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熊本の伝統工芸にもなってる”川尻刃物”が本当に切れ味いいのか試してみた。

ライター:山田 山田

熊本にも歴史ある伝統の品が数あれど、忘れちゃいけないのが”川尻刃物”。職人の手で一つ一つ丁寧に打たれた包丁などの刃物は切れ味と耐久性に優れていると有名です。でも、実際ちょっと高いし、敷居高くて使ったことがないので、どれだけ凄いのか分かりません。そこで熊本が誇る”川尻刃物”がどれだけ切れ味がいいのか試すべく、川尻の「林昭三刃物工房」へ行き、試し切りをさせてもらいました。


刃物を打ち続け70年 伝統守る職人のもとへ

こんにちは、肥後ジャーナル編集部の山田です。包丁片手に危ないやつみたいな感じですが、今日は熊本が誇る伝統の「川尻刃物」の切れ味を試して見るべく川尻にある「林昭三刃物工房」にやってきました。

煙突のついたこの建物が、刃物を打ち続け約70年という林昭三さんの工房。70年ってどういうこと。

こちらが、川尻刃物の職人、林昭三さん。御年92歳。現役で川尻刃物を打ち続ける熟練の職人です。バリバリ現役で1日3本のペースで包丁を打っているそうです。

山田

こんにちは!歴史ある川尻刃物の切れ味を知りたいなと思いやってきました!野菜とか準備してきたので試させてください

林さん

切れ味はね、紙を切るとよく分かるよ。そこの新聞をとってごらん

しゅっ…

ザバッ!

!?!?!?!?!

山田

ペラッペラッの紙が空中でさーっと切れてる!地味だけどすごい!!!

林さん

切れ味がいい刃物じゃないと、まっすぐ切れんからね。これが一番良く分かる。

山田

私が持ってきた野菜とか果物も切ってみていいですか

林さん

いいよ。やってごらん。

持ち込んだ野菜で試し切り

山田

まずは大根です。太いの選んできました。まな板の上ならまだしも、空中で切るのは難しいでしょう。勢いをつけずにゼロ距離でいきます。

スパァァァン!!!

※危ないので真似しないでください。

山田

……想像の数倍の速さで先端がどこか飛んでいったんですけど

林さん

それ野菜包丁だからね。野菜はよく切れるよ。

山田

見てくださいよ、この断面。私が使ってる包丁だとまな板の上でもこんなまっすぐ切れませんよ。

林さん

あんた、切り方が下手ね。まっすぐ包丁を入れるともっと綺麗にサッと切れるよ。

山田

これ以上に綺麗に切れるんですか…なら次はこれを

山田

バナナです。大根より柔らかいですが、弾力のある皮と柔らかく崩れやすい実の部分で硬さが違う曲者です。しっかり熟しているものを選んできました。

林さん

包丁はもっとまっすぐ入れる!

山田

あっ、はい

※危ないので真似しないでください。

・・・サッ!

山田

林さん、バナナの先端がどこかに消えました。

林さん

そこに落ちとる。さっきよりマシに切るようになったなぁ。

山田

カメラの連射が追いつかない勢いで切れましたよ…。

山田

断面が本当にまっすぐ。柔らかいバナナがあの勢いで崩れてもいないって恐ろしい。

なんでこんなに切れるの??

山田

切れ味いいとは聞いていましたが、ここまでとは思っていませんでした。なんでこんなに切れるんですか?

林さん

包丁は鉄を熱して、叩いてより硬くしてから研ぐんだけど、このやり方が量産品とは違うからね。…ちょっと火を入れてみようか。

林さん

鋼は炭素を吸収して硬くなる。量産品はコスト面で重油を使っていてるけど、うちでは石炭で熱して、最後に松炭で焼き入れするから、しっかり炭素を含んで硬くなるんだよ。

山田

うお!めっちゃ燃えてる!!かっこいい!!!

林さん

これを叩いて形を作る。これは出刃包丁でな、刃と背の厚さが違うから難しいんだよ。

山田

一人前の職人になるまで、どれくらいかかるんですか?

林さん

形になるまで大体5年、一人前っていうなら10年はかかるだろうなぁ。

山田

職人技とはいえ、すごく時間がかかりますね…。

林さん

しかも儲からんからな(笑)。若い人たちはやりたがらんよ。

山田

こんなに切れ味いいので、好きな人は好きそうですけど、儲からないんですか?

林さん

頑丈で15年くらい使えるもんだから、1度買ったら新しいの買いに来ないんだよ。良いもの作ると儲からんね。

山田

15年も!!そんなに長く一つの物使ったことないです!!

林さん

それに手作りだから3日で10本、1日に3本くらいのペースでしか作れないしな。包丁研ぎもやってるけど、これも1回700円で1年に1回研げば良いから儲からないね(笑)。

山田

叩いたあとの包丁を灰の中に…それは何を?

林さん

これは藁の灰

林さん

藁の灰は保温性があって、ゆっくり冷めていくから刃こぼれしにくい強靭な包丁になるんだよ。

山田

昔ながらの製法凄い…。

山田

研いでるところも年齢を感じさせない手さばき…。

林さん

毎日やってるからな(笑)。鉄の包丁は錆びるからってステンレス使う人が多いけど手入れの仕方を知らんだけで、ちゃんと使えば長く使えるんだ。

山田

知らないです。鉄の包丁の手入れの仕方。すごく大変そう。

林さん

水で錆びるんだから、洗ったあとお湯で流して、タオルで拭けば水気が飛んですぐ乾くんだよ。それだけ。

山田

思ってたのの10倍簡単でした。

長く使えて切れ味抜群 熊本の誇る川尻刃物

「日に当たり続けると悪くなるから」と引き出しの中に仕舞われた包丁。5000円~で、さっき大根やバナナを切り飛ばした野菜包丁は7000円。ちょっとお高めですが15年使えるなら破格。

ハサミや鍬など畑仕事に使う刃物も作っています。機械化が進む農家よりも家庭菜園で良いものを使いたい、という人が求めて訪れることが増えたそうです。

ビシッと銘が彫ってあるのもかっこいい。手作り故にひとつひとつが少しずつ違っていて、手にとって選びたくなります。

大量生産大量消費の世の中で、良いものを長く使う機会は少なくなってきました。そんな中でも熊本の歴史・伝統として残していきたいですよね。

なんさん、空中でも野菜がスパンッ!と切れるほどなので、その切れ味は本物ですよ!!

なお、試し切りに使用した食材はスタッフが美味しくいただきました。

林昭三刃物工房

住所

〒861-4115 熊本県熊本市南区川尻1丁目3−35

営業時間

10:00~16:30

定休日

月曜日

※向かいに林刃物製作所というお店がありますが、ご親戚がやっている別のお店です

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ライター紹介

山田

山田

肥後ジャーナル編集部の裏方。元地域経済誌記者やマーケティングのディレクターという経歴のガチ勢。将来の夢はヒモになること。 特技は睡眠で、朝起きるのが苦手です。

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