みなさん、肥後ずいきをご存知でしょうか。
ハスイモという種類の芋の茎を乾燥させた保存食で、江戸時代、参勤交代の折に細川家が徳川将軍家への献上する品の一つとしていたことで有名です。
きれいに編まれたその形はまさに工芸品。ですが、もともとは保存食ということで、実際に食べてみました。
熊本で唯一 肥後ずいきを生産・販売している「ひごや」
みなさん、こんにちは。肥後ジャーナルの山田です。
今回は、熊本の伝統の品肥後ずいきを食べてみたいと、菊陽町にある「ひごや」さんにお邪魔しています。
「ひごや」では、肥後ずいきを始めとした特産品を生産し、通信販売で全国へ販売しています。
実は、肥後ずいきを生産している職人さんは、現在、ここだけなんだとか。
職人が減少していくなかで、このままでは歴史ある特産品がなくなってしまうと、既存の肥後ずいきをもとに編み方を研究し、復活させたそうです。
こちらが、肥後ずいきを生産しているひごやの店主・蓑田さん。
肥後ずいきが食べたいというと、快く受け入れてくれました。
ということで、まず出してもらったのがこちら。肥後ずいきの原料となる乾燥させたハスイモの茎。
このハスイモも全然、市場に出回っておらず、栽培している農家さんを探しだし、編みやすい硬さに乾燥させるよう自分で研究したそう。
このハスイモをひとつひとつ、丁寧に編んでいきます。
めっちゃ手際いいです。このようにひとつひとつ手作業で編み上げ出来上がったのが…
こちらのリング状の肥後ずいきです。
このように、棒状の肥後ずいきとセットで販売されることが多いそう。
なんだがしめ縄みたいですよね。保存食として献上された品ですが、ご存知のように徳川将軍家は保存食が必要な状況に陥ったことがなく、あまり食べられなかったのでは無いかなぁと思います。
しかし、なぜか大奥で人気だったそうですが、それの話はおいておきましょう。
ということで実食してみた
編んだものは非常に食べにくそうだったので、編む前の茎をいただきました。
触った感じ、乾燥しているのにムニムニとした柔らかい完食。
勢いよく…ガブッ!!
オエッッっ…ゲロマズ…
なんだこれ。エグい。エグまずい…。こんなの将軍様に献上したらアカン…。
蓑田さんいわく、そのまま食べるとアクが強いので、水に浸してから食べるといいそうです。お味噌汁に入れると美味しそうな。
前、テレビの企画でロンブーの淳が炒めて食べてたそうです。
ということで、みなさん、肥後ずいきを食べるときは、一度水に戻しましょう。
今回は、こちらのリング状の肥後ずいきと、材料の茎をもらったので
自宅で、味噌汁にしてみました。特製の「肥後ずいき具だくさんみそ汁」です。
水を吸って膨らんだのですが、かなりシャキシャキした歯ごたえでした。味もめちゃくちゃ食べやすい!!
伝統や文化を残すために
江戸時代から続く肥後ずいきを今に残す「ひごや」の蓑田さん。他にもマムシ酒などの昔は当たり前のように家庭にあったけど、今はなくなっているものをしっかり残そうと生産されています。
実は肥後ずいきも研究がうまく行かず、一度は生産者がゼロになったのをなんとか復活させたそうです。熊本の歴史ある品だから、なんとか残していきたいという思いで必死に作り続けています。後継者として娘さんも肥後ずいきを作れるそうで、しっかりと後の世代に残していけそうです。
歴史ある熊本の特産品・肥後ずいき。名前は知っていても実物を見たことない人も多いのでは無いでしょうか。
そのまま食べるとエグい味わいですが、味噌汁にすると美味しいですよ!!
記事シェア