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熊本ラーメンの定義がマー油の有無だと仮定した場合、まずは拉麺劉のマー油を食べなきゃ話にならない。

ライター:ムトー ムトー
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熊本ラーメンと一言にいっても、様々な種類が出てきましたよね。もう何が熊本ラーメンの定義なのかよく訳が分からなくなりますが、ここはシンプルに

マー油が入っているのかどうか

ってとこではないでしょうか。

調べたところどうやらみんな大好き味千ラーメンこと重光産業が深くかかわっているとのこと。早速行ってきました。


まずは王道を味わおう

まあ四の五の言わず食べましょうよ。やってきました味千ラーメン東バイパス店。毎月22日は待ち必須の人気店。

ちいちゃんもお出迎え。

店内はソーシャルディスタンスを保つため、使用できる椅子が限られてます。そして左にある近未来のロボットすごい。

いっぱい種類があるんで悩んでしまいますが、今回のミッションはマー油。分かりやすいようにシンプルな味千ラーメンを頼みました。

これこれ。これですよ。

味千ラーメンは、丼に麺よりも先にマー油を入れてそれからスープを入れているので、一見して「マー油おった!」とはなりませんが、確実にいます。

ご覧ください。見るだけでよだれが出てきます。

さて早速…

あっちいい!!そうそうこれ!!!油膜が張っているから中をほじくればほじくるほど、あっつあつを楽しめるんですよね。下にあるマー油も混ぜて美味しくいただき…

こんにちは!伊藤さん!今日はマー油を探っているそうで!!」

重光産業 緒方さん

「なんですか野球帰り?」

「重光産業では野球選手も募集中です!来たれ!若人!」

全然若人ではない伊藤にも熱心に指導をしてくれる緒方さん登場です。

「マー油は、うちの先代が作ったものですね。つまり熊本ラーメンの原点はここなんですよ」

何という事ですか。もう答えが出てしまいました。

熊本ラーメンの礎

こちらが現在の熊本ラーメンの礎を作った先代の劉 坛祥(重光孝治)代表。

豚骨ラーメンの発祥は福岡県の久留米。その豚骨ラーメンを熊本でも作れないかと、劉 坛祥(重光孝治)先代を含む3人の男が立ち上がりました。

昭和28年に松葉軒、昭和29年にこむらさきがオープンしたものの、その頃はまだ久留米式の豚骨ラーメンでした。

そこで、昭和30年に桂花に勤務していた劉 坛祥(重光孝治)先代がマー油を開発。これが熊本ラーメンのはじまりです。

その後、そのマー油をひっさげ昭和43年に「味千ラーメン」をオープンした、という歴史があったのです。

「当時、日本人はそんなににんにくを食するという文化がなかった。台湾人であった先代だからこそ思いつけたアイディアだと思います」

その後もマー油を独占する訳でもなく、惜しみなくレシピを公開していき現在の熊本ラーメンの形になったという訳ですね。

味千ラーメンのメニューの裏にも詳しく記載されてました。ほんとすごい。

「ただ」

「ただ??」

「今の味千ラーメンの味が当時の熊本ラーメンの味かと言われればそれはちょっと違うんです」

好みの味は人それぞれ。でもそう聞くと元々の熊本ラーメンってどんな味だったんだろうかと思ってしまいます。

「食べれますよ。龍田にある拉麺劉(らーめんりゅう)で」

マジすか。

拉麺劉(らーめんりゅう)で元祖熊本の味を堪能しようではないか

先ほどの味千ラーメン東バイパスから車で15分程度で到着しました。熊本市北区龍田にある拉麺劉。

言われてみれば店名が「劉」ですから、もうまんま先代が作ったラーメンを継承ってことですよね。期待が高まります。

こんにちは~って。こわ!!!!

「ここで元祖熊本ラーメンが食べられるって聞いたんですが…」

「はい!確かに元祖熊本ラーメンのマー油のレシピで作っています!」

「レシピ?」

「先代がきちんと当時のレシピば残してくださってたんですよ」

元々和食の料理人であった店主。先代が残したレシピをもとに新たな味にも挑戦中です。

期間限定のラーメンもめちゃくちゃ気になる。トマトマー油ですって。

でも何度も繰り返しになりますが、今回はマー油。店名にもなっている劉ラーメンをいただこうじゃありませんか。

スープは豚の頭骨100%、そして熊本の水のみを使用。香り消しの野菜が必要ないほど、まろやかなんですって。

またスープは毎回新しく作り直す「取り切り」を採用し、いわゆる「呼び戻し」ではありません。これも好みの問題ですが「あまり煮込まれているタイプのスープは苦手」という方には非常に好まれている技法です。

使用する麺はもちろん味千ラーメンと同じもの。

さてさて一体どの程度、味が変わってくるのか楽しみです。

いよいよ実食

待つこと数分。芳醇な香りとともに運ばれてきました。劉ラーメン。

味千ラーメンとの大きな違いは、より香りを楽しめるようにマー油は後がけタイプなんです。

本日2杯目。しかし何杯食べても美味いんだからしようがない。そりゃ自然と笑みもこぼれますって。

上にのっかっているマー油は混ぜてもそのままでも好みでOKなんだとか。まずは混ぜずにそのままいただいてみましょう。

それでは早速。

え?こんな違う???

ちょっとこれは驚き。マー油って言っても調味料の1つ。ラーメンはスープや麺などまだまだ主役級のものがたくさん合わさって1つの芸術品になるのに、マー油1つでこんなに味が変わるなんて。

「現在の味千と比較した場合、少しとがった印象…?」

「そうですね。味千はどちらかと言えばマイルドで誰が食べても美味しいと感じるよう工夫されています。劉ラーメンは先代が残した当時の味を再現しているので、ガツンとくるのかもしれませんね」

これは熊本県民、絶対に食べてみるべき!!

結論:これは一回食べとかなきゃ

味千と同じ麺を使用しているという話でしたが、心なしか麺も違う!そんな気さえしました。

正直「同じ重光産業なのに味の違いとかそんなあるのかな」と思っていたのですが、もう全然別物。当時を知っている方もそうではない方も、これは一度食べとかなきゃ!なラーメンでしたよ。

我慢できずに頼んだ完熟トマトの冷やしラーメン。めちゃくちゃ美味しかった。

現在の熊本ラーメンを派生させた源流であるマー油を食べられるのは拉麺劉だけ。

ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

拉麺劉(らーめんりゅう)三の宮店

住所

熊本県熊本市北区龍田2丁目17-28

営業時間

11時~22時

定休日

無休

電話番号 096-342-5562

ライター紹介

ムトー

ムトー

肥後ジャーナル編集長。 「人はなんで痩せなきゃいけないのかな」という思考にまで達したのでもうきっと痩せません。 気にしません。

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