「玉名市に素材にこだわりぬいた、美味しい料理を食べられるお店がある」と以前から話だけは聞いていた「創作和食ダイニング善」。ずっと行きたかったお店に行ってみたら、雰囲気も最高で、目を閉じてゆっくりと味わいたいお料理の数々は感動ものでした!
古民家風のしっとりとした空間
お店があるのは玉名市中。
お庭が広く、緑につつまれたゆったりとした場所に佇む、あたたかいおうちのようなお店です。
店内は古民家風ですが、こちらは26年前に古民家風に建てられた新築の建物とのこと。
西ドイツから取り寄せたというワックスを使って無垢材を塗ったり、雰囲気にもこだわって作られたお店です。
朝から食事もできる!素材にこだわりぬいたメニュー
こちらのお店では、素材を本当に大切にされており、顔が見える生産者さんたちが作った、安心して食べられるお野菜やお米、お肉を提供されています。
お米は元田さんが作る旭1号で、幻の米とも言われる無農薬のお米。
玉子は平飼いで育てられた元気な鶏が生んだ玉子。
お野菜は、炭素循環型農法で野菜を育てられているクルンノウエンさんや、嶋田自然農園さんのお野菜。お肉は産山村の井さんのあか牛や、やまあい村の走る豚などなど、できる限り自然な素材を使われており、感動するほどのこだわりっぷりです。
お店は10時30分から開いており、朝御膳や昼御膳のほか、デザートや予約制のハコゼン、コース料理も用意されています。
美しく丁寧なお料理を堪能
今回は、シェフおまかせ御膳(2,750円税込)をいただいてみました。
運ばれてきたのは、こちらの彩りも美しい御膳。
シャクの天ぷらは、ほんのりカレー風味の衣で揚げられており、サクッサク!
こちらは、そら豆をつぶして、またそら豆の形に成型して揚げたという天ぷらで、食感はほっくり。
ひと手間かけるからこそ美味しくなる逸品です。
紫陽花の横の小鉢も、新鮮な天然鯛のお刺身に風味の良いゴマダレが、素晴らしい組み合わせです!
インゲンマメのゆで加減も、これ以上でもこれ以下でもないというほど絶妙なゆで加減…。卵サラダもマスタードが良いアクセントになっていて、一品一品に唸ってしまうような美味しさです。
茶碗蒸しには、お庭の柑橘を削ったものがトッピングされていたりと、繊細な気配りで美味しさが一層引き立ちます。
つやつやの白米も美味しさは言わずもがなで、上品な白みその味噌汁も、こだわりの野菜がたくさん使われており、コクがあるのに優しい味です。
そして、シェフおまかせのメインは、チキンソテーの黄身醤油。
しっとりと、かつ香ばしく焼かれたチキンソテーに、とろっとろの濃厚な黄身醤油が絶妙なマッチングで、こちらもありがたくなるほどの美味しさでした。
食後は、コーヒーとデザートも…。
この日のデザートは、大牟田の「焼菓子 ROY」さんのキャロットケーキ。自然栽培で作られた小麦粉や米粉を使用されており、こちらも素材からこだわったお菓子です。サワークリームにナッツも良いアクセントになっていて、コーヒーと一緒に、美味しくいただきました。
繊細な料理を創り出すオーナーシェフは…
こんなにも繊細なお料理の数々を作られているオーナーシェフが、熊本プレミアムシェフにも認定されている森井誠さんです。
意外にもガタイが良く、心は優しいシェフです。18歳から武蔵野調理師専門学校で料理を学ばれ、四谷の懐石料理のお店で修業を積まれたのち、30歳でふるさと玉名に、念願のお店をオープンされました。
茶道も嗜まれているそうで、お店では茶懐石も提供されます。
「素材を活かすってよく言うけど、素材はそのままが一番美味しいんだから…。料理をしてしまうと死んでしまうので、活かすのではなく、殺さないように料理してます」と話される森井シェフ。素材に対する愛情と敬意は人一倍で、そんな森井シェフから生み出される料理だからこそ、こんなにも美味しいのか!と納得させられます。
2年半前に脳梗塞で体が麻痺するなど、大変な思いをされてきましたが、それを乗り越えて現場に復帰され、元気に腕を振るわれています。「人が好き。そして、人と人がつながっていくのが好きなんです」という森井シェフ。こちらのお店も、お客さん同士が繋がったり、生産者の方がふらっと食事に来られたり、あたたかい交流の場となっています。
自然派素材の美味しい料理を堪能しながら、ほっと心もほぐされ、自然と笑顔になれるようなお店…。心が満たされ、じんわりとあたたかい気持ちになれる名店でした!
創作和食ダイニング善
営業時間 | 10:30~ 売り切れまで 夜は予約制 18:00~22:00 (L.O.20:00) |
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定休日 | 木曜日・日曜日 |
駐車場 | あり |
ホームページ | |
電話番号 | 0968-74-2898 |
ライター紹介
ちえ
熊本の人、温泉、自然、グルメ(&お酒)をこよなく愛する30代。好奇心旺盛な行動派で、自称「アクティブガール」ですが、もうガールと呼べる年齢でもないという悲しさ・・・軽いフットワークと、あふれるバイタリティーで、人生謳歌中です。
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