先日、南阿蘇の長陽駅近くを通ったら「後藤コーヒーファーム」という看板を見つけました。え?熊本でコーヒー育ててるの??と思って思わず問い合わせてみると、本当にここでコーヒーを育てているそう。どちらかといえばアメリカとかアフリカの赤道近い場所で生産されているイメージ。ということで南阿蘇でコーヒーを栽培している「後藤コーヒーファーム」を見学してきました!
ビニールハウスでコーヒー栽培
南阿蘇で移動中、長陽駅の近くで「後藤コーヒーファーム」という看板のついたビニールハウスを見つけました。
コーヒーって赤道近い気温の高い国で作られているイメージなので、南阿蘇で作ってるなんて、にわかに信じられません。
ということで、取材を申し込んだら、OKいただけたので直接お話をお伺いすることに。
お話してくださったのは後藤コーヒーファームの後藤さん。定年退職されるまで阿蘇中央高等学校(旧:阿蘇清峰高等学校)で教員をされていたそうです。
早速、ハウスの中を見せてもらいました。
コーヒーの木が生い茂っていました。本当に南阿蘇でコーヒーが育ってる。本物のコーヒーの木、初めてみました。
赤々とした果実が実っています。こんなん、写真でしか見たことがなかったので、とてもテンションが上がりました。
後藤コーヒーファームでは、1本1本にオーナーがいて、後藤さんが世話をしているそう。昨年50人募集したらキャンセル待ちになるほどの人気だったそう。
現在はまだまだ生産量を増やしている段階で、十分な供給ができないため一般販売はされていないそうですが、300㎡のハウスで約60本の成木と約100本の苗木を育てているそうです。
後藤さんは教員時代から生徒とともにさまざまな植物を育成。子どもたちの自由な発想を取り入れ試行錯誤するなかで、
「熱帯の植物は意外と寒さに強く、しっかり環境を作れば育てることができる」と気付いたそう。実際にパイナップルやバナナなども育てていて、
ハウス内には、
コーヒーに紛れて、パパイヤが実をつけていました。
他にも突然、バナナの木が現れたり、本当にここ南阿蘇?日本?といった感じの熱帯感。
コーヒーを身近に感じてもらい、南阿蘇のファンを増やす
日本でもコーヒーを栽培している地域は他にもあるそうですが、そのほとんどがハウスではなく露地栽培。
ハウス施設で栽培しているのは南阿蘇だけなのだそう。気温が低いことで生育に時間がかかるものの、糖度が増して甘みが増し、身が締まり香りも強いフルーティーなコーヒーができるそうです。
「コーヒーが好きな人は多いのに、ほとんどが輸入品。もっとコーヒーを身近に感じてもらいたい」と後藤さんは話します。現在は流通させるほどの量が生産できていないそうですが、苗木を広め、近隣の農家5軒でコーヒーを栽培しており、今後も増やしていく方針なのだとか。
南阿蘇の環境で育つなら、日本でももっと育てているのではないかと思い聞いてみると、
「9年間育てて順調に育っているけど、どこかに落とし穴があるんじゃないかと思っています。ただ普及しないのはビジネス化が難しいということもある」と話します。
現在の収量では1杯あたり1500円ほどになってしまうそう。お店におろして提供するとなると1杯2000円ほど。そうなるとビジネスとして成立させるのが難しいそう。
「実際に飲むと1杯2000円の価値はある。海外から輸入するものと比較して鮮度が高いので味も比べ物にならない」といいます。
今後は品質の向上と合わせて、1本辺りの収量を増やし、農家も増やしていく方針なのだそう。
「コーヒーの栽培を通して、南阿蘇の魅力を増やし、ファンを増やしていければ」と後藤さんは語ります。
生のコーヒーの実を食べてみた
この濃い赤色をしたものが、完熟したコーヒーの実。日本で出回ることはほとんどありませんが、豆だけではなく果実も甘くて美味しいそうです。
はい、実際にかじるとめっちゃ美味しかったです。スーパーとか道の駅に置いてあったら買いたいレベル。
ぺっとするとこんな感じの種子が出てきます。これを割って中から出てくるのがコーヒー豆。それを焙煎して挽いてお湯で抽出したのが私達が普段、口にするコーヒーになります。
焙煎した状態のものしか見たことがないので、なんだか不思議な気分です。
未来の流通が楽しみ!
現在はまだ生産量を増やしている段階なので、口にすることは難しいですが、現在、取り扱う農家も増やしているそうなので、数年以内には流通させたいと計画しているそうです。
農業分野は普段、食べるだけ、飲むだけだと知らないことがたくさんあるのですが、まさか南阿蘇でコーヒーを作っているとは知りませんでした!
今後、流通していくのが楽しみですね!!
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