熊本地震で被害を受け、4年以上もの間復旧工事が続いたJR 豊肥本線 肥後大津駅~阿蘇駅間の運行が、8月8日に再開します。震災当初は被害状況などが数多く報道されましたが、振り返ってみれば、この4年間、どのように復旧が進んできたのか全く知らないなぁ~と思い、運行再開を前にお話を聞いてみました。
再開直前の豊肥本線で話を聞いてきた
やって着ました。豊肥本線。震災の陰もなく、完璧に復旧が完了しています。
復旧工事を担当したのはJR九州施設部豊肥本線復旧事務所。所長の諸田勝也さんにお話を聞きました。
豊肥本線の運行再開までもう少しですね。これまで大変だったのではないでしょうか。
2016年4月の熊本地震に加え、その後6月に続いた豪雨で、JR九州の鉄道施設でも、990件ほどが被災しました。その中でも特に甚大な被害を受けたのが豊肥本線の肥後大津駅~阿蘇駅間でした。
私達は被災現場を見ていないのですが、報道される様子を見ていると、復旧されるのか不安な思いもありました。
立野~赤水間が最も斜面崩壊の被害が大きかったのですが、実は高低差が190mもある急勾配なんです。
そんな坂道を電車が進むんですね…。素人でも、崩れ落ちたら元に戻すのがとんでもないことだと感じます。
20年1月頃、軌道工事をする様子
だからこそ、震災直後から調査と復旧手法の検討を進めていました。どうにか現行ルートで復旧しようと方針を固めて、翌年2017年に豊肥本線復旧事務所を設立し、運転再開に向けて取り組んできたんです。
それを元に戻しちゃうんですから、凄いですよね。
もちろん、私達のちからだけではなく、国や県の事業とも連携し、協力を得たおかげで効率的に復旧作業が進みました。2019年度には土木設備の復旧工事は概ね完了し、今年度からは軌道・電気設備の復旧工事を進めてきました。
「山間部の工事が課題だった」
今回の復旧工事で特に大変だったことってなんですか?
今回運転が再開する肥後大津~阿蘇間は、阿蘇外輪山にゆっくり向かっていく線路の形をしています。山間部を通っているので、大型の工事用機械が入れず、一気に取り掛かるのが難しかったんです。
えっ。それどやって工事を進めたんですか。
線路の上を走れる特殊な車両で工事
国や県の協力も得て、工事用の通路を作ったり、鉄道の敷地内を通路にしました。あとは立野駅構内の復旧を急いで、軌道上を走行できる車両を駆使するなど、工夫しながら復旧工事を進めてきました。
今後の豊肥本線に期待!!
苦難の連続だったと思いますが、おかげで利便性がぐっと向上しますね。
熊本地震から4年が経過しましたが、地元の方や熊本・阿蘇に訪れる方々に元気を与える豊肥本線に期待してください。
ということで、いよいよ8月8日に完全復活を果たす豊肥本線。ワクワクが止まりませんね!
阿蘇まで行って、うまいもん食べながらお酒が飲める!!とても楽しみです!!
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