菊池方面へドライブしていた時に一瞬で通りすぎるほど小さな物でしたが、「なんだあれ！」というものを見つけましたので、調べてみました。Googleマップにも載っていない、「乳母が墓」（うばがはか）というものです。

場所は菊池市隈府

熊本市方面から来て、ファミリーマート菊池高野瀬店を過ぎて、

こちらになります。熊本市方面から来ると、看板が後ろを向いてますので分かりにくいです。Googleマップにも載っておりませんのでご注意ください。

乳母が墓。その名の通り、乳母のお墓のようです。

乳母が子守をしながら「菊池の城は亀城で、前から攻めれば噛みつくが、後ろからならグアラ、グァラ」と歌っていたのを大友軍の間者が聞き、菊池本城は裏から攻められて落城したとのこと。そしてそれによって乳母は処刑され、その魂を弔うために建てられました。

お乳の出の悪い女性がお参りすると、お乳が出るようになるという信仰があるようです。

なんとも寂し気な雰囲気でした。そもそも、子守歌を歌っていて、それを聞かれたせいで攻められたのだと言われ、その後処刑されたとはあまりにも非情。（言い伝えではありますが）

そんな仏様が、この世に恨みや未練なく、お乳を出るようにしてくれるのだとしたら、哀しさを感じます。自分の子供でさえ育てるのは本当に命を削るものなのに、乳母という仕事の壮絶さを思うと、同じ女性として胸が痛みます。

将軍家などでは身分の低い体の元気な女性が乳母として選ばれており、しかしそうした身分の低い女性が将軍の若君に触れさせる事はタブーという風潮があり、乳をあげる際には、顔を隠し、抱く事さえ制限されていたと言います。

こちらが、その女性のお墓だと言われております。この石だけ頭を垂れており、何とも言えない気持ちになりました。

そもそも子守歌は何故悲しいものが多いのでしょうか。

母親が子供へつぶやく歌とちがって、子守娘の歌う子守唄は悲しい曲が多い。 自分の働きに来ているところから逃げ出したい、故郷に向かって訴えるような叫びが交じっているからだ。 それもそのはず、子守仕事に明け暮れる子守娘もまた母親が恋しい子供の年齢にすぎない。

Googleより

そういう気持ちで重労働をしていて、「菊池の城は亀城で、前から攻めれば噛みつくが、後ろからならグアラ、グァラ」と歌ってしまう気持ちも分からなくはありません。

しかしその事で処刑されてしまったとは、本当に無情だと感じます。

近くには私も大好きな

菊池に4月オープンした「あらかきタコス」が完全に沖縄。 | 肥後ジャーナル – 熊本の今をお届けするメディアサイト (higojournal.com)

「あらかきタコス」もありますので、そのついでにでも、寄ってみて欲しい場所です。

涼し気！菊池市市役所の水車

帰りに菊池市役所によりました。

菊池の美しい井出。

雨の後でしたので、水量多めで

なかなかの迫力でした。

ずっと眺めていると吸い込まれそうな気持に。

こちらは発電しており、夜にライトアップされるようです。

今は便利な世の中になりましたが、水車がたくさんあった街並みも素敵だっただろうなと思いを寄せます。

以前書いた、だいら水車

【熊本市西区河内町】水の力で私の心も動かして～河内町　だいら水車～ | 肥後ジャーナル – 熊本の今をお届けするメディアサイト (higojournal.com)

よりも随分と大きいです。

ここだけ温度が低くてとても気持ちがいいです。

そしてこちらに流れてゆきます。

菊池市役所にある菊池白龍。

離れたところに尾もあります。

とても迫力のあるオブジェです。

まとめ

少し前まで、案内人付きの散歩ツアーに「乳母が墓」も含まれていたようですが、コロナなどで忘れられている感がありました。身を粉にして働いていたのに、悲しい生涯を終えたと言われる女性の為に少しだけでも立ち寄ってみてはいかがでしょうか。そして「乳母が墓」をきっかけにすべての争い事がなくなりますように、と思ったのでした。

乳母が墓