ザ・昭和!!1個100円のどら焼きがめっぽう美味い「豊月堂」の素朴な和菓子
公開日: 2021.04.11
ライター:oginみなさんは、熊本市中央区薬園町にある老舗和菓子屋「豊月堂製菓」をご存じでしょうか?
先日、ふらっと立ち寄った和菓子屋なんですが昭和感が半端ない。
そのうえ、1個100円のどら焼きがめっぽう美味い!!
限定和菓子も気になる、隠れた名店の素朴な味。
季節の変わり目と共に、訪れたいお店です。
目次
安心してください。あいてますよ!
常連さんに愛される老舗の和菓子屋「豊月堂」は、浄行寺交差点ほど近くの三軒町通り沿いにあります。
夕方は、西日が入り込むため軒先の白いアウターシェードを下ろしてあることもありますが、朝8時~夜7時頃までは開いていますのでご安心ください。
但し、ぴんこ~ん、ぴんこ~ん
・・・。
ぴんこ~ん、ぴんこ~ん
・・・。
センサーに反応したチャイムがしばらく鳴り続けますが、お店の方が現れるのを気長に待ちましょう(笑)
あとからお話を伺ったところ、中の工房を通り抜けて来るためどうしても時間がかかってしまうそう。そして、その工房が長いこと長いこと!そりゃぁ、時間かかりますよねってだけの距離がありました。
待っている間に店内を眺めていると、年代物の梱包器具?のようなものが。新旧のテープカッターが並んでいるのも、味があっていいものですね。その奥には、珍しいそろばん付きのレトロな電卓まであります。
昔から変わらない、朝鮮飴やみそせんべいが人気!
店内には、事前注文のご進物用カステラ・羊かんやどら焼き・大福など、昔ながらのお菓子が並びます。
朝鮮飴/スタンダード・生姜・黒糖(税込各300円)
年配の方のご利用が多い豊月堂さんでは、砂糖・水飴・もち米を主な材料に使用する熊本の伝統銘菓「朝鮮飴」や「味噌せんべい」が人気なんだとか。
こちらの味噌せんべいの他、ピーナツクッキーや徳用たまごせんべいまで全て300円(税込)。3袋すべて購入しても、1,000円からおつりがくるなんてお値段まで優しい。
買い占めたくなる3代目の「どら焼き」
どら焼き 100円(税込)
大阪の専門学校で、洋菓子を学んでいたという現在の3代目ご主人。この日は残念ながらお会いすることはできませんでしたが、ご主人が豊月堂を継承される際に、この「どら焼き」をはじめられたとか。
直径約8cm程のどら焼きは、ご主人が1枚1枚銅板で手焼きされていて1回に50個ほどを焼かれるそうです。中の粒あんも、北海道産の小豆を丁寧に時間をかけて煮詰めた豊月堂手作りのあんこを使用。熊本県産の小麦粉を使ったどら焼きの皮は、洋菓子出身のご主人だからこそ作れるしっとりとしていて上品な味わい。
手土産用にまとめ買いされる方も多く、50個作っていても一気に売れてしまう日もあるほど回転率は速いそうです。なるべく新しいものを提供できるようにと、多くは作らず完売したら作るというスタイル。たくさん必要な時には、事前に注文しておくことをおすすめします。
常連さんの中には、1つ目はご主人のどら焼き本来の味を愉しみ、2つ目はイチゴを挟んで味変を愉しまれる方もいらっしゃるとか。私も試してみましたが、瑞々しいイチゴの甘酸っぱさがあんこの甘味を和らげあっさりといただけるので、あっという間に無くなってしまいました。これはこれで、美味しい。
ついつい、手を伸ばしてしまう素朴な味。
松葉 1袋300円(税込)
お茶の先生が買いに来られるという、松葉を模ったこちらのお菓子もいただいてみました。手に持って食べやすい形で、口の中にじんわり溶けていく素朴な味が確かに抹茶とよく合います。
春風の舞う午後に、縁側で日向ぼっこをしながらのんびりしたくなるような優しい味がしました。
手前)スタンダード 奥)生姜入り
各300円(税込)
そして、昔からよく売れているという朝鮮飴。片栗粉にまぶしたタイプではなく、オブラートに包まれた個包装タイプなので小分けや持ち歩きしやすいのも特徴です。
そのまま食べてもトロッとしていて美味しいのですが、冷蔵庫で冷やすとボンタンアメに似た食感でひんやりしていて美味しいですよ。
この味を、地道に守り続けていくだけ。
最初は、「そんな、うちは年配の常連さんばっかりだから取材なんて…」とおっしゃっていた控えめな店主の村上さん。お客さんの後押しもあって、何とか取材させてもらえることに。
万石(まんごく)や朝日野総合病院あたりから、バスに乗って来られる常連のお客様も結構いらっしゃるとか。お店の隅に置かれた椅子に腰かけて、世間話を楽しむ姿が目に浮かびます。
そんな話をしながら、たくさん飾られた賞状にふと目をやると「昭和35年1月設立」の文字を発見!!ざっと計算しても60年以上の老舗。現在、娘さんが東京で修行されているそうで、将来的にはこの豊月堂の味を引き継がれる日が来るかも!?
お嫁に来て28年目になるという村上さん。
「ご主人と夫婦喧嘩をした時だって、お店に立たないといけないって結構大変ですよね。長く続けていくうえで、何か秘訣みたいなのってありますか?」
「そうね。これだけずっと一緒にいるのだから、たとえ喧嘩した日があっても後に残さないことが長く続ける秘訣かしら。」
「本当にザ・昭和って感じの家族構成なの。寡黙なご主人と餅のことに関しては右に出る者はいないって感じの元気なおばあちゃんがいてね。でもね、ご主人も口が達者なおばあちゃんも最後はちゃんと奥さんをたてるの。そこが、きっと豊月堂さんの良いところなんですよ!」
そんなお話を伺っていると、店の奥から元気なおばあちゃんの呼び声が(笑)なんと、御年89歳!!こちらに嫁いで約70年、未だ現役で働いていらっしゃるそうです。
よもぎ大福 1パック 450円(税込)
今の時期はよもぎや桜大福・夏は水羊羹・秋には栗あん大福やおはぎなど、忙しいお正月の鏡餅シーズン以外は季節ならではの和菓子が店頭に並ぶそうです。「この味を、地道に守り続けていくだけ。」そう話す村上さんですが、見た目は決して派手ではありませんが、ごまかしの利かないシンプルなものだからこそ守り続けていくことの難しさを感じました。
そんな昭和チックで懐かしい雰囲気の 和菓子屋 豊月堂製菓。近くを訪れた際には、「お元気ですか?」とふらっと立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
豊月堂製菓
住所 | 熊本市中央区薬園町9-1 |
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定休日 | だいたい日曜日 |
営業時間 | 8:00~19:00 |
電話番号 | 096-343-3840 |
ライター紹介
ogin
なかなか昭和から抜け切れずにいるogin。人の想いや温もりに触れることが好きで、頭の中でひとり情熱〇陸を繰り広げる日々。泣いたり、笑ったりしながら楽しく生きています。
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