなたの無事を祈って、道の真ん中で、ずっと待っています。~二田の六地蔵~ | 肥後ジャーナル – 熊本の今をお届けするメディアサイト
板碑のものは大変珍しいとの事。
是非

【玉名市】「人柱」という哀しい歴史も残る、石塘史跡公園(いしどもしせきこうえん) | 肥後ジャーナル – 熊本の今をお届けするメディアサイト
こちらの石塘史跡公園の近くですので、一緒に見に行かれてみてはいかがでしょうか?
六地蔵板碑
| 住所 | 玉名市天水町野部田979 |
|---|---|
| 駐車場 | 1台置ける場所あり |
ライター紹介
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