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熊本市現代美術館で開催中の「魔都の鼓動」はまさに”魔都”!魅力あふれる上海のアート作品がずらり!【11月25日まで】

ライター:山田 山田

熊本市現代美術館で開催中の「魔都の鼓動」はまさに”魔都”!魅力あふれる上海のアート作品がずらり!現在、熊本市現代美術館で開催されている「魔都の鼓動 上海現代アートシーンのダイナミズム」。上海のアーティストの作品を集めた展示で、ものすごい勢いで変化していく上海ならではの躍動感あふれる作品が見学できます!!今回はその一部をご紹介します!!


日本の作品とは違った魅力!上海のアート作品がずらり!

今回は、熊本市現代美術館で開催中の「魔都の鼓動」を見学に行きました!

毎回、魅力的な展示を企画している熊本市現代美術館。今回は中国・上海の現代アートを集めた展示会です。上海では都市計画が急速に進み、とてつもない速さで発展している都市です。それは経済だけではなく、芸術活動においても同様で、文化的な発展も凄まじく、新たなアートが次々に生み出されています。

今回の「魔都の鼓動」では、上海アート界の巨匠から、新進気鋭の若手アーティストまで13組の作品が紹介されています!!

まるで巨人のよう!心臓脈打ち現代に蘇った「孔子」

ジャン・ホァン〔張洹〕《Q Confucius No.2》2011 © Zhang Huan Studio All Rights Reserved

展示室に入ってすぐ、最初に迎えてくれるのが巨大なおじさん。

モチーフとなっているのは日本でも有名な中国の偉人・孔子です。

孔子は「温故知新」などの有名な教えが記された「論語」などで知られる人物です。
この作品は、「現代中国の問題を孔子に問う」というテーマで制作されており、
髪の毛の1本1本から肌の質感までリアリティにあふれています。

そして、なにより天井に届きそうなほど大きく、インパクトも抜群。

よく見ると、孔子の心臓はトクントクンと脈打ち、本当に生きているかのように感じられました。

こちらは、中国の巨匠・張洹(ジャン・ホァン)というアーティストの作品です。

最初の部屋でこれほどの作品を見せつけられると、続く作品への期待感も膨らみます!!

写真で見る上海の変化!見たことのない姿に驚き!

ダイ・ジエンヨン〔戴建勇〕《三十年、一つの家》2018 写真

次に上海の約30年間の様子を「家族」をテーマに収めた写真が展示されています。

カメラマン・戴建勇(ダイ・ジエンヨン)の作品で、彼の家族の姿を軸に、上海を始め中国の変化が緻密に表現されています。中には都市計画のため立ち退きを求められ流血沙汰になっている様子など、生々しいリアルな上海事情が切り取られた写真も。

日本にいては、なかなか見ることのできない住民目線での上海の様子。「家族」をテーマにしているからこそ、一層身近に感じてしまう作品でした。

これ大丈夫なの!?中国のインターネット事情を表現した現代アート!

ミァオ・イン〔苗穎〕《Chinternet Plus》2016 ウェブサイト Courtesy of the artist and MadeIn Gallery

シリアスな雰囲気の作品が多い中、異彩を放つポップな雰囲気の作品を発見!

いくつか小さな穴が空いたカラフルな壁と、壁に貼られた意味深な絵…。

これは「Chinternet plus」という作品で、苗穎(ミァオ・イン)というアーティストが作成したもの。中国のインターネット事情を表現しているそうです。

中国では、情報規制が厳しくインターネット上の情報を検閲し、「グレートファイアウォール」と呼ばれるセキュリティの壁で他国との通信を部分的に遮断しています。

それを表現しているのが、中心にそびえ立つ壁。穴が空いているのは、情報スキルを持った利用者が穴を空けて外の世界を見ていることを暗示しているそう。

個人的な印象ですが、情報は操作されているにしろ、インターネット上の文化は日本と似ている部分が多いんじゃないかなーと思いました。

日本のポップカルチャーと融合!熊本城のミニチュアとコラボした愉快な映像作品

ルー・ヤン〔陸揚〕《器世界の騎士》2018 映像 MPS-15sk”Multi”: © IKEUCHI Hiroto nyoROBOtics: © mobiraknights

今回のみどころのひとつ!

