秋です。紅葉の季節がもうすぐそこ。きっと山の中で見る紅葉は綺麗でしょう。ところで、熊本で一番標高の高い場所ってどこだかご存知ですか?調べてみたら八代市から宮崎県にまたがる国見岳が一番標高が高いんですって。
熊本県側の登山道は五家荘にあり、そもそも「登山口にたどり着くほうが登るより困難」と囁かれるほどの山です。
そんな言われるなら行くしか無い!最高の紅葉を見ようと、熊本で一番高いところを目指しました。
熊本で一番高いところへいきたい
熊本で一番高いところって、これまでずっと阿蘇山(標高1,592m、高岳)だと思っていたんですけど、実は八代市泉町五家荘から、宮崎県椎葉村にまたがる国見岳(標高1,739m)が一番高いそうです。
正直、知りませんでした。国見岳。
どうやら、登山口が相当山奥にある秘境らしく、「登山口にたどり着くほうが登るより困難」との噂もありました。
熊本県側からは八代市泉町樅木にある「樅木(もみぎ)登山口」から登れます。
問い合わせてみると「登山道に向かう途中、土砂崩れで車両が通れませんが、手前で駐車して1.5kmほど歩くと登山口につきますよ」とのこと。確かに過酷そう…ということで、早速行ってきました。
美里町経由で五家荘に向かいました。行きは佐俣から向かうルート、帰りは砥用と繋がるルートで行きたいと思います!
佐俣から日本一の石段がある釈迦院に向かい八代方面に進みます。
しばらく、山間の道を走り続けると、
五家荘方面への案内板が出ています。この建物も凄い。
もうこの時点でだいぶ山の中です。
交通規制や通行止に注意
ちなみに、この先、10月末まで工事中で、迂回が必要でした。
その先の道路も、崩落していて全面通行止めだそうです。ぐるぐると迂回して五家荘を目指します。この時点で自分がどこにいるのかよく分かりません。
ひたすら、林道を進みます。私は相も変わらず原付で来たので、20kmくらいしかスピードがでません。
だいぶ進んだつもりでしたが「樅木 31km」の看板を見つけました。もしかして、この山道をあと31kmも進まなきゃ行けないんでしょうか。
ちなみにこの先、トンネルのように見えますが、生い茂っているだけです。
まだ木々は色づいていませんでしたが、すすきが咲き誇っている秋色の道を通りました。
ずっと登り坂が続きますが、これだけ登って高い場所に行くと、実際歩いて登る距離が短くなって楽に山頂に行けるだろう!とポジティブシンキング。
途中で分かれ道がありますが、しっかり案内板が出ているので樅木方面に向かいます。
秘境・五家荘に到着
しばらく走り、やっと五家荘に入りました。標高が高いからか、色づき始めています。
ここから、国道445号を人吉・五木方面に進みます。
ちなみに、五家荘は平家の落人が流れ着いたという伝説が残る秘境です。改めて取材したいですね。
国道445号を樅木地区に向かって進むと、ひたすら下り坂が続きました。これまで登ってきたのは何だったのかと思うほどです。
すると、またもや全面通行止の看板。期間は2日間だけで、予告が出ていただけでしたが、それに気づかずまんまと迂回してしまいました。
年季の入った案内板ですが、県道159号を経由し樅木地区へ進みます。「樅木吊橋」まであと10kmだそうです。
またひたすら登り坂です。小さな落石なんかもあります。正直、すでに「このあと山を登るの?無理」って感じで疲弊しています。
途中、謎のお店でマップをゲット!
しばらくすると「森林の停車場ごかんしょ」というお店が見えます。残念ながら、休業日でしたが(営業してるのかな…)、数時間ぶりに自動販売機を発見しました。
ここで何より嬉しかったのが「令和2年度の紅葉シーズンのロードマップ」。そして「お疲れさまです。お気をつけて!!」の文字。
最新のものが設置してあるということは、私はまた休業日を引き当てたみたいです。いつものことです。
で、こちらが手に入れたロードマップなのですが。
薄々気づいていましたが驚くべき通行止めや交通規制。
これ、ちょっと道や時間を間違うと五家荘に入ることも出ることもできなさそうです。
まっすぐ行けても結構な秘境で大変ですけど。
私の目指す「樅木登山口」はこの「ここから先災害により車両通行不可」の先のようです。
ここまで一度も「登山口」の看板を見てないのでめっちゃ不安になっています。
樅木に入ると、景色も一変して、
小学校があったり、
すごくレトロな山荘があったり、
吊橋があったりします。これ、紅葉の時期は最高に綺麗でしょうね。
登山口にもだいぶ近づいたはずです。
登山口まであとわずか
この橋の手前の小道に入り、
坂道をのぼり、
その先に見える坂道をのぼると
坂道があります。ここを登りきったら、
ここに来て初めて、「国見岳登山口」の案内が!!良かった存在した!!他にも烏帽子岳登山口と、行き止まりがあるそうです。
この先は道路の片側が崩落していたり、落石があったりとさらに険しくなります。
ガードレールなどはなく、落ちたら下がどこまで続いてるのか見えないくらいの斜面でしたので気をつけて進みましょう。
道が合っているのか不安になっていると、めちゃくちゃ神秘的な滝がありました。
登山口まで、あと4km。約1.5kmで崩落していて車が通れなくなるとのことでしたので、あと2.5kmほどで徒歩に切り替わるはずです。
ここで、通行止めです。では、原付を駐めて徒歩で先に…。
先に…
……。
無理!!!!
国見岳の登山口にはたどり着けない
国見岳の登山口の道は完全に崩落していてそもそもスタート地点にさえたどり着けませんでした。
道を間違えたのかと思い、一旦集落へ戻り地元の方々にも聞き込みをしましたが、
崩落した写真をみて「登山家さんは、みんなここを通って登りに行ってるよ」とのことでした。
令和2年7月豪雨で崩落し、その後地域のみなさんの手で歩いて行ける程度には整地したらしいですが、やはり雨が降る度に少しずつ崩れているそう。
近くの宿の方に聞くと「一昨日も泊まられた方がそこから進んで登ってこられてましたよ」と衝撃の事実。
熟練の登山家になると、崩れた山肌を進むことはザラにあるそうなので、特に気にせず進んでいくそうですが私みたいな一般人にはまず無理です。
特に規制はされていませんが、安全第一・自己責任で経験の無い方は控えたほうがいいルートです。正直、たどり着くまでに疲れ果てていたので、内心ホッとしました。
それを抜きにしても、色づき始めた五家荘は紅葉が最高に綺麗なスポット。
国見岳は宮崎県側から登るしかなさそう(こっちもたどり着くの大変な上に、樅木ルートより登頂に時間がかかるそうです)ですが、
11月中旬にかけて五家荘でのんびり紅葉を楽しめますよ!
一人で山道を走るのは大変でしたが、途中で鹿やうり坊、小さくて黒い生き物などが出てきてとてもにぎやかな道中でした。
なお、地元の方曰く、私はかなり遠回りして変な道を通っていたそうなので、この記事を参考にする際はご注意ください!
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