県外出身者として、熊本のここがすごいと思うことっていろいろあるのですが
「人口50万人を超える都市で、100%地下水だけで水道水をまかなっているのは世界中で熊本市だけ」
はそのひとつ。まさに水の都なのです。
そして、ふと街を歩けばあちこちにあるのが「水」のつく地名。水にまつわる地名、なかなか多いと思います。
熊本市内でちょっと目に付く水地名、集めてみました。
水道町
まずは熊本市中央区の「水道町(すいどうちょう)」。加藤清正の時代に整備された地域で、古くは「水道丁」とも書かれていたのだそう。
白川の水を引いた水路があったことに由来します。そのまんまですね。
江戸時代から続く由緒ある町名で、今も街の中心エリア。
熊本市電の電停や交差点の名前にもなっています。
水前寺の周辺
続いては同じく中央区、水前寺エリア。
水前寺(すいぜんじ)
現在は「水前寺」という名前のお寺はないけれど、江戸時代・細川忠利の頃には実際に水前寺というお寺が存在したと言われています。
お寺のそばに豊富な湧水があったことから、「水前寺」という名前だったのだそう。
今でも水前寺成趣園の中の池では、きれいな水がゴイゴイ湧いていますよね。
出水(いずみ)
水が出ると書いて「出水」、これもそのままです。
江戸時代から村の名前として存在した地名で、湧水があったことから名付けられたと言われています。
地名はもちろん、「出水小学校」もあります。
江津湖の周辺
東区にも水にまつわる地名はいろいろあります。
水源(すいげん)
下江津湖の北側あたりが「水源」。文字通り豊富な地下水が湧き出す場所であることから名付けられたもの。
地名としては昭和31年からということなので、比較的新しい命名ですね。
「ブラタモリ」などでも自噴する井戸として取り上げられた健軍水源地があります。
神水(くわみず)
上江津湖の北、東あたり。
「くわみず」は古語できれいな水、という意味なのだそう。
そして後の時代になってから、くわみずを神聖な水であるとして漢字で「神水」と書くようになったと考えられています。
まとめ
熊本市内をちょっと見回しただけでも次々に見つかる、水にまつわる地名。江津湖のあたりに特に多い印象です。
もちろん地名だけでなく、少し江津湖の周りを歩いただけでも、あちこちで水が湧いてるのを見かけます。
ちなみに湧水の近くにあった「ここで犬などの動物を洗わないでください」っていうお願い看板が個人的には好きでした。
地元の人ほどピンと来ないかもしれないけれど、熊本は世界に誇る水の都。
阿蘇の伏流水が美しい地下水となって湧き出し、水道水として70万人超の生活を支えています。
そして街には、水にゆかりのある地名が点在しています。八景水谷とかもそうですね。
熊本の美しい水と伝統的な地名、どちらも大切にしたいものです。
江津湖から帰る道すがら、熊本市動植物園のマサイキリンを見ながら、そんなことを思いました!
参考文献:『角川日本地名大辞典43 熊本県』
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