熊本県内各地に存在する、巨木の数々。
深い森の奥深くに、ちょっとした木立の中に、そして時にはぽつんと一本だけ立っている、さまざまな巨木を訪ねます。
今回は熊本市中央区、オークス通りのクスノキをご紹介します。
オークス通りって?
オークス通りは上通アーケードの裏手、熊本ホテルキャッスルの東側にある全長100メートルほどの通りです。
ホテルオークスもありますね。趣のあるレンガが印象的な道沿いに、渋い路面店が並んでいます。
以前取材におじゃました、肉バルBAROCCSさんなどもこの通り沿いにあります。
ちなみにカタカナで書いてあるから外来語っぽいけれど、オークス=大楠なのだそうです。大楠通り。
巨木があることが、通りの名前になるなんてステキですね。
クスの木が16本!
ずらっと並ぶクスノキは全部で16本あります。
これらの木は、明治41(1908)年10月に植えられたものなのだそう。
当時この地には熊本県立第一高等女学校がありました。戊申詔書(ぼしんしょうしょ)発布の記念事業として、運動場にクスノキが植えられたといいます。
その時は何と、直径3センチほどのちっちゃな木だったそうです!
今の幹はこんな太さです。めちゃめちゃ育ってますね。
ちなみに第一高等女学校は現在の第一高校の前進。現在の場所(中央区古城町)へ移ったのは昭和34(1959)年のことでした。
そんなわけで、これらのクスノキは樹齢110年ほどです。
これまで紹介してきた各地の巨木の中では比較的新しいのかもしれないけれど、街中にこれだけそろって立っている姿は圧巻です。
そして植えられた年月日まではっきり記録に残っているだけでも、レアな存在かも。
県内でも以前ご紹介した「寂心さんの樟」のような例もあるように、クスノキは800年くらい生きるのも珍しくない木です。
ここオークス通りのクスノキ達も、まだまだこれから大きく育っていくのかもしれません。
まとめ
上通からすぐの立地、繁華街の街並みに突然現れるクスノキ群。
100年以上に渡って、熊本の中心市街地の発展とともに歩んできた木々です。
猛暑の季節でも、木の近くに立つと何だか涼やか。しっとりとした趣があります。
街に出かけたついでに、ちょっとお散歩してみませんか。
*ご紹介する巨木は各自治体で天然記念物や文化財に指定されているもののほか、地元の人たちに長く大切にされてきた木ばかりです。
無理に登る、枝を折るなどの行為で木をいためることのないよう、お願いいたします。
オークス通り
所在地 | 熊本市中央区上通町 |
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