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大切な赤ちゃんとさよならした人も、どうか一人で悲しまないで…!「みんなの和」

ライター:ちえ ちえ

突然ですが、皆様は大切な人を亡くされた経験ってありますか?

身近な家族や親戚であったり、お友達であったり、仲間であったり…

周りの人を亡くして辛く悲しい思いをした経験は、誰しも多かれ少なかれあるのではないかと思います。

それが、これから出会って、毎日幸せに一緒に暮らすはずだった待望の赤ちゃんともなると、悲しさもひとしおですよね…。

ご自身も赤ちゃんとお別れした経験をお持ちで、深い悲しみをいだく人たちが寄り添い、支え合う場づくりを行い、その悲しみのケアや、社会に対する啓発活動を行い続ける澤野典子さんに、お話を伺ってきました。


当事者だから理解できる!みんなで語るお話会

今回お話をお伺いしたのは、合志市にお住まいの澤野典子さん。

まぶしい笑顔が素敵な、優しくやわらかく、かつ芯のある素敵な女性です。

出産してすぐ、赤ちゃんを亡くされた経験から、熊本グリーフピアサポートグループ「みんなの和」という自助グループを立ち上げ、活動を続けてこられました。

具体的にどんな方針や内容で活動をされているのか、伺ってみました。

ピアというのは、「仲間、同じ経験をした人」という意味。

誰かがなにかを教えたり、アドバイスしたりするのではなく、参加者はみんな対等の立場。同じ経験をした人同士が寄り添い、経験や気持ちを分かち合う場所として、活動をされているそうです。

お話会の基本姿勢は、「言いっぱなし、聞きっぱなし」。

みんなが言いたいことを言い、聞いても聞きっぱなしで、それぞれが思いのまま、自由に語り合うことを大切にされています。

「一人じゃないよ」「どんな気持ちだって全部正解だよ」と、すべてを認め、お互いに受けとめる…そんな場所があるだけで、本当に救われる方がたくさんいらっしゃるかと思います。

澤野さんは赤ちゃんを亡くされた経験後、ふとしたきっかけで参加されたスーパーフラワーのワークショップで癒された経験から、スーパーフラワーの認定講師の資格をとられ、さらにグリーフ専門士の資格も取得されました。

みんなでスーパーフラワーや小さなくつ、小さなお洋服を作る活動などもされており、悲しみが少しでも癒されたり、生きる希望や楽しみを見いだせるようなイベントも開催されています。

深い喪失感と悲しみを受け入れて…

澤野さんはご結婚後、不妊治療をされ、待望の赤ちゃんを妊娠されましたが、妊娠中に赤ちゃんに障がいがあることがわかり、長く生きられないかもしれない可能性を医師から告げられます。それでも待望の赤ちゃんをお腹の中で大切に育んでこられ、2021年7月、小さなかわいい赤ちゃんを出産されましたが、そのわずか約1時間半後、生まれたばかりの赤ちゃんは、空へと旅立つことに…。

その時の気持ちは、想像を絶するほど絶望的で、とても受け入れられないぐらいの壮絶な痛みを伴うものだったと思います。

「なんで私だけ?」

「なんでみんな生きてるのかわからない」

そんな気持ちにもなられたそうで、大切な赤ちゃんの死を受け入れ、気持ちを少しずつ整理していくには、長い時間もかかったかと思います。

それでも、スーパーフラワーを作ったり、旦那さまを始め、周りの人に支えてもらいながら、少しずつ気持ちを整えられ、流産・死産を経験したママたちを支える活動を始められるようになりました。

ピンク&ブルーリボンの啓発活動も

深い悲しみと喪失感を経験された澤野さんですが、その後、本当に精力的に活動してこられました。
産後ケアについても、「生きている赤ちゃんだけではなく、流産や死産、新生児死を経験したママも、産後ママの対象に含めるべきだ」と合志市にかけあい、行政も少しずつ動いてくれることに…

医療現場のあり方についても、「病院によっては、亡くなった赤ちゃんを命として扱っていなかったり、赤ちゃんと会わせてもらえなかったりと、それぞれ対応が異なるんです。それを責めるわけではないけれど、医療現場の人たちの対応についても、一緒に考えていきたいです」

と想いを語る澤野さん。

流産・死産・新生児死等で赤ちゃんを亡くしたご家族への心のケアや支援の必要性を考えてもらう、国際的シンボルマークである「ピンク&ブルーリボン」についても、啓発活動を行ってこられました。

みんなに応援や寄付を依頼し、昨年10月、チャリティーでサクラマチをピンク&ブルーにライトアップさせる取り組みも実現させました!

想いを寄せてくださった人たちや、大きなスーパーフラワーと一緒に笑顔で記念撮影も…。

澤野さんが抱いているテディ・ベアは、誕生して間もなく亡くなった蒼空(そら)くんと同じ身長・体重のベアです。

今はお空にいる蒼空(そら)くんも、ママの頑張りを嬉しく、誇らしく思っているに違いありません。

今年の3月には、中央区の香福寺でマルシェを行ったりと、少しずつ社会に対する活動も広げてこられており、優しくあたたかい輪が広がっています。

そんな澤野さんは、現在お二人目の赤ちゃんを妊娠中で、今年8月にご出産予定です。蒼空(そら)くんと予定日が4日しか変わらないという、かわいい赤ちゃんに会える日を、とても楽しみにされています!

お腹の中の赤ちゃんを亡くされた方、生まれてすぐに赤ちゃんを亡くされた方、人にも話せず辛い思いを抱えていらっしゃる方、たくさんいらっしゃるかと思います。

「一人じゃないよ」と言ってくれる仲間がいること、なんでも話せる場があること、今、生きていることの奇跡と幸せ、ぜひ皆様にも知っていただければ…と思います。

ライター紹介

ちえ

ちえ

熊本の人、温泉、自然、グルメ(&お酒)をこよなく愛する30代。好奇心旺盛な行動派で、自称「アクティブガール」ですが、もうガールと呼べる年齢でもないという悲しさ・・・軽いフットワークと、あふれるバイタリティーで、人生謳歌中です。

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