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小国にカッパがいると聞いて向かったら「ああ仕事ってこんな感じだよね」と思った話

ライター:ムトー ムトー

河童。

それは日本を代表すると言っても過言ではないほどの認知度の高さを誇る妖怪です。

しかし見たことはない。

認知度高いけど見たことはない。

まあ妖怪なんてそんなもんです。

今回、小国町の「カッパ滝」に河童がいるという話を聞いたので早速向かったところ、ものすごく人生観ならぬ仕事感を教えてもらえました。


ナビと看板に翻弄される

目的地は小国町にある「カッパ滝」。ナビに乗ってるし大丈夫でしょうと気軽に向かったのですが…

まさかの道端で「目的地周辺です。運転お疲れ様でした」と、ナビが諦めてしまいます。

そこで小国町役場で聞いたところ「民間の遊水峡さんが運営しているので、そこの駐車場に向かうといいですよ」と教えてもらいました。再度目的地を「湧水峡」へ変更し出発。

すると

左側にこの看板が見えてきます。よし右側に曲がればいいのだな、そう視線を向けたところ

直進したほうが安全…

運転に自信がないのでここは素直に言うことを聞いておきましょう。幅が3.5メートルしかないなら離合するときに手に汗握りますからね。

そこからまっすぐ進むと右側に

この看板が見えてきますので、ここから右折します。

今一度言います。私は車幅が狭い道を避けるためここまできたのです。

さっきより狭くない???

でももうここまで来たので意を決して行くしかありません。ちなみに砂利はすぐ終わり広めのアスファルトの道路が現れたところで思わず安堵。看板信じてよかった。

道なりに進んでいくと建物と大き目の駐車場が見えてきます。建物で受付をし入園料300円を支払います。

「ちなみになんでカッパ滝なんですか?河童がいるとか?」

「滝がね、河童に見えるんですよ」

なんと。

とにかく行けば分かる!でも本当に足元に気を付けてくださいね!と送り出してもらいました。

なかなかのアドベンチャー

カッパ滝までは約700メートル。心地よい風もふき散歩気分で出発しました。

これ夏とかいい遊び場になるんだろーなー。

途中看板が出ているので道に迷う心配はなし。次は階段を下りて下に向かいます。

なるほど、次は左に曲がって進めばいいのですね。

…どうやって??

川の中に入って進めばいいの?でも確実に滑って転ぶねこれ。1人河童の川流れをすればいいとかな??

そう思って周囲を見渡すと

左側に歩道らしきものが!「気を付けてね」って言っていたのはきっとここのことなんでしょう。1歩1歩転ばないよう慎重に歩いていきましょう。

途中、苔があったり

一本橋があったりと、なかなかの冒険心。

考えてみれば大人になってこんな道とおったことなかったな。小さい頃はビャンビャン行ってたのに。いつの間に「楽しい」よりも「安全」を選ぶようになったのだろう。そんなことを考えながら進みました。

700メートルって本当なのか疑いはじめてきた

看板には700メートルって記載されていたので体感としてはそろそろ到着のはず。

まだあるとね!!!

自分から行きたいと願い進んできた道ですが、徐々にイライラし始めました。

700メートルとか絶対嘘やろ、私もう1キロは歩いたけん。

進めど進めど。

ゴールはいまだ見えず、足元は悪くなるばかり。

やっと看板見えてきた!しかし気のせいでしょうか。目的地であるカッパ滝は斜め上と表示されているような。

ンンンンン!!?ここを登れと。そういうことですね。

ここから先も登ったりくだったり

滑ったり踏ん張ったりを繰り返していきます。もう滝を見に来たことなんてすっかりと忘れ、目の前にある課題をこなしていくことで精いっぱい。

足元ばかり見ていて気付きませんでしたが、川の流れが変わってきています。確実に上流に近づいている。

答えがないルートで「どうすればいいのか」と絶望することもありましたが、目をこらしてみれば先人たちが作った道が。

二足歩行で行くよりも、地面に這いつくばっていたほうが助けてくれるものが何なのかよく分かる。自然の根っこありがとう。あなたのおかげで真下にあった川に転落せずに済みました。

そんなことを考え、前を見ると

見えた!!!!

見えたけど

降り方が分からん!!!

ここまで来たのに!しかしツタやら葉っぱやらはある!どうにか滑り台のようにして無事おりましたが

今度は巨大な石に道を阻まれる始末。

自分の身長よりも大きい岩によじ登り

自分自身が近寄れる最大の場所まで到着!!

カッパには見えませんが、もうそんなことより…

この穴なに?

そしてあのロープは何?

やっと1つたどり着いたと思ったら、また高い壁。上には上がいるもんだ。

なんだか仕事のようだ

「あんなに大変な道をまた戻るなんて」と軽く絶望しましたが、意外や意外、帰りはサクッと帰れました。

それもこれもきっと上流の過酷さを知ったからなのでしょうね。最初「え?これ歩道?」と思っていた道も帰り道で見たら最新の設備に見えてくる不思議。

進めど進めどゴールは見えず、足元も決していいとは言えない状態で。やっと上に来たと思ったら想像以上の過酷さ。

これってなんだか仕事感に似ているなとつくづく感じました。

4月も後半すぎて「なんか仕事疲れたな」と思っている方や「仕事とはなんだ」と悩みだしたらぜひ、カッパ滝へ。

河童をみることは叶いませんでしたが、帰りはなんだかすっきりしますよ。

かっぱ滝

住所

熊本県阿蘇郡小国町西里245

ライター紹介

ムトー

ムトー

肥後ジャーナル編集長。 「人はなんで痩せなきゃいけないのかな」という思考にまで達したのでもうきっと痩せません。 気にしません。

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