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熊本の方言の語源を調べてみたら、ちょっと賢くなった気がした(小ネタ)

ライター:肥後ジャーナルライター 肥後ジャーナルライター

「あんパンとあんパンとあんパンばください!」とパン屋さんで頼んでもアンパン3つも渡してこない熊本のパン屋さん最高ばい!と、思っているメアリーです。

普段、何気なく使っている熊本弁。

先日、ふと思ったのが
驚いた時に発声する【たまがった〜‼︎】という言葉…これ何?たまがる?タマガル?たまがあがる?
確かに、驚くとヒュンってなるよね。あ、でも女の人にはないもんなぁ…多分、いや絶対違う。
それとか、働き者とか頑張るの【がまだす】…ガマ…?蛙じゃないよね。頑張る時に突然懐から蛙出しても、しょんなかもんね。
この言葉って、どこから来たんだろう?何の意味があっとだろか?・・・もうこうなったら、知的好奇心の塊のメアリー止まりません。

早速、メアリー書庫より熊本弁に関する本を引っ張り出し調べまくってみました。


「たまがる」の「たま」って?

たまがる・・・(驚く)古語「魂消(たまぎ)る」の転訛。「魂消る」は「魂が消えるくらい非常に驚く」という意味

あとぜき…(閉める)古語で「戸を塞ぐ」。奈良時代から使われている古語の「せく(堰く、塞く)」。もともとは「水を堰きとめる」意味で使われていたが次第に空間を「塞ぐ」意味に。単に「戸を閉める」意味のセクは九州全域で使わているが、アトゼキとなると、熊本限定だそう。

がまだす・・・(精を出す、がんばる)

仏教用語で不動明王が起こった時の「降魔(がま・こうま)」の相を出すまで精を出す

むぞらしか…(可愛い、可哀想)

可哀想が先行。むぞか(無惨)いたましい。かわいそうだ。古語のむざんの転移した
むぞがる(可愛がる、いとしがる)
むぞかしか(無憎)可愛らしい

1つの言葉に2つの反する意味があるなんて・・・

ホイッピャー…(腹いっぱい食った)


ホとは、ホガミはホトカミ(隠部の上、下腹、小腸)ホの上だから、隠部→下腹→腹。
または、菊池俗言に「ホフガミ」ヘソの上とも考えられる。

漢字で分かる熊本弁

だいたいの方言は、口語で伝わっていくもの。でも漢字があったとですよ!漢字がちゃんと存在してるなんて初めて知りました。

むしゃんよか…武者、、、良
→武者ぶりの良さ。格好の良さ。

ふんよか…符、、、良か
→めぐりあわせが良い。符は、神仏の守り札(運)

やおいかん…柔、、行
→生半可なことではない、生易しいことではない

あくしゃうつ…悪性、災、采、打
→手に負えず持て余す。困り果てる。悪性すなわちその人、そのものの本性の悪いところが実現すること。

いっちょく…打、、、置
→放っておく。手を離す。置いてきぼりにする。

づる…出る。
→出る。古語の下二段活用を残すもの。

わさもん…早生者
→新しいもの好き。

まっぽし…真星
→ずばり、そのまま。

言葉は生き物!新語や廃れた単語も

変ない、変なか…(変だ。おかしい。)十代の若者たちが生み出した新方言とのこと(若者といっても参考にしている本の発行自体が30年前・・)

なっせ…(なさい。なさいませ。)尊敬語「なす」の命令形

ばってん…(けれども。だけれども。)「古語ばとて」の転化。逆説の条件を表す。しかしの意を表すこともある。

あほ…(母)母の古語。鹿児島方言にハホという、母を意味する古語があったが今は廃れた。熊本でも多分廃れてる。

注:古語…千年以上も残された言葉や、比較的近年に編み出され継承された言葉

まとめ

こうしてみると、意外に古語や仏教用語が多かったことに驚きです。

そういえば、同じ県なのに、宇土出身のメアリーと植木出身のお友達でも、話している言葉が違うこともありました。

調べた結果、熊本弁には大まかに県内3つまたは4つに分類されるそうです。(北部、東部、南部)

その昔、方言は卑しいものとされ文献などは殆ど残っていません。

言葉は生き物、肥後語も常に動いているという、熊本弁の一人者でもある秋山正次さんの言葉。
そこの生活に密着し、変異していく。よく最近の若者言葉がぁ〜と言われますが本来言葉とはそういうものなのかもしれません。

しかし、興味深い文献が残っております。

『伊勢の宣長塾を訪ねてきた肥後の門人がいた。宣長がこの門人の言葉を聞いていると門人は見ユル、聞コユルなどと、文語式二段活用動詞を使う。宣長は、肥後では誰でもそういう古語(雅語)を使うのかと尋ねると門人は肥後では誰でもそうだと答えた。宣長は、肥後の庶民が古い雅語(文語)を忘れないで使っているとは尊いことだと。一種の感動をもって称賛した』

難し過ぎてよく分かんないけど、多分なんか褒められとっとじゃなかろか?という事は分かりました。

全国的にみても、熊本弁は敬語法が多彩で同じ意味でも状況や場面によって細やかな使い分けがなされており

また、謙譲語を持っている方言は稀であるとのことです。

思いつきで調べてみましたが、なかなか奥が深かった熊本弁。そしてなんか褒められてたし、誇らしい気持ちにもなれました。

アンパン3つ食べながらの調べ物でしたが、いかがでしたでしょうか?

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