【菊池郡大津町】拝殿をつぶした巨石そのままに。さまざまなパワーと湧き水が溢れる境内が美しい「瀬田神宮」
公開日: 2025.10.16
ライター:ひらの
菊池郡大津町瀬田にあります、「瀬田神宮」という場所を知っていますか?
景色や湧き水も素晴らしい場所ですが、2016年の熊本地震の際、崖から巨石が崩落して、拝殿がつぶれてしまい、巨石もそのまま残してある事から震災遺構としても知られております。
場所は大津町瀬田

熊本市中心部からだと車でおよそ50分。瀬田竜田線を気持ちよくドライブしていると、橋が見えてきます。熊本市内から来ると、右側には白川が流れており、左手は「上井手」となっております。

到着しました。「瀬田神宮と巨石」という案内があります。駐車場はありませんが、路肩が広いので車を置けるスペースはあります。

上井手は元和4年(1618年)加藤忠広が、加藤清正より引継ぎ水路の開削(かいさく)に着手、その後寛永14年(1637年)細川忠利に引き継がれ19年の歳月を要して開削された。これにより334haの美田が開かれ水車を利用した製材所、精米所などに利用されるなど、大津町、菊陽町の経済発展に寄与しました。
現在でもこの上井手の水は大津町菊陽町382haの水田を潤すと共に、人々の生活の中にも重要なものとなっています。

どうどうと水の流れる迫力のある井手は圧巻でとても気持ちの良い光景です。

こちらの「妙見橋」を渡って神社の中へ入って行きます。

橋の向こうに鳥居が見えます。

どどどどと流れる井手、そしてその上に桜の木があり、春の眺めは素晴らしいとの事。取材時は9月で、平日であったにも関らずぽつぽつと車が停まり、こちらに寄る方が絶えませんでした。

しばらく橋の上でぼーっとしてしまう心地よさ。

この日は彼岸花が咲き、黒アゲハ蝶が飛び回っておりました。もうこの時点で気持ちが良い場所すぎて、心が浄化されます。
境内の中を流れる湧き水

水の音ってなんでこんなにも癒されるのでしょうか。勢いよく流れていた御手水で清めて、

こちらの鳥居から中に入ります。

階段を上がりますが、その横にも清らかな水が流れ、

常に水の音が着いてきます。

元菊池郡南部には古く「合志七水」と呼ばれる水源があったとされ、その一つである「阿蘇大明神が割子(弁当)くを作った」場所、「割子の水」がこの辺りにあったとされています。上井手の畔にひっそりと佇む瀬田妙見神社には今も清水が湧き出ています。
との事。
鳥居と湧き水が美しいコラボレーションは菊池郡大津町矢護川の「初生神社」も素晴らしく、車で20分くらいなので、↓

滞った何かを流してくれる場所~菊池郡大津町 矢護川公園、初生神社~ | 肥後ジャーナル – 熊本の今をお届けするメディアサイト
是非セットで行かれてみてはいかがでしょうか。
熊本地震で落ちてきた巨石そのままに

階段を上がると手前に上井手、道路を挟んで白川が見えます。

瀬田神社は1570年頃に建てられたと伝えられており、古くから地域の憩いの場として、この地にありました。2016年の熊本地震により、北側の崖から巨石が崩落し、神および拝殿が倒壊しました。瀬田地区の住民は、神社全壊の事実に心を痛めながらも再興に向け知恵を出し合い、絆の力で再建を果たしました。巨石は後世に熊本地震の恐ろしさとそれを乗り越えた地域の絆を伝えるため、そのまま残しています。
(案内板より)

震災前の拝殿。

震災直後。巨石が直撃しました。

こちらが新しい拝殿と巨石です。

熊本地震の前震後にはこの巨石は落ちておらず、ここを訪れて片付けなどをしていた方もおられたようで、その後の本震で落ちてきたそうです。もし本震が昼間だったと思うと、本当にぞっとします。

ものすごい大きさと、力強さは地震の大きさ、凄さを忘れないようにそのままにしてあり、震災遺構となり、有名になりました。
ここから落ちてきたとのこと。首が痛くなるほどに見上げる絶壁にパワーのようなものを感じます。
熊本地震により、巨石が落ちてきて拝殿が潰された神社は植木の「菱形八幡宮」も以前取材しており↓

【熊本市北区】植木町にある「菱形八幡宮」の空気感と樹齢700年超えの夫婦杉の存在が圧巻 | 肥後ジャーナル – 熊本の今をお届けするメディアサイト
こちらも巨石がそのまま残してあり、何とも言えないパワーの溢れる場所なので、是非行かれてみてはいかがでしょうか。
どどーーんというものすごい音がしたであろうその岩。あの夜の驚きが蘇ります。
美しい湧き水

こちらが神社横から湧き出る「割子水」。

神社の横の岩の中からざざざざざざと水の音が聞こえており、

流れ出す水はとても美しく、もやもやとした心の霧が晴れていくようです。こじんまりとした神社なので、長い階段や沢山歩かなければという事はないので、思い出した時にふっとよれる心の拠り所となる事でしょう。

澄んだ井手と鳥居と巨石と湧き水。
秋風に吹かれながら、素晴らしいお参りと気分転換が出来、瀬田神宮の再生を見て、地域の方々と力を合わせる心強さを感じました。
皆様の是非春は桜、秋は彼岸花を眺められる「瀬田神宮」へ行かれてみてはいかがでしょうか。
※ゴミ箱などはありません。地域の方が大切にされている場所なので来た時よりも美しくを徹底されてください。
瀬田神宮
| 住所 | 菊池郡大津町瀬田 |
|---|---|
| 駐車場 | なし 路肩における場所があります。 |
ライター紹介
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