玉名の下町ロケット?巷で評判の「ワンペダル」とは?
自動車の交通事故は、統計を取ると年々減ってきているそうですが、そんな中でも一際報道などで目立ってきているのは“ブレーキ踏み間違いなどによる高齢ドライバーの事故”です。
そんな中、その危険を回避できる器具「ワンペダル」を開発した企業が玉名にあると聞き、早速伺ってきました。
目次
ブレーキの「踏み間違い」などによる高齢者の事故が多発!これを解決する鍵が玉名の下町工場にあった!?
「ナルセ機材有限会社」の場所は玉名市岱明町、荒尾まで向かう道から少し離れたところにありました。
現場はまさに下町の工場。数々のベテラン工員さんの技術が光る昔ながらの職場です!
「ワンペダル」ってなに?
ワンペダルの理屈は、一見簡単かのようで奥深い。現状のアクセル・ブレーキペダルを活用しながら「ワンペダル」を装着するので改造申請などの手続きは不要とのこと。
ブレーキの上にワンペダル本体をセットし本体右側に(従来のアクセルペダルと連動させた)アクセルレバーが配置してある。
アクセルは踏むのではなく、足の先を少し横にずらす動作、つまり足を踏み替える必要が無く、事実上アクセルとブレーキをひとつのペダルで成立させている器具ということになる。
引用元:http://www.onepedal.co.jp/
引用元:http://www.onepedal.co.jp/
動画での説明
大手自動車メーカーなどは、自動運転技術を想定としたシステムの一部先行という形で、自動制御装置など“大掛かり”な機能を搭載して“新車”の販売を行っておりますが、このスタイルは、まさに考え抜かれた上で洗練されてここまでスタイリッシュになった機能で、要するに踏むのは「ブレーキしかない」わけです。
踏むのは「ブレーキしかない」わけですから、アクセスとブレーキを踏み間違えようがない!
そしてアクセルを横にするという、今までにない作り!
ただこの横アクセルというある種の“違和感”こそが、アクセルの入れ方を意識し、無意識にスピードを出すという心理の抑制に繋がるわけです。
アクセルを踏み間違えた!!を避けたければ、アクセルを“踏ませない”形にすればいいというのが基本になります。
直接お話をお伺いしました!
左の方が鳴瀬社長。右の方が、ワンペダルアドバイザーとして広報も兼ねる荒田さんです。
鳴瀬社長ご自身は、以前も多くのメディアで特集を組まれてご紹介をされている有名社長なのです!
なぜこのような器具を開発されたのですか?
私もAT車に乗り始めた際に、踏み間違えてあわや!という体験をしました。これは対策を考えないといけないという思いにいたり、開発に着手しました。
それはいつごろですか?
80年代後半あたりかな?その頃にはもう1号機を作ってましたので。
え!?もう20年以上前からですか!?
そろそろ開発歴も30年になりそうですね…。長くなったなぁ。
実は「ワンペダル」は、近年の高齢者踏み間違え事故が騒がれだした時期に乗っかって作られたわけではないのです!
「ワンペダル」は、AT車が出回り始めた80年代から既に開発され販売。その後も地道に改良を長く繰り返しながら、今のスタイルに行き着いているとのこと。
物凄い技術の練られた製品だったんですね!!
技術中心で、PRがあまり得意ではない会社でしたので、製品の開発はうまく進んでも、なかなか一般に普及させて頂くのには苦労したようです。
私が数年前に入社しましてから、宣伝体制を整え、会社のホームページを作成しました。その頃にまた再び間違え事故の話題となり、その流れで当社の「ワンペダル」に再び脚光を頂き、注目されるようになりました。
いやー正直少し驚いたんですよ。なかなかしっかりしたHPを作ってらっしゃるなぁと。
今は、「ワンペダル」に関するあらゆる情報は、当社のHPやSNS上で常に発信しています。
その他にも、やはり実際に体験して頂くのが一番良さがわかりやすいので、各地で「ワンペダル」を装着した車の試乗会を積極的に行っています!
