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くまモンもやしのあの会社に潜入!もやしのおかげで生きてこれたので製造元の「熊本製萠」に行ってもやしトークしてきた

ライター:山田 山田

庶民の味方「もやし」。安いし美味いし用途も多い。家計の救世主です。どれだけ野菜の価格が高騰しようといつだって私達に寄り添ってくれる存在です。ということで、くまモンのイラストのついた”くまモンもやし”を生産している西区春日にある「熊本製萠(くまもとせいほう)」で、もやしの生産や、保存法、美味しい食べ方を聞いてきました!


もやし大好きだけどもやしっ子じゃない

こんにちは、もやし大好き肥後ジャーナルの山田です。でも、もやしっ子ではありません。

一人暮らしを始めた学生時代から10年以上、お金が無いときには幾度となくもやしに救われてきました。なんなら今も救われています。NO MOYASHINO LIFE.もやしのない人生なんてありえません。

体はもやしでできている。そう言っても過言では無いでしょう。

ということで、やってきたのは「熊本製萠(くまもとせいほう)」。西区春日でもやしを生産している会社です。

作っているのはスーパーにもよく並んでいる、こちらのくまモンが載ってるパッケージのもやしです。

私も頻繁に購入しています。

今回、話を聞いたのは熊本製萠の鳥井文博社長。

これだけもやしに生かされてきたというのに、もやしのことをあまり知らないことに気づいたので、いろいろとお話を聞きたいと思っています。

なぜもやしは安いのか

突然ですが、いつも私達の家計を支えてくださってありがとうございます。私、もやしがなければ飢えて死んでいたと思います。いわば、命の恩人です。今でももやしがないと食生活がヤバいと思います。本当にありがとうございます。

そう言ってもらえると嬉しいです!こちらこそありがとうございます。

助かっているのですが、いくらなんでももやしって安すぎませんか?200gで30円前後ってめちゃくちゃ安い。生産者としては、大丈夫なんでしょうか。

正直、あまり大丈夫ではありませんね(笑)。コストも上がっているので、少しずつ値上がりはしているのですが、今の時代、50円以下で、それも30円前後で食べられる野菜ってもやしとカイワレくらいしかないじゃないですか。だからこそ、安くもやしを食べて貰えるように、というのが生産者として目指すところだと思っています。

なにそれめっちゃ嬉しいです。コストというのはやっぱり、元になる緑豆の価格ですか?

緑豆はここ50年くらいで3倍くらいになっていますね…。それに加え人件費も上がっています。それでもできるだけ価格を上げないように、というのが企業努力ですね。

企業努力というと?

生産設備を整えて、効率よく生産できるようにすることで、生産コストを抑えています。少ない人数でたくさん作れたら、それだけ価格を抑えれますからね。

生産設備。なんか、もやしって豆をぽちゃーんって水につけてたら生えてくるイメージです。「工場見てみます?」というお言葉に甘え行ってみることに。

暗い部屋で育てられるもやし達

では、こちらにどうぞ!

これがもやしの元となる緑豆です。

緑豆って、初めてみました。なんか緑色の小豆みたいですね。

日本ではあまり流通していませんからね。これを別室で水に浸して発芽させています。そちらも見てみましょう。

真っ暗で見えません。もやしは暗いところで育てるので、こういうのももやしっ子って言われる所以みたいですよ。

一瞬、ライトで照らしてもらえることに。

なんかちょびっともやし色の何かが見えますが、これが1日目で、発芽したて。

気温にもよりますが、だいたい1週間前後で出荷できるのだとか。

なんかムキュッとしらすみたいなの映えてきてます。これが育つとあのもやしに。

こっちが5日目くらいのもの。

もうほとんど知ってるいつものもやし様ですね。

うちのもやしは細いんですよ。今では太もやしが主流ですけど、昔は全部これでした。太いものは水太りさせているので、大きくてパキパキしていますし、生産者としても利益率が高いのですが、細いもやしはその分味が濃くて緑豆本来の味がしっかりしていますし、火もすぐに通るので調理時間も短くて済むんですよ。

言われてみれば確かに細い!!!

ちょっとまってもやし何袋売れば回収できるの

育ったもやしは、ラインに載せて、洗浄、カット、軽量、袋詰していきます。これが先程話していた効率化のための設備投資ですね。

すげぇ。大量のもやしが機械でどんどん運ばれてる。もっと手作業でやってるのかと思っていました。でも、この装置めちゃくちゃ高いのでは?

……1台で家が建つくらいの金額しますね。

わぁ…それを回収するのって一体もやし何袋売らなきゃいけないんでしょう。

考えたくなくなる量ですね…。ですが、長い目で見たらこっちの方が低コストなので、もやしの価格を抑えるためには必要な投資なんです。薄利だからこそ、たくさん作ってるんです。店頭価格はお店次第なんですよね。実際、集客のために原価割れで販売されているお店もあります。卸価格でも、関東とかだとそれこそ1桁なんてところもあります。九州ではまだそこまで価格は崩れていませんし、うちも適正価格だと思っています。

洗ってるところみて思ったんですけど、もやしって使う時に洗う派、洗わない派いると思うんですけど、やっぱり洗った方が良いんでしょうか。

ご覧の通り、袋詰する前に洗っているので、基本的には洗わなくて大丈夫ですよ。私も袋からそのままフライパンや鍋にドバっと入れて使っています。

私も洗わない派です。なぜなら面倒くさいから。

もう一つ質問です。私、もやしが安いとたくさん買っちゃて、気づいたら冷蔵庫の中でネチャネチャになって何度も悲しい思いをしているんですけど、長持ちさせる方法ないでしょうか?

一番簡単なのは、冷蔵庫の野菜室ではなく、通常の冷蔵室に入れることでしょうか。野菜なので、ついつい野菜室に入れがちですが、温度の低い冷蔵室に入れるだけで1日~2日は違いますよ。

10年前に知っていれば救えたもやしがいたかもしれません。

たかがもやし、されどもやし

最近、長雨の影響で野菜の価格が高騰していて貴族しか買えないような値段のものもありますが、それでも我々庶民に寄り添ってくれているもやし。それでいて、栄養価も高く生活を支えてくれています。

しかし、こんなに安く手に入るのも生産者の努力があってこそ。感謝しながら、食べましょう。

私ももやしがなければ飢えて死んでいた可能性も否定できません。これからの人生もきっと、もやしと共に生きていくと思います。

みなさんも、ぜひくまモンパッケージのもやしを見つけたら、手にとって見てくださいね!

ライター紹介

山田

山田

肥後ジャーナル編集部の大きい人。前職は地域経済誌記者やマーケティングのディレクター。将来の夢はヒモになること。 特技は誤字脱字。朝起きるのが苦手です。

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