こんにちは!八代在住で、常日頃から河童に怯えながら生活しているメアリーです‼︎
そ〜いえば、2年前に山田っちが八代に河童探しに来たなぁ。
2年前の記事はこちら↓
九千坊の河童渡来の碑での一コマなんだけど、そぎゃんノホホンと河童の真似どんしよったら、河童に尻こだま取らるっばい。
河童って、人間のお尻が大好きらしい。
そこで、今回は河童にジゴンス(尻の穴)ばやられんごつ、大事かジゴンスば守る方法を大真面目に調べてみました!
まずは伝承から学ぼう【天草地方】
県内の河童伝説は、主に天草と八代が多いイメージ。
早速、メアリー書庫より天草島民俗誌なる本を引っ張りだし、各村々の河童からジゴンスば守る方法を調べてみました。昭和7年発行の本なので、いっちょん言葉の分からんけんですね、ここはメアリー要約でお送りします。
牛深町
盆の日に泳ぐと河童の盆ざかなに尻をとられる。
御領町(現 五和町)
河童が尻をとった時は舌がなくなる。御佛飯をいただいていると尻をとられぬ。
※佛飯とは、仏様に備えたご飯
一町田村(現 河浦町)
佛飯を頂いてから泳ぐと河童に尻を取られない。その謂れは、昔、左甚五郎がある寺を建立する時にあまりにも怠けていて、期日が迫ってしまった。どうしようと思ってある朝起きてみると立派な寺が建っている。
それは、いつか彼がつくっていた人形が動き出して、主人の知らぬ間に造ったのであった。その人形を川に捨てる時、お前は人間の尻をとれといった。佛飯のご飯を頂いた人間の尻だけは取らない。
左甚五郎さん、迷惑な人じゃない?
河童の顔は虎の如く、鱗があり、3、4歳くらいの子供の様であり、非常に相撲好きだそうです。
手野村(現 五和町)
とある庄屋の下男が川に馬を洗いに行くと、河童が悪戯ばかりするので、ひっ捕まえて厠(トイレ)の前に縛っておいた。
すると、下女が何も知らずにその前を通りかかったら、歯を剥き出して威嚇するので提げていた手桶の水を頭からかけると、元気になって川へ逃げていった。左甚五郎がとある大名の邸宅をつくる時、期日は迫っているのにも関わらずすすんでいなかった。
そこで、多くの藁人形を作って加勢をさせた。それから、その藁人形を川に捨てるとき、人形どもが、私たちはこれから何を食っていったら良いのかと聞いてきたので、左甚五郎は人間の尻を食えと言った。河童が人間の尻をとるのはそれからである。
やっぱり、左甚五郎さんって、はた迷惑な人だわ。
そして、河童にイラッとしても水かけちゃいけない。
鬼池村(現 五和町)
昔々、あまりに河童が農作物を害を与えるので人々が罠を仕掛けたら、かかった。
それを見に行ったものの、姿が見えないので、かかっていないのかと思っていたら、連れてきた子供が横の深い穴に落ちてしまった。
これは大方、河童の仕業だというので、村の者がこぞって穴の中に石を投げ込むと、中から「たくさん茄子を持ってくれば子供は返してやる」という。
そこで茄子を持ってきたら子供を返してくれた。
鬼池牟田の池の傍に、高さ2尺(だいたい60センチくらい)の石があってそれに何か文字が彫ってある。この字が消えるまで人間の尻を取ってはいけないという約束をしたそうで、河童はそれを早く消そうと毎晩草履で擦っているそう。
まあ、たくさん出るわ出るわ。ここに書ききれない程の河童対策。
それだけ、河童が我々のジゴンスば常日頃から狙っとるって事ですよね。
特に、夏の川で子供が遊んでいると、友達に化けて綺麗な花などをあげるから、こっち来いと騙くらかして、ジゴを取る話にはぞっとしました。やっぱり河童怖い。。
そうかと思うと、ある村の男が田んぼの水がなくて困っていると、どこからか河童が加勢してくれて、田植えや稲刈りを手伝ってくれたので、お礼にご馳走すると、宝物をお返しにくれて村の男は大金持ちになった話など、ほっこり話もありました。
とりあえず、河童からジゴンスば守るにはお仏壇に備えた佛飯ば食わんといかんらしかです。ウチ、仏壇ないんだけど…。 代わりに墓参りに行かにゃん。
キュウリが大好物だと思ってたけど、意外と茄子も好きな様子。これから、茄子を持ちあるかなくちゃ!
あと、お盆の日は川で泳いではダメという事が判明しました。なかなか奥が深いな。天草の河童。
八代の河童対策は、どぎゃんな?
さすが妖怪の宝庫、天草。
河童対策もバッチリでしたね。
それでは、お次は八代の河童。
こちらは、あまりジゴンス対策の話はなさそうだと思っていたら、八代の悟真寺で河童祭りが行われていた。との有力な情報を発見。
悟真寺さんでは、毎年6月の第2日曜日に、子供たちと和尚さんが中心となって全国にも有名な川祭り【悟真寺の河童祭り】をしていたそうですが、残念ながら数年前から少子化により現在は行われていないそうですが、ポイントとなるのはその祭りの起源。
川祭りの起源となったのは、こちらの悟真寺が創建された時代の話。
ある晩、悟真寺の開祖の和尚がトイレで踏ん張ってると、和尚の尻を何者かが撫でまわしてきた。
和尚は怒って、その撫で回してきた腕をへし折ったところ、片腕のない女の人が毎晩お寺にきて、もう悪いことしないから、腕を返して欲しいとお願いしてきた。最初は、ガン無視していた和尚さんでしたが、やがて川祭りを毎年するからもう悪いことするなと約束をして腕を返してあげたのが、こちらの川祭りの起源だそうです。
確かに人が真剣に踏ん張ってる時に、尻なんて撫でくりまわされたら、腕へし折りたくなる。
そんな剛力な和尚さまはコチラ。
見るからに、法力高そうです。
地元の子ども達は、この川祭りがあるまでは川で泳いではいけないという決まりがあったそうで、勝手に泳ごうものなら「川祭りが終わっとらんどが‼︎」と怒られたそうです。
昔は、プールなんてものもなかったし、洗濯物や洗い物も川で行われていた時代。
生活に密着した川での安全を祈る行事ですね。
民俗学は、昔の人の知恵がたくさん詰まっております。各地の妖怪の話や、伝わる話は大切に、現代でも通用する生きる知恵だと思います。ぜひ、現代のお子様方にも面白おかしく話してあげてくださいね。
【おまけ】河童に出会った時の対応
「河童なんているはずもない」なんて身もふたもない話は無しです。だってもし河童に出会ったら怖いじゃないですか。
宇土の山ん中で育ったメアリーも、町内の堤(つつみ、ため池みたいなトコロ)には河童がおるけんとは聞いておりました。
さらには河童注意事項をよくよく父親から聞かされていたものです。
その話の1つに、まず河童に出会ったらお辞儀をする。
そしたら、先方もお辞儀を返すので頭の皿の水が溢れ、動けなくなったその隙に全速力で逃げるという秘術です。
今の時代、いつどこで誰が河童なのかも見分けもつかず、全く皆目検討もつきませんので、とにかく人にあったらお辞儀しまくってます。
何の情報がどう役に立つのか分かりません。皆様もぜひ人にあったらお辞儀しまくりましょう。
悟真寺
住所 | 八代市妙見町2464 |
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