はい。私も先ほど試乗車で運転させて頂きましたが、確かに踏むペダルはブレーキだけですから、間違えようがない!それに…
足がとても楽でしょ?
はい!踏み間違えないということだけじゃないんですね。アクセルが横にあるのは確かに一瞬違和感もありますが、ほどなく慣れて、そうするとアクセルを踏む体制の力がいらないので実は足が楽なんですね。
正直、踏み間違え防止の製品は他にもあるし、うちより安いのもある。でもうちのは防止だけじゃないんです。アクセルを踏む動作が無いので、足の負担がないんですよ。高齢の方だけじゃなくても、長時間車を運転する方などにもオススメしています。
「ワンペダル」普及への情熱が若さの秘訣!?
ワンペダル普及試乗車を案内する鳴瀬社長。
大変失礼かとは思いますが…社長ご年齢は…?
もう80歳を超えましたよ。
ええ!?なんかもう尋常じゃないくらいお若い!
毎日休まず開発のことを考えると歳を取るのを忘れるよね!それでも、この「ワンペダル」がなかったら車は運転していないと思うよ。
私の年齢だったら普通は“運転辞めなさい!”と言われそうなんだけど、私自身がこの「ワンペダル」のユーザーである高齢ドライバーを想定したテストドライバーでもあるわけだよ。
実は私は鳴瀬社長を見た時に60代だと思っていて、おそらく還暦を過ぎてるだろうに元気な方だなと思ってました。
でも実際年齢を聴いたら、それより+20才だったことが判明!おそらくワンペダルを開発なされたころから、事実上老化をほとんどしてないんじゃないかとさえ思われる・・・
ワンペダルは障害を持つ方にも有効!
私が実は、右足が義足なんですが、「ワンペダル」を車に付けることによって、左足操作で車の運転再開が可能になったんですよ。
なんかまた凄いイケてる感じの動画ですよね!
「ワンペダル」は『右足操作タイプ』が一般的なんですが、病気などで右足が不自由となり左足運転を余儀なくされている方には『両足兼用タイプ』があります。これは右足でも左足でも操作できますので、1台のお車を家族で共用することができますよ。
左足運転を余儀なくされている方ですか!?
はい、私みたいな右足義足の方は少ないですが、脳こうそくなどで右半身麻痺の方など最近『両足兼用タイプ』を取付けるケースが非常に増えてきています。高齢者に限らず、身障者にとっても車の運転ができる、できないはQOL(生活の質)に大きく影響しますもんね。
そういう方こそ“踏み間違える”リスクが高そうですね!
その通り!だからこその「ワンペダル」なのです。ペダル慣れしていない左足なら、なおさら“踏むのはブレーキだけ!”という仕組みはとっても安全です。
世間の風潮は“運転にリスクのある人は運転してはいけない”という排除の理論のように感じることもない。
ただそれでいいのだろうか?現に本当に事故を多発させている層は、20代の男女、免許を取って運転経験のまだ浅いのでとっさの判断が出来る引き出しが少ない若者である。
それに対して初めからリスクなどを自覚している方などは、しっかり自分を把握しているので、無謀な運転などまずやらないはず。
最後に
大手自動車メーカーの自動抑制装置は本当に素晴らしい!それは間違いない。ただとはいえ、選択できるのは現状新車だけなんですね。
高齢の方は、新車を買ったところで乗りこなせるかな?という不安と、もういつ引退になるかわからないのに新車は…という考えがあります。
それなら、まずはぜひご自身の一番乗り慣れた現在の自家用車に「ワンペダル」を取り付けてみては如何でしょうか?
詳しい情報は「ナルセ機材有限会社」のホームページをご覧ください。
■ナルセ機材有限会社(ワンペダル)■
ライター紹介
肥後ジャーナルライター
肥後ジャーナルらしいコンテンツをどんどん発信していきます!!!
記事シェア