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幣立神宮の謎に迫る!1万5千年の歴史やゼロ磁場なんかの数ある逸話は本当なのか宮司さんに聞いてきた

ライター:山田 山田
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山都町(旧蘇陽町)にある幣立神宮。「1万5千年の歴史がある」「九州のへそにある」「磁力が存在しない”ゼロ磁場”である」「写真に色々神秘的なものが写り込む」「祀られている神様が日本トップクラス」などなどさまざまな逸話のある神社で、山の中にありながら、日本全国から参拝に訪れる神社です。どれもこれも本当であれば凄い話。本当なのかどうか、宮司さんに聞いてみました!


神秘的な雰囲気の幣立神宮

山都町大野にある「幣立神宮」。その歴史は古く1万5千年の歴史があるとの噂も。立地的に九州のへそ(中心)だとか、磁力が存在しない”ゼロ磁場”と言われる場所だとか、写真を撮るといろいろ写り込むだとか様々な逸話がある神社です。

インターネットで調べてみると、いろいろな情報が出てくるんですが、逆に色々凄すぎてうさんくさい!!ということで、宮司さんに本当のところはどうなのか聞いてきました。

この石段を登っていくと、すぐに拝殿があります。そんなに長い石段ではないのですが、私は満身創痍でした。

今回、お話を聞いたのは幣立神宮の宮司・春木秀紀さん。

はじめまして。肥後ジャーナルの山田です!今日は、幣立神宮にまつわる様々な伝承の真相を確かめにきました!よろしくお願いします!

こちらこそ、よろしくお願いいたします。

では、早速ですが、質問攻めさせていただきます!まず1万5千年の歴史があるという話ですが、いくらなんでもそれは古すぎると思うんですけど。そんな昔から神社があったなんて思えません。

1万5千年というのは、御神木のことですね。幣立神宮自体は、創建不詳。文献によると2000年前にはあったとされています。

えっ。この御神木って、樹齢1万5千年なんです?

いや、樹齢ではなく命脈といって、同じ株から再び木が生えて…を繰り返し現在の御神木で10代目です。樹齢は2000年ほどですね。

同じ株からまた木が生えてを繰り返してる…?

確かに、近づいて御神木を見ると、地面に近い根本の部分がかなり太い。しかもご神木から別の樹が映えてきている様子も伺えます。それが11代目になるそうです。

そうなんです。以前、御神木の健康状態を調べるために専用の機器で内部をスキャンしてもらった事があるのですが、業者の方も「正しくスキャンできない…おかしい…」と言われているんです。見てみると、根本に近い幹の部分は複数の年輪が混ざり合っていたんです。なので実際は正しくスキャンできていたんです。長い歴史の中で、代替わりを繰り返しているのは間違い有りません。

にわかに信じられない話ですが、科学的にも証明されているんですね。すげぇ。つまり、神社ができる前からご神木は生まれ変わり続けていたってことですよね?

そうですね。自然信仰として、このご神木にお祈りしていた人たちがいたということです。それがいつからか信仰となり神社ができたんでしょう。そもそも神道には神社神道と古神道というのがあって、うちは古神道として…。

ちょっとまってください!難しくなりそうです。簡単に。私にもわかるように!!!

うちは自然に対する、古い信仰の残った神社ですね。

なるほど、分かりやすいです。

九州のへそにある?ゼロ磁場?

続いて、九州のへそ(中心)にあるということですが。本当ですか。

もちろん、どこからどこを測って何を基準にするかでも違いますけれど、地図で見たら、九州のちょうど真ん中ですよ。昔、このあたりは宮崎・鹿児島と熊本をつなぐ交通の中心でもあったんです。そういう意味でも九州のへそと言えるでしょう。

なるほど…。土地的なものでいえば地場の無い”ゼロ磁場”だという話も聞いたのですが。

それよく聞かれるんですよ。「ゼロ磁場はどこですか?」って。そんな場所はありません。

えっ。無いんですか。

”ゼロ磁場”の定義にもよるのですが磁場が0%になったら、とんでもないことになるでしょう。ただし、中央構造線の上に位置していますので、磁場が狂っていて、言われるようなくるくると回り続けることはありませんが、方位磁石も定まらず震え続けていますね。

いや、それだけでも凄いんですけど(難しい話はワカラナイ…)

不思議な写真が撮れる??

