まぐろカツが丼からはみ出る!南区の人気店「とろや」に行ったら…何故か治験に参加する事になった【協力:にしくまもと病院】
行列ができる丼屋さん、熊本市南区にある「とろや」。
平日でも満員御礼の人気店に、営業終了後にお邪魔して、マグロカツ丼をいただきました。
皿からまぐろカツが飛び出た丼や、まぐろ刺しが山のように積まれた丼があるのですが、行って気付きました。以前に取材してたこと。
店長と話を進めていくと、今まで聞いたことなかった「治験」という言葉に出会い、終いには治験を体験するという事態に発展!
私たちが「コロナウイルスワクチン」を作るお手伝いをするかもしれませんよ(大げさに言ってるわけではありません)。
目次
「とろや」は3号線沿いだけど通り過ぎてしまうかも
今回お伺いした「とろや」は、緑の看板が目印の富合メディカルタウンの一角にあります。3号線沿いにお店が面してないので、注意して探してください。
店前が駐車場になります。
メニューは、こだわり厳選のまぐろ絡みの3種類
さてさて、お目当てのメニューである、まぐろカツ丼と三食丼を早速見て頂きましょう!
まずは土日限定の三食丼…たまげますよ。
こぼるって。
嘘・大げさ・紛らわしいはございません。行って確かめてほしい。
では、続いてまぐろカツ丼を
はみでとるじゃなかですか!!
3切れ入りで1,100円(税込)。
店長さんにお話を伺いました。
営業終了後にすみません!
連日行列の秘密は丼見て一目瞭然でした。
普段はどんなお客さんが多いんですか?
平日はサラリーマンかな、土日は家族づれが多いですね。
他に、隣の病院で治験が終わった人は、必ずて言っていい程うちに来ますね。
ん?ちけん?
チケンてなんなの。
チケンってなんだろう?
帰社して店長が言ってた、チケンに関して調べてみた。
「治験」って書くんだ、薬の臨床試験???なんか聞いたことあるなぁ、
あああ!!!
新型コロナウイルス感染のニュースを見ると、特効薬開発の話になる。その時に、治験というプロセスを経ないと薬は使用できない、と聞いたことがあった!
伊藤さん、治験調べてるんですか?
俺何回か行ったことありますよ、にしくまもと病院でしょ。
え。いったことあるんですか!?
肥後ジャーナル始めた頃は、たまに行ってましたよ。
暇が作れたならまた行きたい!
なにその、また行きたい臨床試験って
(謎が増し増し)
にしくまもと病院のホームページを見てると
動画で説明がしてありました。
↓
国の承認を得るための臨床実験…。
私の甥っ子は、皮膚が弱く毎日お薬飲ませているのだが、その薬も治験がなかったら、私たちの手元に届いてなかったってことか。
にしくまもと病院に電話して「治験のこと知りたい!」と言ってみた
ホームページに載ってた「にしくまもと病院臨床薬理センター」に連絡。てか、場所が「とろや」の隣じゃん!(店長が隣の病院て言ってた)
この時点で興味湧いた人は気軽にお電話で質問していいよ、との事。(電話番号はこのあとすぐ!)
「詳しい説明と、被験のための登録がホームページで見れるので、そちらをしっかり読んで、登録してください」
という事で改めて、にしくまもと病院のHPを見る。
治験の説明がしっかりとしてあります。
【募集中の治験】から自分のスケジュールと合致する治験を選びます。
そこに、以下の表示が
【新規ボランティア登録】のボタンから登録を開始します
個人情報を打ち込みます、BMI(体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数)も自動で測ってくれます
登録&予約完了!
指定された健康診断日に、にしくまもと病院臨床薬理センターへ向かいます。
無料で健康診断が受けられる!しかも…
背中が緊張してる。この時点ではなにされるかわからないから。
受付をしたら、今回の検査に対しての説明があります。
説明が終わると順番に名前呼ばれます。
身長体重・血圧・血液検査・心電図・問診などがあります。
お。これって普通の健康診断じゃん。
しかも、帰りに交通費が出た!
