普段の生活圏やリズムから離れて、仕事や人間関係で疲れた心身を癒す。

観光やアウトドアレジャーとは違い、日常を忘れてストレスフリーに過ごすことを目的とする。それが「リトリート」。

あるようで見つけるのはなかなか難しい空間を提供してくれるカフェが、県南部の人吉市にありました。

クリエイティブで優雅な店内

今回お邪魔したのは人吉市下原田町にあるバインミーカフェ「カオニャット」。

写真だけ見ると、雰囲気は山奥のロッジのようですが、こう見えて国道沿いなんです！ベトナムのお料理をいただけながらリトリートが味わえると評判のお店です。

場所は、人吉インターを下り、車で 5 分。
国道 219 を球磨村の方に進んで行くと、左手にお店が見えてきます。

早速中に入ってみると…

なんともユーモラスな空間が！

アウトドア関連の仕事をしている旦那さんと奥さんで民家を改築していったとの事。

店内は音楽も流れており、一瞬で「場の魅力」に引き込まれます。

店主の竹本さんご夫婦。

最近は球磨川の氾濫被害やコロナの影響もあり、テイクアウトでの注文が多いとの事。

週末は車で熊本市内や福岡など、各地に出向きイベント等で出店しているそうです。

店内を見渡していると、どこからともなく猫ちゃんがやって来ました。

ご夫婦で 4 匹飼われており、日替わりで勤務しているとの事。この日、出勤していたのは、人懐っこく優しい性格のむぎちゃん。

推しは何と言ってもバインミー

店名にもあるバインミーとはベトナムのサンドイッチの事。
全部で 4 種類あり、どれも美味しそうなのですが、今回はカオニャット!!バインミーを注文。

ランチセットもあります！
フォー、食べたかった…。

数分後、やって来たサンドイッチはボリューム満点。

中の具材はパクチー、なます、レバーペースト、チャールア（ベトナムハム）、揚げ目玉焼き。

入荷があれば青パパイアなども使われるそう。

さっそく食べてみると驚いたのはバランスの良さ。
食べやすい！
玉子やレバーペーストで口当たりが柔らかく、口の中で具材が喧嘩しないんです。

パクチーが苦手なお客さんでも、これなら食べれるとおっしゃる方が多いとの事ですが、それも納得。

野球やサッカーのように、サンドイッチにもチームワークが不可欠なんですね。

食後には、これまた店主一押しの手作りスムージーをいただきました。

基本的にはその日仕入れた野菜やフルーツを組み合わせ、素材は徹底的に熊本県産、特に人吉・球磨のものにこだわっているそうです。

氷やヨーグルトなどは一切使わず、100％オーガニックな超自然派な一杯。この日はパイナップルと自家製のハーブを組み合わせたものでした。

竹製ストロー（ベトナムではプラスチックはほとんど使わないそう）で吸ってみると、なるほど納得の飲みごたえ、というより、食べ応え。

食材の食感がしっかりと残っており、それでいて口の中に残らず、さっぱりとしています。
あぁ、体が喜んでいるのが分かる…。

振り幅の広さも魅力のひとつ

ご主人に話を伺うと、「コンセプトはバインミーカフェですが、私達自身、この店がどういう場所なのか、まだ理解していません」と頬を緩めました。

しかし、そのふり幅の広さ、未知数な可能性こそ、お店の大きな魅力かもしれません。

バインミーカフェであり、猫カフェであり、何より、やすらぎを得られる、リトリートカフェとして。

その場にいるだけで体中の老廃物が洗い流されるようなデトックス空間に、ぜひ皆さんも足を運ばれてはいかがでしょうか。

バインミーカフェ カオニャット