熊本県内各地に存在する、巨木の数々。
深い森の奥深くに、ちょっとした木立の中に、そして時にはぽつんと一本だけ立っている、さまざまな巨木を訪ねます。
2021年最初に見たい巨木は、お正月らしい純和風。山都町にある「池尻の唐傘松」です。
「池尻の唐傘松」への行き方
場所は通潤橋を過ぎ、「道の駅 清和文楽村」方面に向かう途中。案内表示を目印に、左折して田んぼの中の細い道に入ります。
写真ブレブレです、すみません。ちなみにGoogleマップの道案内で辿りつけました。
のどかな田園風景の向こうに、見えてきました。池尻集落の小高い丘の上に立つ、一本のアカマツの木。渋かっこいい。
これが「池尻の唐傘松(いけじりのからかさまつ)」です。
巨木から300メートルほど離れた場所に、駐車場があります。
木の周りには広い野原がありますが、車の侵入は禁止されています。駐車場を使いましょう。
また、巨木周辺の道はけっこう細いので、小回りのきく車のほうがいいかもしれません。
丘の上から集落を見下ろす、美しい一本松
よく手入れされた盆栽のような美しさですが、特に人の手を加えることなくこの形になっているのだそう。
地形や風、太陽の当たり方などでこんな独特で美しいフォルムが作られたなんて、自然って本当に不思議です。
樹齢は300年以上。県指定文化財・天然記念物の巨木です。
高さ約8メートル、幹まわり2.9メートル。大きく広がった枝は、東西で幅30メートルに及びます。
今回は肥後ジャーナル編集部イチ長身の山田氏(186センチくらい?)が同行していたので、ちょっと入ってもらいました。
なんとなくサイズ感分かるかな。樹木を保護するための囲いがあるので、その外側に立っています。
背の高い木というよりは、枝ぶりが横に広い。ダイナミックでスケールの大きな巨木、という感じです。
ちなみに松ぼっくりがめちゃくちゃたくさん付いていました。
「唐傘松」という風情ある呼び名は、唐傘を広げたような形状から付けられたのだそう。
(唐傘イメージ画像/写真ACより)
特に太陽のある南側に向かってどんどん左右に枝を伸ばして、ゆるやかに広がっていった、という雰囲気です。
やみくもに上ばかりを目指すのではなく、大地に近いところで伸びやかに、自由に生きるのもいいんじゃないかな。なんて思ったりもします。
唐傘松は高台にあるため、見晴らし良好です。
少しいびつな田んぼが連なる向こうには、美しい山なみ。阿蘇の南外輪山や、九州脊梁の山々までよく見えます。
ここにあるのは、まさに日本の原風景かもしれません。
冬も趣があるけれど、水をはった田んぼが光る季節、稲穂がたわわに実った時期にも来てみたいな、と思いました。
まとめ
山都町の田園風景の中にたたずむ「池尻の唐傘松」。
お正月にぴったりの、純和風テイストのかっこよさが光る巨木です。何だか縁起も良さそう。
松の木が持つ独特のわびさび感、ぜひ味わってみてください。
2021年1月9日までは通潤橋のライトアップがあるので、合わせて訪れるのもおすすめ。
なお、山都町は熊本市内に比べて標高も高く山あいにあたるためか、気温が低く感じられました。どうぞ暖かくしてお出かけください!
*ご紹介する巨木は各自治体で天然記念物や文化財に指定されているもののほか、地元の人たちに長く大切にされてきた木ばかりです。
無理に登る、枝を折るなどの行為で木をいためることのないよう、お願いいたします。
池尻の唐傘松
所在地 | 熊本県上益城郡山都町上川井野 |
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