毎年言っている気もしますが本当にあっという間に年末ですね。(※取材は12月に行っています)
12月の熊本の風物詩といえば
田崎市場の熱気!!
2022年も残念ながら田崎市場感謝祭は見送りになったのですが、通常のセリは連日行われています。
そしてセリと言えばこれ。
なんて言っているのかよく分からないこのセリフと、入札札。
かっこよき。
これに痺れる憧れるゥ!ってやつですが、自分が働くとなると最大のネックとなるのが朝出勤が早すぎる問題。
ただポジティブに考えれば、その分勤務終了時間も早いはずなんですよね。
早い時間に仕事終わってそのあと何するのかは個人の自由。下手したら9時~18時まで勤務の方よりもいいことがあるのかもしれません。
そこで
「あたの社員さん輝いてるね!」でお馴染み、熊本県ブライト企業の中から
青果の卸、物流を行っている株式会社カネイチ(熊本市西区)に、「ねえ仕事終わってなんしよると?あと競り見たい」って聞いたところ
「それなら密着してみます?」とのお誘いが。行くしかないでしょこれ。
今日は田崎で6時
ということで、おはようございます。ただ今の時刻AM6時。
まずは「生で競りが見たい」というワガママな願いをかなえるため、田崎市場にいるという次第です。
さて田崎市場内は師走ということもあり…
熱気が
ムンムン。
一見、競馬場にも見えますが皆さん真剣にその日に仕入れられた商品見てます。
目が勝負師のそれ。
「これは何をしているんですか?」
「このブースは県外からの商品を競る場所ですね」
今回、市場内を案内してくれる株式会カネイチの笹原さん。
なるほど確かに県外の商品。
これね実際は秒でビャンビャン話が決まっていくんですよ。
どんどんと箱が積まれて運ばれていきます。
県内の商品はまた別ブース。競りが始まる前にどんな商品なのかをチェックできるんだとか。
「何がいいとか正直分からなくないですか」
「さすがに何年もしよると分かるようにはなりますね。最初はもう全然だったんですけど。あと我々はお客様の希望に沿って買い付けせなんけんですね」
ある程度形が揃っているものを重視するところもあれば、形よりも値段を重視するところも。
「だけん高けりゃいい、安けりゃいいってもんでもないです」
「そうなんですね、あとずっと思ってたんですが、競るときに誰も指で合図してないんですね」
「あーしてないですね。熊本ではみんな手にちっちゃな黒板みたいなの持ってるでしょ。あれセリボンって言うんですがあれに書くんですよ」
確かに皆、書いては消し書いては消しやってました。
8時朝ごはん
競りが終われば仕入れた商品の梱包や仕分け、物流などのお仕事が待っています。
なので同じ会社でも何の担当かで出勤時間も変わってくるんですって。
「確かに全員一緒に集まる必要はないですもんね、物流の人とかはスーパー等が空いている時間でないと早く来ても仕方ない」
そんなことを考えてみていたら、次は朝ごはんの時間。
株式会社カネイチでは福利厚生の1つとして朝ごはんが提供されるんですが、仕入れた野菜などで廃棄分を使ってるんですって。SDGsってやつですね。
しかも食堂で、出来立てですよ。
無料でこのクオリティ。朝から出来立てハンバーグ!最高かよ。
「ご飯おかわり自由だけん、どんどん食べなんよー!」の声に触発され
もぐもぐ食べました。これね本当に忖度なく美味しかった!これが毎日って羨ましいなあ。
9時袋詰め
続いてやってきたのは袋詰めの作業現場。
このようにゴロゴロある玉ねぎを
懸命に詰めて
詰めて
ガッシャンガッシャンして出来上がります。
なんかこの完成形が当たり前だったから何も思わなかったんですけど、よーと考えたらこれを詰めてくれている人たちがいるんですよ。
その後も
きゅうりや
泥が着いた蓮根など袋詰めされていきます。
多くの方が、カネイチがここに移動してきてからずっといるベテラン勢。
袋詰め作業って黙々とやるイメージだったんですが、カネイチでは細かに声をかけあって和気あいあいとした雰囲気でした。こんな明るいところで詰められる野菜ですもん。
元気で美味しいはずだわ!
10時物流
次は1階に降りて物流にお邪魔しました。
色んな取引先があるので間違いないように細かくチェックし
どんどんトラックに運ばれます。これがお店に届いて我々消費者が購入するという仕組みですね。
野菜1つとっても生産者はじめ様々な方の想いが詰まっている商品。
傷つくことがないように迅速に丁寧に運ばれていきました。
で、14時に終わって何してる?
各部署によって行っている内容は異なりますが大まかに見せてもらった卸の世界。
ここから事務作業や打ち合わせ、明日の出荷の確認等行い14時に終了なんだとか。
株式会社カネイチ 松田さん
「非常に勉強になりました!それで本題なんですが14時に終わって何してるんですか」
「自分はもっぱら家のこととか、夕方になったら保育園迎えとかですね」
松田さんはなんと4児のパパ。4人目の時には男性社員で初めて育休をとったんですって。
「前は飲食店で働いていたんですよ。忙しくてなかなか家族と触れ合う時間もなかったなーと今になれば思います。なので、カネイチに転職して特に嫁は喜んでますね」
「当たり前ですが朝が早いですよね。そこはきつくないんですか?」
「慣れっす。そこで結構くじけるヤツもいるんですけど、自分は結構すぐ慣れましたね。14時に終わってそこから遊びに行く人も多いですよ」
ちなみに他の方にアンケートをとったところ
・打ちっぱなし行ってる
・釣り
・買いもの
などなど、それぞれの時間を満喫してました。
「行きも帰りも渋滞ないし、買い物は人は少なくて快適だしそんなに悪いことばっかでもないですよ。しかもうち有休は絶対に休ませられますからね」
「こっちが忘れれても会社から「有給あるけん休め」って言ってもらえるんですよね」
若手であればあるほど言い出せないものですが、そうやって気にかけてくれるのっていい環境ですよね。
まずは社員が健康的に安心して働ける環境づくりを重視されているのが伝わってきました。
動画もありますのでぜひご覧ください!
食卓=命を支える仕事
ある程度年齢を重ねると結構どうでもいいことですが、まだ友達と遊ぶのが楽しい年齢だと
出勤時間や退勤時間って重要な問題になりますよね。
それでも密着して分かったのが
「当たり前を支えてくれている人たちがいるから、当たり前の生活が送れるんだ」ということ。
熊本は農業王国として常に新鮮な野菜を入手することができます。でもそれって自動的に勝手に店頭に並んでいるわけではありません。
懸命に育てた生産者の想いを組みながら買い付けをし、安全に物流に乗せる。そのような方々がいるからこそなんです。
「我々の食卓=命」を支える仕事だ!
とプライドをもって仕事をしている姿勢はやっぱりシンプルにかっこいいですし
企業としても、働いてくれている社員に対し「安全に快適に」と大事に思っているのが十分に伝わってきました。
だからこそブライト企業なんでしょうし、そのあたりが伝わるからこそ安心してスーパーも買い付けを任せられるんだなと感じました。きっと全てが繋がっているんでしょうね。
当たり前が過ぎて知ったつもりになっていた青果卸の世界。
その「当たり前」を支える大事なお仕事なんだなと再認識しました。
ご協力いただいた株式会社カネイチ様、本当にありがとうございました!今後スーパーで見かけるたびに「ありがとう」って野菜に囁きますね!
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