熊本の国道57号線、東バイパスを中心に走行する「東バイパスライナー」という路線バスをご存知ですか?
2010年4月1日より産交バス、熊本バス、熊本都市バスの3社で共同運行し、熊本市内西部と東部を結んでいる生活に欠かせない路線です。
その「東バイパスライナー」ですが、路線の中に【下近見】のバス停が三ヶ所あり、連続しているとのこと。
時刻表で調べると【下近見(島団地)】、【下近見(旧道)】、【下近見(東バイパス)】と並んでいるそうなんです。
なぜ《下近見》の名前のバス停が三つもあるのか?一ヶ所に統合しないのか?名前を変更しない理由は?
今回はそんな疑問を解き明かしに行きました。
まずは現地へ確かめに行くことに
色々考えても、現地で実際に見てみないとわからない!
バス停を確認する為、それぞれの下近見へ向かいました。
下近見(島団地)
まずは【下近見(島団地)】に向かいました。
【下近見(島団地)】は、やはり島団地の近くにありました。
しかし、同じ通りに【島団地】という名のバス停もありました。
この2つのバス停は連続しておらず、間に二ヶ所別のバス停を挟んでおります。また謎が深まります。
下近見(旧道)
次に【下近見(旧道)】です。この旧道とは、旧国道3号線のことのようです。
下近見(東バイパス)
最後に【下近見(東バイパス)】です。こちらも名前の通り東バイパスにあるからだと思われます。
それぞれの【下近見】のバス停を巡りましたが、歩くと少し距離があります。
この三ヶ所のバス停を統合するのは難しそうでした。
実際に乗車してみる
ここまで調べると、バス内でのアナウンスに違いはあるのか気になってきました。
それぞれの【下近見】で呼び方に違いなどあるのか、実際にバスに乗車して確かめてみることに。
バス内はコロナ対策もしっかりとされていました。常に換気扇を回して運行しており、車内の空気は3~5分で入れ替わるとのことです。
そしてバス内で待っていると、ついに下近見が近づいてきました。
まずは【下近見(島団地)】です。少し緊張しながら待っていると…「次は、下近見〜」とアナウンスが。
あれ?普通に“下近見”って言ってる。いやいや、でも次の【下近見(旧道)】は、何かイントネーションとか違うんやろ、そうに違いない。
また待っていると「次は、下近見〜」と聞きなれたアナウンスが。あれ?デジャヴ?さっきと全く一緒です。
次の【下近見(東バイパス)】のアナウンスも「次は、下近見〜」と一言一句違わぬアナウンスでした。
【下近見(島団地)】、【下近見(旧道)】、【下近見(東バイパス)】のそれぞれのアナウンスには、何も違いはありません。
他に乗車されていた方も、違和感なく過ごされているように見えました。
バス会社へ聞きに行ってみた
最初にお伝えした通り「東バイパスライナー」は、九州産交バス、熊本バス、熊本都市バスの3社で共同運行されています。
運行会社の一つである九州産交バス株式会社へ【下近見】のバス停が三ヶ所もある理由を尋ねに行きました。
「東バイパスライナー」が運行開始する前、それぞれのバス会社さんでそれぞれ【下近見】というバス停を作っていたんですよ。それを10年前に「東バイパスライナー」の路線として繋げることになったので、同じ名称なのに三ヶ所連続しています。
なるほど。どの【下近見】のバス停も、元々はそれぞれ違う路線の為に作られていたものなんですね。
だから【下近見】が三ヶ所に存在するということでした。「東バイパスライナー」運行開始時に名前の変更等の予定はなかったのですか?
バス停の名称を変更しても、変更したこと自体が分からないままの方が多くなってしまう可能性があったので、変更はしませんでした。
元々のバス停の名前で覚えていらっしゃる方が混乱しないよう、三ヶ所ともそのまま【下近見】の名前で残しています。
確かに、使っていたバス停の名前がある日を境に変更されていたら戸惑ってしまいそうですね。
よくご利用される地元の方だと、特に困惑してしまいそうです。
今のところ、名称変更の予定はありません。当時の名残として残っている、それぞれの【下近見】のバス停のご利用を引き続きお願いします!
それぞれの【下近見】のバス停は、混乱させないように、あえて名前を変更していないということが分かりました。
地域の方々に配慮されたうえでの判断だったんですね。
私は熊本に四半世紀以上住んでいますが、ここまで下近見のことを考え、思い巡らせたのは生まれて初めてです。
初めてご利用される方は少し戸惑いがあるかもしれませんが【下近見(島団地)】、【下近見(旧道)】、【下近見(東バイパス)】を間違えないようにお気をつけください。
東バイパスライナー
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