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【熊本プチ歴史散歩4】黒髪・小泉八雲の鼻かけ地蔵

ライター:羽田さえ 羽田さえ
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今回の熊本プチ歴史散歩の舞台は熊本市中央区黒髪。
熊本大学の裏手あたりです。小泉八雲のお気に入りスポットだった「鼻かけ地蔵」と「武蔵の引導石」を見てきました。


小泉八雲が愛した「鼻かけ地蔵」って?

鼻かけ地蔵と呼ばれる仏像は、小峰墓地の中にあります。小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)のお気に入りスポットでもありました。

旧制第五高等学校(現在の熊本大学)で教師をしていた小泉八雲は、散歩がてらよく訪れていたと言われています。

敷地の広い小峰墓地内。案内表示に沿って進みましょう。よそのお墓の敷地に入ったり、騒がしくしたりしないよう注意です。

「石仏」という表示を頼りに進んでいくと、1体の仏像が見えてきました。鼻かけ地蔵です。

本当に鼻がかけています。なぜこのような姿になったのかは分かっていません。鼻だけでなく、何らかの印を結んでいたであろう手もかけているように見えます。

慈悲深いお顔立ちです。鼻がかけていると言っても痛々しさはなく、どこかほのぼのした雰囲気。ほほえんでおられるようにも見えます。

そもそも地蔵じゃないかも説

ところでこの鼻かけ地蔵、本当にお地蔵さま(地蔵菩薩像)なんでしょうか。一般的にお地蔵さまと言えば、頭を丸めて錫杖を手にしたイメージです。

こんな感じですね。

鼻かけ地蔵はちょっと違います。たたずまいから釈迦如来か阿弥陀如来かな、という気もしつつ詳しくは分かりません。
小峰墓地内の案内表示にも「石仏」とだけ書かれており、この像がお地蔵さまであるという確証はないのでしょう。

学術的な定義はむずかしくても、緑豊かな墓地の一角で、やさしいお顔で静かに座っておられます。のどかで親しみやすい雰囲気は「鼻かけ地蔵」と呼んでも良いのかもしれないな、と思います。

「武蔵の引導石」にも立ち寄れます

鼻かけ地蔵のすぐ近くにあるのが、宮本武蔵の葬儀が行われる前に棺を置いたとされる「武蔵の引導石」。

熊本大学の隣の道を小峰墓地方面へ向かって上っていくと、道路の左手にあります。平たい石、山のような形の石などがいくつも並んでいます。

一人では抱えられないくらいの大きな石ばかりです。棺を置いたというのは、どの石なのでしょうか。

棺を置いて泰勝寺の和尚が引導を渡したところ、にわかに雷鳴が鳴り響いたという伝説があるのだそうです。

ちなみに「引導を渡す」とは、死者が成仏できるように僧侶が教語を授けて、彼岸に導くこと。仏教にまつわる言葉です。
最後通告をすることを「引導を渡す」と言うのは、そこから転じた表現なんですね。
ひとつ勉強になりました。

鼻かけ地蔵(小峰墓地の石仏)

所在地

熊本市中央区黒髪4丁目8−27

ライター紹介

羽田さえ

羽田さえ

県外出身、1970年代生まれのライター。専門分野は旅行関係。巨木、仏像、おいしいもの、レトロなもの、じわじわくるB級系などが好きです。うっかり熊本市から北海道に引っ越しましたが引き続きよろしくお願いいたします。

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