
田原坂に眼鏡橋があるのを知っていますか?
車がびゅんびゅんと通る道の横にそっと残されたその橋は享和2年(1802年)のもの。
歴史ある立派な橋を、見に行ってみてはいかがでしょう。
場所は植木町鈴麦
田原坂公園の入口のすぐそばのガソリンスタンドの手前になります。こちらは信号待ちで車が並ぶので、少し分かりづらいです。
現役の橋からみたところ。道路と同じ高さですので、ぱっと見はここに眼鏡橋がある事は分かりません。
この橋を渡り切った所に車を一台置けるスペースがあります。
長さ12.5m、幅3.63mと小さな橋です。こんな所に隠れていたのか~と驚きました。現代のガソリンスタンドとのギャップがあり、古さが際立ちます。
1802年の陰刻があり、年号のはっきりしている「石造眼鏡橋」では熊本県内最古のもの、と記してありました。
眼鏡橋としてはこちらが熊本県内最古のものですが、
石橋として熊本県最古のものはもっと年上!なんと1774年の
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【山鹿市】熊本県最古の石橋~日渡洞口橋(ひわたしとうぐうきょう)~へ行ってみました。 | 肥後ジャーナル – 熊本の今をお届けするメディアサイト
山鹿市のこちらです。どちらも立派に残してあり、感動します。
西南戦争が1877年なので、人間の壮絶な戦いをこの橋は体験したことになるんだなと思うと、
この橋の上に立っている事さえ、不思議な気持ちになります。
ここでの激戦を思い浮かべようとしますが、美しい緑の風景に想像はかき消されてしまいます。
ゆっくりと渡ってみます。この豊岡眼鏡橋からの風景は、あまりにものどかで美しいものです。
しかし、西南戦争の際、「官軍はこの眼鏡橋を起点にして田原坂本道の丘の右翼及び左翼へ出撃した」とあり何とも言えない気持ちになります。ここで真っ赤が血が流れた事もあった事でしょう。
輪石を繋いでいる楔石というものを初めて見ました。飾りなのかなと思っていましたが、石がずれないようにする為のものだそう。
車の通行は出来ませんが、歩いて渡る事がは出来ます。
人々の生活を支え、戦争を体験し、のどかに引退している豊岡眼鏡橋。
いつもは通り過ぎていたこんな所に眼鏡橋。ゆっくりと眺めてみてはいかがでしょうか。
晴れた日は水が輝き、とても美しい光景を眺められます。歴史を想う事で今を大切にしようと思える重要な市指定有形文化財です。
豊岡眼鏡橋
住所 | 熊本市北区植木町鈴麦 |
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駐車場 | 一台置ける場所あり |
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