治験についてや登録の詳細は、にしくまもと病院のホームページへ
↓
まさかのドキドキ受験生気分に
後日
電話連絡があり、○月○日の何時に来てくださいと言われる。
何だかそわそわしながらの数日間、当日健康状態が悪くならないように、健康な食生活を心がけました。
到着すると20人くらいの参加者が集合している…。全員集合したところで今回服用するお薬や検査に対しての説明を受けます。
詳細な書類を用いて、納得のいく説明を受けます。検査の同意書への記入。
検査終了後は、ホッと一息と思いきや、治験の内容に適応した被験者が選ばれるので、名前が呼ばれない可能性もあることが発覚!
なので、1回目の検査から治験開始日までは、NO MORE 暴飲暴食!
名前を呼ばれるまでは、合格発表を待つ受験生の気分
「伊藤さーーん」
と呼ばれた時は、看護師さんにハイタッチしそうになりました(してはいけません)。
これから、3泊4日の一つ屋根の下が始まる。
そしてその日の晩御飯…
電子レンジ争奪戦!
治験の晩御飯は、病院が準備してくれるお弁当。
ほんの一例が
焼肉弁当…肉食っていいんだ、意外。
食べるならやっぱり、あったかいお弁当が食べたいですよね。
ということで、電子レンジが準備されています。
しかし、ここでハプニング
電子レンジに長蛇の列!皆さん考えることは一緒。
しかし、何だろうふわっとした団結感が漂う。
「俺たちは、病気で苦しんでる方々の救世主なのだ」
という志のせいだろう。笑顔で待つ。
美味しく頂いたら、部屋へ案内されます。
そして、街のトレンドファッション、通称にしくまスエットに着替えます。
六人部屋に通されて、早めの就寝をします。
体調を整えるために夜更かしをしないこと。昼夜逆転で肝機能が上昇することがあるので、入所中は睡眠が大事です。規則正しい生活で、健康が保障されているのが治験の素晴らしいところ!
規則正しい生活が、心も体もリフレッシュさせてくれるのダァ!
3日間の過ごし方
やることは2つだけ
1、投薬
医師と看護師さんに見まもられながら飲みます。
2、採血
採血は、点滴のような管を通して、時間になったらそこから採血します。つまり、何回も刺されないです。
とまぁ、これだけなんです!
他の時間は?
施設に用意してある漫画や本を読んだり、ゲームしたり、PC持ち込めるので仕事もできます!
※現在、感染予防対策としてゲームなど一部使用制限有
控えめに言って自由。
とにかく、娯楽は沢山用意してある。
色々調べたら、にしくまもと病院は日本屈指の漫画数らしい。(わ!修羅の門がある!)
なによりも
スタッフの方々がすごくにフレンドリーで
少しでも不安なことがあれば、親切に相談に乗ってくれます。
健康に過ごすためのアドバイスを受けることができ、被験者さんたちのことをしっかり考えてるなぁという気持ちになります。
たっぷり時間はあります、くつろぎ空間を自分でアレンジするのも、治験の楽しみ方の一つかもしれません。
楽園と言っても過言では無い!!
先生のお話を聞いてみた
もちろんだが、治験参加中は禁酒禁煙である。
それまでの不摂生を見直し、日常生活を規則正しく生きることが、健康の源であることを知るきっかけにもなります。
時間はたっぷりあるので、己と向き合ったり、これからのことをぼんやり考えたり、有意義な時間が過ごせることは間違いない。
そこで、忙しい先生を捕まえて、ちょこっと話を聞いてみました。
にしくまもと病院の井上先生(右)と古川先生(左)です。
この度は治験へのご協力ありがとうございます!
こちらこそ、貴重な体験をさせていただき、ありがとうございます。
取材中に治験の存在を知って、いろいろ調べたら、とても興味深くなって。
こんなに素晴らしい行いが、熊本でやってるなんて知りませんでしたもん。
本当に知られてなくって…。治験被験者が増えてもらわないと、ニュースで話題のコロナウイルスワクチンも認可されないのですよ。
皆さんが参加してくれることが、日本の医療そして患者さんの心身を救ってくれるんです。
偉業なんですよ!
皆さんのご協力が、何処かの誰かを救ってるんです。
全く大袈裟ではなく。
補償についても、しっかりと説明します。やってみたいけど不安に思うことがあるという方、遠慮なく相談してください!
