なんやかんや年末ですね。
スーパーの年末の風物詩といえば、お正月用の赤酒が並ぶという光景。ただ他県の人から見れば「ん?これなに?」と戸惑ってしまうこともしばしば。
とは言え、熊本県民でも「これは赤酒だよ。」という説明はできても、「なんでお正月に飲むの?」と聞かれれば、正確に答えられる人の方が少ないものです。
いい加減もうこれじゃいかん。
という訳で、色々事細かに教えてもらおうと、製造元である瑞鷹へ出向いてきました。
目次
これ全問正解できれば立派な赤酒マスター
まずお伺いしたいのが赤酒ってなんだ?っていう疑問です。
とてもいい質問です!!
しかしそのまま答えるのもなんだかアレなんで。クイズにしちゃいましょう!
クイズ第一問!赤酒ってなに?
1.清酒作るつもりが失敗して大衆に広まったお酒
2.肥後細川藩だけしか飲めなかったお酒
3.滋養強壮のために作られたお酒
さあ!答えはどれでしょう?チックタックチックタック
チクタクカウント慌てるー!じゃなんとなく1!!
はいはずれ。正解は2。
赤酒は熊本の御國酒(おくにざけ)ですね。
都道府県になる前って「藩」で分かれてましたよね。藩が違えば国が違うのと同じくらい、まったくの別物。肥後の細川藩で造られていたのがこの赤酒です。
他の藩からのお酒の流入も禁止されていたので、単純に細川藩で飲めるお酒がこの赤酒だけだったんです。
クイズ第二問!西郷隆盛が西南の役で北上する際に、飲んでいる飲み物ってなに?
1.赤酒
2.芋焼酎
3.米焼酎
さっきの答えちゃんと聞いてたら分かるよー!チックタックチックタック
人の話を聞かないことに定評がある私には難問。。せごどんは鹿児島の人だし2!!!
はい、ぶっぶーーーー!!!
さっき言ったでしょ。藩が違えば、飲めるお酒も違うって。川尻で飲めるお酒って言ったらもう赤酒しかないんですよ。なので、わざわざ「赤酒」とは記載されてないけど、時代背景を考えたら恐らくそうなんです。
クイズ第三問!なんで熊本ではお正月と言えば赤酒なんでしょうか!
1.赤酒に屠蘇散(とそさん)がついているからなんとなく
2.ハレの日に飲むと縁起がいいから
3.清酒の1種だから
言われる前に自分でもう言います。チックタックチックタック…
まさかの3。
正解!!熊本の地酒っていうのが大前提なんですが、赤酒のジャンルは雑酒ですけど、清酒の1種なんですよ。それに屠蘇散を一晩漬けこむことで、熊本独自のお屠蘇になります。
クイズ第四問!清酒と赤酒の違いってなーんだ
1.色
2.工程
3.種類
…いや、全部じゃ
いいですね!いいですね!!のってきましたね!!正解です!
まず色ですね。清酒は透明。赤酒は赤。これ専門的に言えばメイラード反応って言います。アミノ酸などを加熱したときに勝手に色が変わる反応なんです。
あとは赤酒って、ジャンルとしては雑酒に分類されるんですが、清酒の1種です。
じゃなにが大きく異なるのか。
答えは「木灰(もくはい)」の有無です。
赤酒は木灰を入れることで除菌を行っていますので「灰持ち酒(あくもちざけ)」と呼ばれ、清酒などは火を入れて除菌しているので「火持ち酒(ひもちざけ)」と呼ばれています。
工程自体は通常の清酒と同じですが、木灰を入れるのか入れないのか、また日持ちさせるために火を入れるのか入れないのかで分類されるんです。
ラスト五問目!赤酒はなぜ甘い?
1.甘味料が入っているから
2.お酒って本来甘いから
3.高温発酵させるから
チクタクタイム スタート!!
赤酒云々よりも、私、吉村さんのクイズの出し方に規則性を見つけました。答えは3。
理由は、「それっぽいから」
はい!せいかーーーーーい!!!
酒は高温発酵させることで、甘くて濃い日本酒になるのです。赤酒はそこに灰を入れて日持ちさせます。これは先ほど言った通りですね。
甘味もある弱アルカリ性なので、ふっくらと保水する効果もあり料理人から、調味料としても愛される。それが赤酒です。
かなり赤酒マスターになった私がここにいます。
早速、瓶詰の工程を見せてもらった
取材したのが12月でしたから、もう出荷の真っ最中。
丁寧に1つ1つ目視で検品作業が行われ
屠蘇散も人の手によって付けられていました。どんな時代になっても、やっぱり最後は人の手。愛情込めて出荷作業が行われています。
今年の出荷量も平年並みだとのこと。
余った赤酒で使えるレシピ
赤酒あるあるなんですが、意外と残る。これ上手な解消法ってないですか?
案外ね、なんでも使えますよ。ベーシックなとこだと肉じゃがとか煮魚とかですね。
あとは甘いのでカクテルのリキュール代わりとしても使えます。
赤酒×トリス「エクストラ」を1対1、そこにソーダを入れて飲む「熊本ハイボール」なんかもおすすめだとか。
そのほか、らくのうマザーズさんの「大阿蘇ミルク」と割ると、カルアミルクっぽくなりますよ。
誰でも寄れる酒のアミューズメント
お酒って、どれが自分自身と合うのかってよく分からないもの。そこで使えるのが、瑞鷹の東肥大正蔵。
瑞鷹の「東肥大将蔵」では誰でも立ち寄ることができる、いわばお酒のアミューズメント。
趣あふれる店内は、蔵を改装して作られたもの。ここで試飲も可能ですから、好みの1本が見つかります。
5度以下で保存された、生原酒。これはここに来なきゃ手に入らない貴重なお酒です。
「やっぱり米焼酎ばい!」ってことなら、原哲夫先生のラベルでお馴染み「清正公」がおすすめ。熊本土産としても重宝しそうです。
まとめ
- 赤酒の歴史は非常に古い
- 身をふっくらとする成分があるので、プロの料理人からも愛されている
- 意外とアレンジ効く
知っているようで案外知らない赤酒の起源やアレンジ法。
お話によると今はもうお正月に家族集まって赤酒を飲む…という風習自体少なくなってきたのだとか。確かに核家族化や正月旅行、はたまた正月でも仕事!など様々な事情がありますよね。
でもせっかくですから、熊本独自の赤酒で来たる新年を祝ってみてはいかがでしょうか。
完全に余談ですが、後日お土産で頂いた赤酒を、赤酒未体験の肥後ジャーナルライター”まりあ”と”かなこ”に忘年会でふるまったところ、2人で5合開けてました。
初めて呑んだけど、めっちゃくちゃ美味しかった!!!!ビールみたいにお腹タプタプにならないから、これ女子こそ飲むべし!
瑞鷹 東肥大正蔵
営業時間 | 10時~17時 |
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休館日 | 毎週月曜、年末年始(12月28日~1月4日) |
電話番号 | 096-311-6275 |
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