西御手洗に進む参道。数々の巨木に囲まれていて神秘的な雰囲気に包まれています。

自然環境としても、とても素敵な場所なのでパワースポットとしても有名ですよね。

日本で最初にパワースポットという名称で紹介されたのは多分うちなんですよね。確かに長い歴史の中で多くの人々が祈りを捧げてきた場所なので、パワーはあると思いますが、自分たちでそう名乗ったこともないし、雑誌などにもその表現は使わないようにお願いしています。

写真を撮ると、目には見えないものが写るという話もありますが、本当ですか?

それは本当です。私も子供の頃から「写真にこんなものが写りました!」と参拝者の方がお持ちになられたものを数多く見てきました。オーブのようなものであったり、火の玉であったり、目には見えない光であったり。もちろん、科学的に見れば湿度や光の関係などもあるのでしょうが、人間の視覚では捉えられないものを写真が捉えるということは確かにあるようです。

この場所からご神木の周りに緑色の光が写ったこともあるということだったので、撮影してみましたが何も写りませんでした。

今はデジタル撮影が主流ですが、フィルムに撮影して現像していた頃の方が写りやすかったとかなんとか。

祀っている神様は?なんか凄いって聞いたけど

お祀りしている御祭神も名だたる神様が多いと聞きましたが。

神漏岐命、神漏美命、大宇宙大和神、天御中主神、天照大神です。

すみません、聞いておいてなんですが、天照大神しかわかりません。いや、それだけでも凄いんですけど。

古い神様ですからね。天照大神もここにいらっしゃって、ここが高天原だったんですよ。

だいぶ、壮大な話よ。

残された伝承や文献を調べると、そうなんですよ。歴史学者の方々からは怒られていますが(笑)。

この石にも文字が刻んであるらしいです(読めない)。公開はできないそうですが、こういった古い古文書や口伝がたくさんあるそうです。

他にも祀られている神様がいらっしゃいますよね。

境内には大野神社もあり、こちらでは健磐龍命をお祀りしています。もともとは向かいの山にあった神社ですがここに写ってきました。他にも自然信仰が残っているので火の神様、雨の神様、風の神様もお祀りしています。

正直、あまりにもスケールが大きくてうさんくさいなと思っていたんですけど、ちゃんと由緒があるんですね。

うさんくさいと言われることも多いですね(笑)。この30年ほどで交通の便がよくなり全国から参拝に訪れられるようになり、インターネットの普及で情報発信される方も増え、急に知名度が増しました。なので「最近できた怪しい神社」なんて言われることもあるのですが、昔から地域に根づいてしっかりと信仰を守り続けています。

なんだか、とても分かりやすく説明いただいてありがとうございます。学校の先生に教えてもらっているような感じでした。

はい、おっしゃるとおり、教員もしていますよ。熊本大学で数学を教えています。

……はい?熊大で…数学…?宮司さんが?なんで?

今の時代、神社の宮司だけでは食べていけないからです(笑)。よほど大きな神社でなければ多かれ少なかれどこも何かしらの副業はされていると思いますよ。

申し訳ないですけどその話が今日聞いた中で一番の衝撃です。お賽銭いつも5円しか入れなくてごめなさい。

謎多き幣立神宮 噂は割と本当だった

謎多き幣立神宮。スケールが大きすぎて信じがたい伝承も多く話を聞いてきましたが、

  • 1万5千年の歴史→ご神木の命脈(10代に渡る歴史)が1万5千年
  • 九州のへそ(中心)→地理的に、そして昔の交通の要所として中心だった
  • ゼロ磁場→磁場はあるけど方位磁石は揺れ続ける
  • 写真に目に見えないものが写る→事実、数々の写真が持ち込まれている
  • 神様凄い→ここに高天原があったという伝承が残っている

ということでした。これらの話はもちろんのこと、昔ながらの信仰が残り、歴史を感じる神社です。

春木宮司よると「神社は杜と一心同体」とのことで、自然豊かな環境確かに神様の存在を感じられる不思議な気持ちになれる空間でした。

幣立神宮

住所

熊本県上益城郡山都町大野712

ライター紹介

山田

山田

肥後ジャーナル編集部の大きい人。前職は地域経済誌記者やマーケティングのディレクター。将来の夢はヒモになること。 特技は誤字脱字。朝起きるのが苦手です。

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