熊本県内各地に存在する、巨木の数々。
深い森の奥深くに、ちょっとした木立の中に、そして時にはぽつんと一本だけ立っている、さまざまな巨木を訪ねます。
今回の巨木は、国指定天然記念物「麻生原(あそうばる)のキンモクセイ」です。
麻生原のキンモクセイって?
麻生原のキンモクセイは、甲佐町にある「麻生原居屋敷観音」の敷地内に立つ巨木。お彼岸の頃に2度花を咲かせると言います。
Google マップで「麻生原のキンモクセイ」でそのまま出てきます。
高さは約18メートル、幹まわりは約3メートル。昭和9年に国の天然記念物に指定されました。
キンモクセイ、と呼ばれていますが、正式にはモクセイの一種で「ウスギモクセイ」という木なのだそう。
幹はがっつり支えられているけれど、ちゃんと自立しています。根元もしっかりしていました。
鎌倉時代からこの地にあると言われ、樹齢は800年ほどと考えられています。
観音様のかたわらに立つ巨木
木のそばにあるのは観音様のお堂。
馬頭観音ということなので、この地は古くから人々が行き交う、交通の要所だったのかもしれません。
さらにすぐ隣には「猿田彦大神」と書かれた石碑も立っています。
神様も仏様も共存する空間が、何だかとても自然。手を合わせたくなる雰囲気です。
隣のイチョウ(写真右手)の方ががぜん大きいけれど、キンモクセイは3〜10メートルほどの高さが一般的。この木は倍近くの高さということになります。
日本一の大きさと言われているのだそう。熊本が誇る巨木ですね。
キンモクセイの花咲く季節
ちなみに9月末から10月は、ちょうど1度目の花が咲く頃なのだそうです。
甲佐町のウェブサイトの情報によると、9月28日の段階で8分咲きとのこと。
でも初めて見るので、これが8分先なのかどうかさっぱり見当つかず。もしかして満開に近いのかな。
小さな花が落ちていました。可憐な花びら。
周囲には、ほんのり良い香りが漂っています。すぐ隣のイチョウにもいくつか実がついていたけれど、銀杏の匂いは全然感じませんでした。
まとめ
甲佐町の「麻生原のキンモクセイ」。日本一の大きさを誇る、ウスギモクセイの巨木です。
例年であれば「麻生原キンモクセイ保存会」の方々によるお接待なども行われているのだそうです。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止になっています。
地域の人たちに大切にされているキンモクセイ。また来年以降にも、見に来てみたいなと思います。
*ご紹介する巨木は各自治体で天然記念物や文化財に指定されているもののほか、地元の人たちに長く大切にされてきた木ばかりです。
無理に登る、枝を折るなどの行為で木をいためることのないよう、お願いいたします。
麻生原のキンモクセイ
所在地 | 熊本県上益城郡甲佐町麻生原 |
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