夏ですね。
熊本の夏の代名詞といえば、おてもやん総踊りや花火大会など楽しい行事が挙げられますが、今年も新型コロナの影響で中止となってしまいました。寂しい。
でもね
我々にはまだジャンボスイカがあるじゃない!!!
てことで今回、無理を言って昨年のチャンピオン菊川さんに無理を言って、4月~7月までの3ケ月密着させてもらうことにしました。
2021年熱い戦いジャンボスイカ品評会の裏側に迫ります!
まずは昨年のジャンボスイカ優勝者から学ぼう
まずは4月に基礎的なことを学びに伺いました。
今回、お話を伺うのはJA鹿本園芸部役員植木地区OB会会長栗原さん
同じくJA鹿本園芸部役員植木地区OB会、津田さん
昨年のジャンボスイカ優勝者菊川さんの3名。
ちなみに菊川さんは昨年初めて品評会に出したにも関わらず、優勝してしまったというとんだダークホース。毎年出している栗原さんが、めっちゃグヌヌってしてました。
「そもそもの疑問なんですが、ジャンボスイカって一体何のために作られているのでしょうか」
「なんのためて、そらあた…お遊びですたい!!」
まさかのお遊び。
植木地区はご存じスイカの名産地。JA鹿本の園芸部としてスイカを育て、スイカを守り、植木地区のスイカをブランド化するためJA、行政、そして園芸部の三位一体で取り組んできたのですから、もう日常というか人生の一部なんです。
まさにスイカと共に生きてきた方たち。
園芸部を引退したあとも、何かしらスイカに携われないか、せっかくならの面白いイベントができないかなと考え、大きなスイカに成長するカロライナクロスを栽培し、平成7年に大きさを競うジャンボスイカ品評会が始まりました。
「なるほどー」
「まあだけんあれは、食ったっちゃアレよ。食えんわけじゃなかばってんな」
「しかしですよ、大きさの分、手間暇かかってるわけじゃないですか。優勝しても何の見返りもなければつらい」
「あるよ。ホテルとかね売ってくださいっていうところはあるけん、そこに卸したり」
「まあ遊びだけん。そっで儲けようてはならんばってんがね」
よかった。少し安心しました。
ハウスにお邪魔
ところでどうやってジャンボスイカって栽培しているのでしょうか。
てことでやってきました。連覇を狙う菊川さんのスイカハウス。
贅沢に余白をとっているかのように感じられますが、これでもサイズを考えるとギリギリなんだとか。
「せっかくなら孫が楽しめるように」と4人いるお孫さん1人1人に担当を持たせて栽培していました。
「お孫さん喜びなはるでしょ」
「最初はね!段々飽きてくるけん、そしたらジジとババが結局世話せなん!」
とはいえ、子供の目にも分かりやすい大きさで成長するので飽きずに見れるでしょうし、何より作物を育てるという経験ができるというのは羨ましい限りです。
わざわざ蜂を準備するほどのボリュームではない、ということで受粉も人の手。
すでに身をつけているのも数個あったんですが、見極めて摘果するんですって。
ある程度大きくなれば、重力で下の部分が腐ってしまうので、ゴロゴロ転がして床ずれを防ぐそう。めっちゃ重たいのでこれが一番大変なんだとか。
品評会前日
2021年のジャンボスイカの品評会は7月8日。その前日の7日に最後の収穫が行われるとのことで行ってきました。
4月に取材で伺ったときにはまだ受粉前だったのですが、もうこのサイズ。
お孫ちゃんと比較しても大きさが分かります。
きちんと測定したわけではないのですが、多分100キロ超えているんじゃないかってことで否が応でも期待が高まります。
いよいよ品評会当日
そしていよいよ迎えた品評会当日。あんなに一生懸命作っていた菊川さんはなんと都合により欠席。生産者全員来るって訳ではないそうで、菊川さんの奥様と娘さんが見守ります。
すべてのスイカが大きいので、感覚がマヒしてきますよね。
さあいよいよ品評会開始!
パレットにジャンボスイカをのせ、それをリフトで運んでいきます。ゴロゴロ転がらないように抑える人が必要。
ギリギリまでつけて
ゴロン。
お米を計る機械で重さを計っていきます。
もうここから悲喜こもごもですよ。なかなか100キロ超えが出ない。
やっと出た100キロ超え。そりゃ思わずガッツポーズも出ます。
さていよいよ菊川さんの番。
この時点ですでに120キロが出ています。
「…111.5キロ!」
あーーーーー!!!!あと0.5キロ!
残念連覇ならず。
結局優勝したのがこのスイカ。もう素人目から見てもデカいのが分かったのですが、そのサイズなんと130キロ。
もうどよめきが止めらない。
この大きさには他の参加者も拍手でした。
ちなみに2位は128キロ。
1位は熊本県庁に、2位は熊本市役所に展示されます。
まさに熱い戦い
「ジャンボスイカは余暇活動」なんておっしゃってましたが、実際はものすごい熱い男たちの戦いが繰り広げられていました。
なんだかこの場にいると、肥後ジャーナルジャンボスイカ作ってみようかな、なんて気分になってしまいました。育ての諸先輩方がたくさんおられるので、なくはない話。
真剣に遊ぶ大人の男たちの背中はかっこよかったですよ!
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