話は変わるんですけど、井上先生は何故治験の仕事に就こうと思ったんですか?
病院に勤めていても、治験の仕事についている医療従事者は少ないのです。私たちの法人は、全国に治験病院の拠点をもっていて新薬の開発に広く関わっています。新薬を開発している製薬会社がスムーズに治験を行えるようにするのが、私たち治験コーディネーター(CRC)なんです。
この仕事を通じて、新しい薬が生まれていく面白さを知りました!
ここで治験した薬がCMで流れると、「あ、あの時の薬だ」ってちょっと嬉しくなったりしますよね。
CRC(治験コーディネーター)とは
製薬会社が新薬を開発するとき、最終段階で人体への有効性と安全性を確認する「臨床試験(=治験)」をおこないます。その治験の調整役となるのが、治験コーディネーターです。英語表記は「Clinical Research Coordinator」でCRCと呼ばれています。医療機関と製薬会社と被験者を結ぶ橋渡しのような役目です。
だからこそ、私たちは被験者さんたちの安全を1番に考えて行動しなければならないんです。
それが、どこかで苦しんでいる患者さんを救うことになりますから。
世に出回ってるお薬って、先生や看護師さんたちの熱量も、含まれてるんだなぁ…。
なんか薬に対する感覚が変わってきた。
終わった…有意義な4日間そしてみんなの笑顔
無事に4日間の治験が終了しました。
一人一人に対して
先生から退所後の生活についての説明や、今後の治験スケジュールの案内などがあります。
最後に、負担軽減費をもらって外に出る。
負担軽減費とは、被験者の方に試験参加時の交通費等必要経費の負担を解消や軽くする目的で渡されるものです。予め製薬メーカーが準備した費用を医療機関に託してあり、被験者の方に医療機関のスタッフより渡されます。
負担軽減費は雑収入の所得に該当するため、給与所得のある方は給与所得以外の所得金額と負担軽減費を合算した金額が年間で20万円を超える場合には確定申告が必要とされています。
帰宅するみんなの顔は揃って「笑顔」
その理由は、人のため社会のため、未来のために僕らは参加したという誇り。
「お世話になりました!また、来ます!」
だって僕らは、「薬を待つ方々の救世主」なんだから。
誰かのために、何かを果たした達成感がこんなにも清々しいなんて。
後世に残る人助けが治験
帰宅すると、
甥っ子が薬を飲もうとしていた。
その1粒のお薬の中には、いろんな人の想いが詰まってんだよ、お前を元気にしたいっていうたくさんの人の願いや手間がね。もしかしたらいつか、お前の想いが詰まった薬ができるかもな
甥っ子は不思議そうに
甥「ええ、お医者さんにはなりきらんよー」
お医者さんにならなくても、お薬は作れるんだよ。治験っていうのに参加することでね。
甥「へーーー!作りたい俺も!」
そう語る甥っ子の顔を見て、今回いただいた負担軽減費は、家族のために使おうと決めました。
治験に参加したからと言って、自慢しろというわけでは無いが。例えば
東京タワー建設工事に携わったおじいちゃんが孫に向かって
「あれは俺が建てたんぞ」
と自慢げに話しているのと感覚は似てるかも。笑。
まとめ
薬のことに関心を持つことは、あなた自身と子供達の未来の命を考えることに繋がっていると言っても過言ではありません。
今世間を騒がせてる、新型コロナウイルスワクチンの治験も行われるそうだ。これにはぜひ参加したい。
これ以上悲しい思いをする人が増えないように…。
治験についてもっと詳しく知りたい方は
↓
にしくまもと病院 臨床薬理センター
相談時間 | お問い合わせ・相談窓口 平日9時~17時 土曜9時~12時 |
---|---|
住所 | 〒861-4157 熊本県熊本市南区富合町古閑1012 |
電話番号 | 0120-778-625 |
ライター紹介
伊藤
演劇の先生やったり、アニソンやメタルのDJやったり、バンドやったり、サブカル好き思春期48歳独身。健康診断で中性脂肪が赤信号だったので、たまにジョギングすることにした。やっぱり犬が好き。
記事シェア