映像作品の「器世界の騎士」です。熊本市現代美術館と若手女性アーティスト・陸揚(ルー・ヤン)がコラボして生み出した初公開品。
以前、熊本市現代美術館で公開された巨大な熊本城のミニチュアも登場します!!

映像はしっかりとストーリー仕立てになっていて、特撮モノのような作品になっています。

アニメや特撮などの日本が誇るポップカルチャーから強い影響を受けているのがよく分かる作品です。

内容は意外と哲学的…というか、形而上学的というか…、うーん、魔都って感じでした。

ルー・ヤン〔陸揚〕《器世界の騎士》2018 映像 MPS-15sk”Multi”: © IKEUCHI Hiroto nyoROBOtics: © mobiraknights

登場するキャラクターもん異本のクリエイターとのコラボレーションによるものだそうです。上海の大型国際展でも公開されるそうですよ!

見入って目が離せない!山水画のような雰囲気で架空の都市風景を描く4K動画

ヤン・ヨンリァン〔楊泳梁〕《夜遊記》2017 映像

そして、いよいよ最後の部屋。

真っ暗な部屋の壁が一面スクリーンになっており、夜景が映し出されています。

脈々と屹立する山脈が、まるで中国の山水画のよう。

息を飲むような静謐で厳かな雰囲気の風景ですが、よく見ると、少しずつ動いているんです。

この作品「夜遊記」は楊泳梁(ヤン・ヨンリァン)というアーティストの作品で、3つの4K動画が繋げられたもの。

道路には車が走り、山水画を思わせる山々にはビルや古い家が立ち並び、都市化した様子がうかがえます。

中にはクレーンの姿もあり、まだまだ都市化が進んでいるようでした。

ただただ静かに、けれど気づけば変わっていく、つい呼吸を止めて見入ってしまう映像です。

その姿はまさしく”魔都”。気づけば意識ごと飲み込まれてしまいそうな作品でした…。

他にも魅力的な作品がたくさん!急速に発展する上海の作品で感性を磨こう

シァオ・ロンホァ〔小龍花〕《大移動》シリーズ 2016- ミクストメディア

一部の作品のみを紹介しましたが、他にも見ごたえのある作品がたくさんあります!個人的にはガラクタの寄せ集めが意識を持って行列を組んでいる「大移動」という作品が好みでした!

他にも、昔の上海と今の上海を比較するような作品がたくさん!

「DDプレゼンツ 中国ITと若者文化のいま」展会場

また、別会場で「中国ITと若者文化のいま」という入場無料の展示も開催されています。中国人Vチューバー(バーチャルユーチューバー)が中国のIT事情や若者文化を紹介してくれます!

こちらも、ユニークで面白かったですよ!

まとめ

都市は、たかだか数十年でここまで変化するものなのかと驚きました。発展を続ける上海の鼓動を確かに感じられました。人を魅了する「魔都」の底力を垣間見ることができます。

この「魔都の鼓動 上海現代アートシーンのダイナミズム」は11月25日(日)まで。熊本に居ながら上海の文化と歴史を感じられる絶好の機会。日本の作品とまた違った魅力に触れて、感性を磨いてみましょう!

■熊本市現代美術館 - 魔都の鼓動 上海現代アートシーンのダイナミズム■

開催期間:2018.9.22()〜 2018.11.25(
営業時間:10:00~20:00(入場は19:30まで)
入場料:一般1000円、シニア800円、学生500円、中学生以下無料
定休日:火曜日
TEL :096-278-7500
住所:熊本県熊本市中央区上通町2番3号

ライター紹介

山田

山田

肥後ジャーナル編集部の大きい人。前職は地域経済誌記者やマーケティングのディレクター。将来の夢はヒモになること。 特技は誤字脱字。朝起きるのが苦手です。

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